金王八幡宮のお膝元にオープン

ハイセンスな建物の2階にある

渋谷駅から徒歩8分、喧騒から逃れた落ち着きのある場所にオープンした「ON the TABLE CHINESE」。ふと横を見ると金王八幡宮の鳥居が見え、何だか縁起が良い気がします。

平賀大輔さん

店主の平賀大輔さんは1999年に現在の株式会社Wakiyaに入社。「トゥーランドット横浜」を皮切りに「トゥーランドット 赤坂店」「トゥーランドット 晴海店」、「食べログ 中国料理 TOKYO 百名店」にも選出されている「Wakiya 一笑美茶樓」、「上海ドールバイワキヤ」「蓮双庭」「dots」と、23年間、脇屋友詞シェフの薫陶を受けてきました。平賀さんが大きく成長したのは脇屋さんの目が届かない「上海ドールバイワキヤ」と「蓮双庭」に赴任した時でした。「それまでは料理のことだけ考えれば良かったけれど、そこからは料理人として脇屋の味を守りつつ、スタッフの教育や環境作り、仕入れ、売上を伸ばすための改革などトップとしての役割も担うことになりました。最初はきつかったけれど、だんだん良い方向に変化していくことが本当に楽しかったですね。あの時の経験があるから今があります」と語ります。

8席までのカウンター

店内には「どうしても作りたかった」と言うカウンターと個室、そして窓側に4人掛けのテーブル席が1つあります。カウンターを白い大理石にしたのは「肌が美しく見える」と女性客に喜ばれたからだとか。

2〜8名で利用できる個室

こちらは個室です。個室利用のない時は予約人数に合わせてテーブルの配置を変えて使用したりと、さまざまなシチュエーションに対応しています。

「八仙閣」に勤めていた6年間で繋がった生産者が育てた九州食材が中心

提供するのは3種類のおまかせコース(6,600円、13,750円、22,000円)とアラカルト。お一人様には春巻きを1本にするなどメニューによってはポーションを小さくしたり、コースの〆は一人ずつ別に選べたりと、店の造り同様、料理も可能な限りリクエストに応じられるように準備しています。上海料理をベースに甘みとコクのある九州ならではの食材や調味料をミックスした独自の味わいは、味に精通した人をも驚かせます。

皿ごとの緩急が絶妙のおまかせコース

「前菜盛り合わせ」

それではおまかせコースから数品ご紹介しましょう。こちらの「前菜の盛り合わせ」には、蒸した海老芋とローストした松の実に熱したピーナッツ油をまとわせて調味料と和える「海老芋と松の実のロースト」や「筍と芥子菜の漬物 紹興酒炒め」、クラゲは黒酢とニンニクで、キクラゲは甘酢で漬けて味の変化を楽しませる「クラゲの頭とキクラゲの酢漬け」といった伝統料理や、発酵唐辛子や五香粉などで味付けした“中華版”「パテドカンパーニュ」「青山椒のスパニッシュオムレツ」「クミン風味のニンジンラペ」、クローブと西洋シナモンとブルーベリーで漬けた「ビーツのピクルス」のようなアイディア料理が並び、さながら宝箱のよう。

照りが美しい!

こちらは看板メニューの「焼豚」です。使用するのは鹿児島県鹿屋市の「ふくどめ小牧場」でしか飼育していない「幸福豚」のバラ肉。客が着席してから焼き始め、コースの3品目で焼き立てを提供します。

「焼豚」

たまり醤油や大豆味噌などで甘く漬けた豚は濃いめの味付けながらくどさはなく、塩味の利いたピーナッツと一緒に頬張ると、その甘じょっぱさに箸が止まらなくなります。上海だとピーナッツは煮るそうですが、平賀さんはカリっと炒っています。
アラカルト(2,200円)でもオーダーでき、この味にハマって追加する人も。

「黒酢牛」

こちらは本日のメイン料理。ドフィノワをイメージしたジャガイモのグラタンの上に、黒酢で味付けした熊本県天草市「田中畜産」の黒毛和牛と福岡県能古島産の「ピーナッツもやし」と糸島「久保田農園」のハーブをのせ、最後にケイジャンスパイス粉を振りかけエスニックに仕上げた一皿。シャキシャキした食感と豆の味が強調されたピーナッツもやしがいいアクセントになっています。付け合わせには肉まんの生地で作ったフォカッチャ風のパンを。蒸しパンにしないところがニクイ!

本日の「イチボ」は超しっとりやわらか!

甘めに味付けした肉には刻んだザーサイを入れた爽やかなニラソースを合わせ野菜もふんだんに盛り付けたり、酸味の強さはスパイスで調和させるというように、平賀さんの料理はバランス力が本当に素晴らしい!