レストランさながらの食体験を絶景とともに楽しんで
アミューズと前菜の次に登場したのは「EN DAIKANYAMA」のシグネチャーでもあるピザ。全粒粉を加えた生地を1人分ずつ焼き上げるので、縁がカリッとクリスピーなのが特徴だ。ベビーリーフ、神戸牛の生ハム・ブレザオラ、3種のチーズをピザ生地で挟むようにして食べると、それぞれの風味が一体となって複雑なおいしさを作りあげる。

メインディッシュの前には冷製パスタが出された。ソースはハマグリから抽出したエキスで、レモンを利かせてキャビアをたっぷりとのせている。上品でありながら濃厚なうまみが広がるハマグリは、多くのプロが信頼する、千葉県・銚子の「一山いけす」から仕入れたもの。
「あえてお箸でソースごと一緒にすすってください。メインの前に口中を少しさっぱりしていただきたいので、酸味を利かせています」と田中さん。

「いざなぎ」が単なる屋形船ではなく、海に浮かぶレストランなのだと実感するのは、炭火の焼き台が設置されているからだ。屋形船にこのような本格的な設備が作られたのは初めてというからすごい。波に揺れる船の上での調理はいつも以上に技術を必要とするが、お店同様の繊細な火入れや巧みな技に驚かされる。

この日のメインディッシュはサーロインのステーキ。外側にコショウをたっぷりとまとわせるのはクリスピーな食感を作り上げるためだ。時間をかけて焼き、肉自身の脂で表面を揚げ焼きのようにカリッと香ばしくさせる。食べる時はナイフを使わずに“くいちぎる”。焼いた面を上下の歯で噛めば、中からあふれる肉汁を楽しめ、それと同時にクリスピーさも味わうことができる。

2階デッキに上がると気持ち良い夜風と絶景が!
食事のあとはテラスになったデッキで夜風に吹かれてのんびりしたい。海の向こうにお台場やレインボーブリッジ、さらに遠くに都心の夜景が広がり、開放感いっぱいだ。晴れていれば月光を浴びてリフレッシュできる、都会の中のエアポケットだ。


波間に漂う隠れ家個室レストランとして、日本古来の屋形船文化と、さまざまな日本の食文化を融合させた、これまでにないラグジュアリーな船上体験「いざなぎ」。運航は1年を通して行われお花見や花火など季節ごとのイベントも満喫できる。人気店がポップアップのスタイルで営業するとあって、きっとサプライズとなる料理にも出会えるに違いない。
予約方法や乗船場所など詳細は非公開となるが、各店舗の開催情報なども含めて告知されるので「いざなぎ」のInstagramをお見逃しなく。

食べログマガジンで紹介したお店を動画で配信中!
https://www.instagram.com/tabelog/
取材・文/岡本ジュン、食べログマガジン編集部
撮影/八木竜馬
