〈New Open News〉

毎日、たくさんの新しいお店が登録されている「食べログ」。そんな「食べログ」のデータベースの中でも、オープン早々、高い評価の口コミがあったり、多くの「保存」をされたりしている『注目のお店』を食いしん坊ライターが紹介します。

amam dacotan京都(京都・烏丸御池)

日本の古都、京都。和のイメージが強い街ですが、実は全国でも屈指のパン好きが多い街です。その京都に2024年11月2日、「amam dacotan(アマムダコタン)」がオープン! パンのクオリティを何よりも大事にする同店は、京都店を国内最後の出店と予定しているとのこと。関西のみならず全国から注目を集める店になりそうです。

どこにもないおいしさ! それが「アマムダコタン」の人気の秘密 ※写真はイメージです 写真:お店から

「アマムダコタン」は2018年に福岡・六本松に誕生しました。“石の町にある小さなパン屋さん”というコンセプトでつくられた店は、まるで童話の中に入り込んでしまったかのような幻想的な空間に、独創的なパンの数々がズラリと並び、全国からパン好きが集まる人気店となりました。

写真は東京、表参道店 撮影:田川葉子

2021年には東京、表参道に2号店がオープン。当初、3、4時間は当たり前だった行列は少し落ち着きましたが、3年たった今でも「アマムダコタン」ならではのパンを求めて大勢の人が列を作っています。その「アマムダコタン」がついに京都にやってきました!

店舗外観イメージ 画像:お店から

場所は京都市営地下鉄・烏丸御池駅から徒歩5分。通りから一本を入ると細い道の両側に京町家やレトロなビルなど古い歴史が感じられる街並みが続き、京都ならではの風情が感じられるエリアです。「アマムダコタン京都」はこのエリアの一角にあり、1階はパンの販売、2階はカフェスペースとなっており、ドリンクと共に買ったパンを楽しむこともできます。

2階はカフェスペース。京都の和の風情とアマムダコタンならではの感性が融合した空間になっています 写真:お店から

店舗はオーナーの平子良太さんが2年もの歳月をかけて探した古民家をリノベーションしたもの。和モダンをテーマに名古屋のフラワーデザイナー則武潤二さんが京都をイメージしてドライフラワーで演出。他のどこにもない空間作りで定評のある同店が表現する“架空の世界”も見どころの一つです。

「アマムダコタン」のオーナーシェフ、平子良太さん。2021年11月、表参道店にて 撮影:田川葉子

「アマムダコタン」が人気を集めるのは、イタリアンのシェフだった平子さんが、料理人の感性で作る新しいコンセプトのハイクオリティなパンにあります。平子さんが手掛けたマリトッツォや生ドーナツなどは一大ブームを巻き起こしました。

京都店では福岡本店や表参道店の人気商品に京都ならではの限定商品を加えた約120種類がラインアップ予定。「まるで一皿の料理のような」といわれる具材があふれんばかりの総菜パンやスイーツパンを京都でも楽しむことができます。

「レア食パン」248円 写真:お店から

訪れたら、ぜひいただきたいのは、京都店に向けて開発してきたという2種類のパン。一つは「レア食パン」。生ドーナツにも使われている同店オリジナルのブリオッシュ生地を1年かけて改良。粉の配合や発酵時間などを調整し、これまでにない食感を実現したといいます。パンに指が沈むほどフワフワな新食感に虜になる人が続出しそうです。

「ぬれリュスティック」248円 ※写真はイメージです 写真:お店から

もう一つが「ぬれリュスティック」。ハードな外側ともっちりとした内側が特徴のリュスティック。可能な限り生地に含まれる水分量を高くし、見た目からは想像もつかないくちどけとしっとり感があるリュスティックを完成したそう。まさに“進化系リュスティック”ともいうべきパンです。

ドリンクには、世界中に愛好家がいる京都発のスペシャルティコーヒーブランド「% ΔRΔBICΔ(アラビカ)」のコーヒー豆を使用。平子オーナー自らが、自身が作るパンに合う豆を選んで提供しています。

京都ならではの素材を使ったサンドイッチも登場予定 ※写真はイメージです 写真:お店から

「アマムダコタン」はどんなに人気になろうとも、職人の手作りにこだわり、パンだけでなくソースや挟む総菜もすべて店舗で手作りしています。そのため多数の店舗展開とはなりません。

「私たちが今まで培ってきた、経験、技術、繋がり、全てを表現した最後の出店に相応しいお店ができました」と語る平子シェフ。また一つ、古都に名ベーカリー誕生の予感がします。

文:小田中雅子