僕のスペシャリテ!!! シンプルな見た目も美しいミルフィーユ

「ミルフイユ・ヴァニーユ」1,188円

同店のスイーツはどれも最高峰のおいしさ。その中でも僕が一番におすすめするのは「ミルフイユ・ヴァニーユ」1,188円。タヒチ産バニラが香る濃厚なクリームをサクサクのパイ生地でサンドした、僕の中でナンバーワンのミルフィーユです。

パイ生地の間には濃厚なクリームがたっぷり

2010年のフランスパティスリー連合主催のコンテストで「ベスト・ミルフィーユ」の栄誉に輝いた同店のミルフィーユ。クリームはバニラの香りがするようしっかりとアンフュゼ(素材の香りをソースなどに移すこと)し、通常のクレームパティシエールよりも強火で炊いて濃厚な味に仕上げているそう。またパイ生地は生地を折り込む時の温度に気を付けながら成形。生地の状態を見ながら170℃のオーブンで40分ほど焼き上げ、その後、表面をキャラメリゼしたら完成です。
そんな手間暇かけて作るミルフィーユは、サクサクとしたパイ生地となめらかなクリームが絶妙なバランス。ひとくち食べる度にバニラの芳醇な香りが口いっぱいに広がって贅沢な余韻が続きます。濃厚ながらも上品な後味で、たっぷりのクリームでも決して重く感じることはありません。

カットしづらいミルフィーユは横に倒して食べるのがベター

ところでミルフィーユって上手に食べるのが難しいですよね。パイ生地とクリームを一緒に食べるにはちょっとした工夫が必要です。
まずミルフィーユを横に倒し、層の重なりをナイフでカットしていくのがおすすめ。そうすることによってパイ生地とクリームをバランス良く食べることができます。自宅で食べる場合はぜひ試してみてくださいね。

コーヒーのほろ苦さがクセになる「オペラ」

「オペラ」972円

コーヒーシロップをアンビバージュしたビスキュイジョコンド生地に、バタークリーム、バタークリームビスキュイジョコンド、ガナッシュなどを重ねた一品。表面はチョコレートでグラサージュし、金箔とショコラのマカロンをトッピングしています。

層の重なりが美しい

コーヒーシロップをたっぷり染み込ませたほろ苦いビスキュイジョコンド生地に、コクのあるバタークリームと濃厚なガナッシュが相性抜群。チョコレートの甘さだけではなくコーヒーのほろ苦さもしっかりとあり、重厚感のある大人な味わいに仕上がっています。密度がありながらも軽やかな口どけは、フレデリック・カッセルならでは。視覚と味覚の両方を満足させるチョコレートケーキ、ぜひ食べてみてください。

定番のサブレや店舗限定のクッキーにも注目

「サブレディアマン」各972円

ケーキの他に、ギフトに最適な焼き菓子も販売しています。中でもショコラ味とバニラ味の2種類が6枚ずつ入った「ショコラ&ヴァニーユ」972円は筆者の大のお気に入り。サクサクの食感に加え、ショコラの上品な甘さとバニラの芳醇な香りがたまりません。白と黒のコントラストがかわいいので、ギフトやプレゼントにもおすすめです。

「ブロッキー・ピスターシュ」「アメリカンクッキー・クランベリー」は経堂アトリエ店の限定 ※4月中の発売予定

経堂アトリエ店限定の「ブロッキー・ピスターシュ」994円も見逃せない一品。チョコレートの祭典「サロン・デュ・ショコラ 2025」限定で販売したのが好評だったため、この春から経堂店限定で復活することになりました。ブラウニーとクッキーを組み合わせたアメリカ生まれの「ブロッキー」のアイディアをベースに、フレデリック・カッセルらしさを加えたもので、とろりとしたガトーショコラ「サオトゥボ」とピスタチオ香るアメリカンクッキーを重ねて焼き上げています。しっかりとした重みで食べ応え十分。この時期はフランボワーズジャムを使った「アメリカンクッキー・クランベリー」486円もあるのでお見逃しなく!

新しいフランスの味を取り入れていきたい

シェフ・パティシエの上久保さんもミルフィーユのおいしさに惚れて入社を決意したとか!

最後に同店のスイーツについて、シェフ・パティシエの上久保春華さんにお話を伺いました。
「これまでは銀座店のみでしたが、新たに路面店ができたことによってたくさんの人たちにカッセル氏のお菓子を届けられることをうれしく思います。古き良きも大事ですが新しさも取り入れて、少ない店舗でもしっかりと色を出す、そんな仕事ができればと思います。今後は通販限定商品や冷凍ケーキなどにも挑戦し、多くの人にフレデリック・カッセルの味を届けていきたいです」

季節限定のケーキも

“食べた人から笑みがこぼれるお菓子”をモットーに、伝統を守りながら時代に沿ったフランス菓子を作る「フレデリック・カッセル 経堂アトリエ店」。今後も注目していきたいお店です。

※価格はすべて税込

食べログマガジンで紹介したお店を動画で配信中!
https://www.instagram.com/tabelog/

文:はなとも、食べログマガジン編集部 撮影:ジェイムス・オザワ