〈New Open News〉

毎日、たくさんの新しいお店が登録されている「食べログ」。そんな「食べログ」のデータベースの中でも、オープン早々、高い評価の口コミがあったり、多くの「保存」をされたりしている『注目のお店』を食いしん坊ライターが紹介します。

しろ(京都・烏丸御池)

2024年8月14日、京都・烏丸御池にレストラン「しろ」がオープンしました。

まるで家紋のようなロゴが目印
まるで家紋のようなロゴが目印   写真:お店から

オーナーシェフの竹中 厚志さんは大学卒業後、会社員をしながらイタリア料理の修業を続け、24歳のとき、料理人となった異色のキャリアの持ち主。その後、島根県浜田市に「Mia paese(ミアパエーゼ)」をオープンします。

竹中 厚志さん
竹中 厚志さん   写真:お店から

イタリア語で「私のふるさと」という店名の通り、浜田港で水揚げされた新鮮な魚介類や島根のブランド牛である大国牛、地元の契約農家から仕入れた旬の野菜など地元の食材を使ったオリジナリティあふれる料理を提供。

そのセンスはフーディーたちを魅了し、フランス発レストランガイド「ゴ・エ・ミヨ」に3年連続掲載、「食べログ イタリアン WEST 百名店」に選出されるなど、全国にその名が知られるようになります。そして、その活躍は島根にとどまらずJR西日本の豪華列車「TWILIGHT EXPRESS 瑞風(トワイライトエクスプレス みずかぜ)」で料理監修を任されるほどです。

「IDO KYOTO」では各店舗に地下30mからくみ上げた水を提供している
「IDO KYOTO」では各店舗に地下30mからくみ上げた水を提供している   写真:お店から

そんな竹中シェフがさらなる飛躍をするための新たなステージとして「Mia paese」を閉め、京都・烏丸御池にレストラン「しろ」をオープンしました。

場所は烏丸御池駅から徒歩3分、室町通沿いにある文化複合施設「IDO KYOTO」2階にあります。

「IDO KYOTO」は食、茶、アートが融合した施設。ユニークなのは食の基本となる水に京都の地下水を使用してもらおうと井戸を掘るところから施設の建設が始まったこと。「しろ」でもこのミネラル豊富な地下水を使用しています。

カウンター席。明るい店内はお一人様でも利用しやすい雰囲気
カウンター席。明るい店内はお一人様でも利用しやすい雰囲気   写真:お店から

店内では壁や天井を白色で統一し、温かみのある天然無垢の木材を使った家具を配置。スタイリッシュでありながら、心和む空間になっています。席はカウンター6席とテーブル1卓。じっくりと美食と向きあうひとときが過ごせます。

「ボタンエビの冷製パスタ」。おまかせコースの一例
「ボタンエビの冷製パスタ」。おまかせコースの一例   写真:お店から

メニューはランチ、ディナー共に「おまかせコース」19,800円のみ。自然豊かな島根の食材と、伝統と文化が育んだ京都の食材をふんだんに使い、イタリアンをベースに和やフレンチの技法を取り入れたジャンルレスな一皿を供します。

「おまかせコース」の一例
「おまかせコース」の一例   写真:お店から

店名の「しろ」は見た目にこだわるのではなく余白を大切にしたいとの思いから名づけられたそう。その時々の素材本来の味わいを大切にし、簡素でありながらもそれぞれがハーモニーを奏で、その料理だけで完結するのではなく、余白にときめく。そんな料理がいただけそうです。

「ワインペアリング」9,000円、「ハーフペアリング」6,000円、「ティーペアリング」6,000円 写真:お店から

ドリンクはおまかせコースに合わせたワインペアリングとハーフペアリングが用意されています。アルコールが苦手という人にはティーペアリングがおすすめ。日本茶、台湾茶、中国茶と種類も豊富で、冷と温どちらも用意されています。シェフが作る極上の一皿にあったワインやお茶で楽しめば、さらに至福のひとときが広がります。

「おまかせコース」の一例
「おまかせコース」の一例   写真:お店から

「しろ」は単なる色ではなく、余白や潔白、率直といった意味を持ちます。何かが生まれる。そんな予感に満ちたレストランは、美食を愛する人たちが集う場所になりそうです。

※価格は税込。

文:小田中雅子