アイディアがあふれて増え続けるアラカルトメニューも必食!
4月から始めたアラカルトも魅力的なラインアップです。こちらは上海料理にはないので味の方向性を考えたという「麻婆豆腐」。試行錯誤して見いだしたのは4種類の油を入れること。ネギ油でベースを作り、胡麻油でうまみを逃がさないように膜を張り、山椒油でスパイシーさを、十味唐辛子で作った辣油で辛みをつけています。長ネギと蟹肉でシャキシャキとした食感を作り、天草の黒毛和牛のひき肉で甘みとコクを引き出しました。
こだわりはバスマティライス。主にインドやパキスタンで食されるバスマティライスは粘りがなくパラパラで軽い食感。独特の香りも平賀さんの麻婆豆腐に合うんです。
粘りがなく長細い粒ゆえ、炊き方が難しく、洗う時もうっかりすると粒が折れてしまうそう。だからといって水分量を多くするとおいしくない。土鍋でゆっくり炊くのがコツなのだとか。
「何度か失敗したおかげでお粥がおいしいというのがわかったんです。ミキサーで細かくしたバスマティライスを紹興酒で炊いて、鶏のセセリとセリの餡をかけたらめちゃくちゃおいしかった」と、常連さんメニューに加わったそう。日本米の白飯の用意もありますが麻婆豆腐にはぜひバスマティライスをお試しあれ。
自由で楽しい! だからまた来たくなる
こちらの料理にはビールも紹興酒も合いますが、ソムリエの資格を持つ平賀さんが自ら選んだワインをぜひ。「ジャケ買いしたのもあります」と言うヴァン・ナチュールが多く、自分で飲んでみて「あ、軽いな。前菜にすすめられる」「ロースト香が中華には合う」「甘いから初々しいカップル向けかな」というように、シチュエーションを想像して買い付けています。価格はグラス900円〜、ボトル5,000円からとリーズナブル。すっきりとした味わいのスパークリング、オーストラリアの「COWPUNK」は牛乳瓶を再利用したボトルがかわいい!
「トゥーランドットにいた時のあだ名は“仏の平賀”でした」と言うくらい、話し上手で初対面でもすぐに打ち解けてしまう平賀さん。カウンターでは「ウチの人気NO.1はザーサイで、ほとんどの方がお代わりされます。先日も1組で4皿頼まれたんです。目標はザーサイに勝つことです。ザーサイに勝てる料理を作らなければ!」なんて、クスリと笑ってしまう話を聞いていると楽しくて時間の経つのを忘れてしまいます。
人気メニューの「黒酢の酢豚」「ニラ醤油スープ麺」や、リクエストが多くて裏メニューとなった「高菜炒飯」など、毎日来ても食べきれないほど豊富なレパートリーに新しい発見は尽きません。料理、空間、サービス、何もかもが自由で楽しいこの店を出た途端、次はいつ行こうかと思ってしまうのです。
※価格はすべて税込(コース利用の場合はサービス料別途10%)