ファッション誌『mer』や『mina』などで活躍するモデルでありながら、豪快な飲み方がなんとも男らしい! お酒好きを公言するモデル・村田倫子が、気になる飲み屋をパトロールする連載。

 

飲み道楽な彼女が、「同世代の人にもっと外食、外飲みを楽しんで欲しい!」と願いを込めてお送りする今回は、東京・阿佐ヶ谷にある連日予約の絶えない餃子の名店「餃子坊 豚八戒」を紹介。

呑み屋パトロール vol.8「餃子坊 豚八戒」

あぁ、餃子。餃子が食べたい……。

定期的に訪れる私の「餃子をたらふく食べたい欲」が沸点に到達。

 

頭を餃子でいっぱいに膨らませつつ、JR中央線・阿佐谷駅に降り立つ。前に来た時となんだか雰囲気が違う。駅周りがより活気に溢れていますね。(お洒落な駅ビルみたいなのができてました)

 

店内がJKで溢れる、巷で人気のタピオカ屋さんには目にもくれず、私が目指すのは粋な飲み屋で活気溢れるいちょう小路。

 

 

あぁ、これこれ、この雰囲気落ち着くわ。

 

ずっと食べログの行きたいピンにストックしていた豚八戒。予約を取るのさえ困難を極めるほどの人気店。長らく片思いだった相手にやっと会えるなんてドキドキしちゃう。

長年の間恋い焦がれた餃子目がけ、いざ店内へ!

 

門構えから威厳たっぷり。この“THE 中華!”という感じいいですね。

 

扉を開けると、オーナーの香川さんが素敵な笑顔で迎えてくれます。

 

 

赤が基調の店内。カウンター、テーブル席のほとんどがオーナーと、その友人達との手作りだそうです。なんだか落ち着く空間。

 

そして今回は、母屋のお隣にある離れの方へ

個室も完備。雰囲気たっぷりの離れへ

 

飛び石の小道を抜けて離れの建物内へ。内装は広々とし、綺麗にセンス良くまとまっています。(勝手にごちゃっとしている印象をもっていたので、良い意味で期待を裏切られた)

 

 

テーブル席と、更に個室もあるようです。

呑みたい気分を掻き立てる。味のある手書きメニュー

 

まずはドリンク。ビール、紹興酒、マッコリ、そしてサワーなど種類豊富です。

 

 

意外だったのが、ワインのラインアップ。

 

 

ボトルのワインが泡、白、赤と色々と揃っています。しかもかなり良心的なお値段です。

 

いやぁ、でも餃子ですからね、何はともあれビールですよね。クゥ。

やっぱり餃子にはこれ!生ビールで始めましょう

 

まずは「キリン生ビール」500円で乾杯。

 

気になる料理のメニューはこちら。

 

 

あぁー、いい。このシンプルでまっすぐな姿勢、タイプです。料理となると、私は重度の優柔不断なので、選択肢が洗練されている方がビールの泡がなくなる前にオーダーできて嬉しい。

 

餃子を待つ間、ビールのお供には「高菜と枝豆のあえもの」 450円をオーダー。

 

「高菜と枝豆のあえもの」 450円

 

 

高菜のシャキシャキとした気持ち良い食感と、すっと抜ける風味に枝豆の甘さが生きてきます。

 

そして 「凉拌海蜇(クラゲの和え物)」620円を追加。

 

「凉拌海蜇(クラゲの和え物)」620円

 

ぷるっとしたクラゲの身に、良い塩梅に味が染み込んでいます。コリっとした歯ごたえは無限ループで口に入れていたい。

 

そして隣のテーブルに運ばれてきたのが目に止まり、「同じのください」と頼んだ 「腸詰ソーセージ」550円。

 

「腸詰ソーセージ」550円

 

旨味がぎゅっと詰まったソーセージ。奥の方から、八角の甘さがホワンと広がり、お肉の香ばしさを引き立たせます。そして、上手くきゅっと調和させるキュウリ! このキュウリがいい引き立て役。お酒のあてにはぴったりの一皿。(餃子がくる前にこの子たちで一杯飲みきりそう)

調味料不要!卓上を舞台にこれでもかと咲き誇る「餃子」に悶絶

2杯目のビールに入ろうとした頃、さあ、やってきました!! 今夜のスター!!!! 香ばしさを纏い、堂々たる威厳で咲き乱れる「華餃子(羽根付焼餃子)」580円。

 

「華餃子(羽根付焼餃子)」580円

 

 

ここ豚八戒の看板娘。お皿の淵に向かって曲線を描き、ふわっと広がる羽の美しさに、ごくりと喉が鳴る。

 

華の中心に箸を入れ、パリっと立つ音に思わず口元が緩みます。

 

 

顔を合わせ、口に入れる瞬間すら楽しませてくれる餃子よ。そういうところも好きです。ふわっと軽やかな羽を纏った、愛しい身。個にしても美しく、可愛い。

 

「味をしっかり感じるので何もつけないでどうぞ」と言われたので、そのままパクリ。

 

 

ぷりんと弾ける身は優しく、相反してサクっとした羽が食感とともに味覚を包み込む。どうしたら、この絶妙すぎるバランスを保てるのかキッチンの調理人に問いかけたい。

 

弾けた餡は、じゅわんとした肉汁と中華料理特有の香辛料の甘い風味が鼻をける。なんと 9種類の香辛料を使っているのだとか。

 

基本的に中国では何もつけずに食べるのが主流。調理を主に担当している中国の黒江省 ハルビン出身の陳培霞さんは、香辛料や漢方に詳しく、手を抜かず身体に良いものを提供したいと、この一皿が生まれたそう。

 

付き餃子何度か口にしたことはありますがこの軽やかで絶妙な食感と深い味わいは、はじめての体験。これはいくらでも入ってしまうやつ!と調子にのり、他の餃子も次々とオーダー。

水餃子に蒸し餃子もう餃子が止まらない!

「四川風麻辣水餃子」560円

 

先ほどの王道とは一転、艶やかな水餃子に君臨した辣油とパクチー。鮮やかな色彩とバランスこなれたコーディネートです。

 

洒落ているのはルックスだけではないんだぜ!

 

ワンタンのようにつるんと吸い込まれたと思いきや、ガツンと口いっぱいに広がる自家製辣醬の濃縮された旨みにくらり。束の間に訪れるぷりんとした身から、弾け出る肉汁、それらの余韻を後押しするパクチーの香味。

 

 

全ての素材の美味しいが手を取り合う瞬間! 新しい餃子の一面を垣間見ました。

 

興奮と餃子に箸を運ぶ手が止まらない中、テーブルに置かれた蒸

 

「八戒餃子(精進蒸餃子)」540円

 

パカッと開けると、熱々の湯気から登場したハロー 「八戒餃子(精進蒸餃子)」 540円。

 

 

小籠包のようなぽっくりとしたフォルムが、またかわいいですね。蒸したことにより、もっちりという付加価値がプラスされ私の舌はまた新しい刺激に歓喜します。

 

ハオツー!!!!(中国語の「美味しい」!)

 

肉は使わず、椎茸、厚揚げザーサイなどを使用した、ヘルシーだけどしっかり食べ応えのある、女子には嬉しいことくめの餃子です。

 

 

お利口さんに整列して現れたのは、「明蝦餃子(海老水餃子)」 640円。

 

「明蝦餃子(海老水餃子)」 640円

 

行儀よくお澄まししているけれど、皮から透けるプリッとした海老の火照りは隠し切れていない。うーん、色っぽいです。

 

 

元気よく飛び出すお海老様。いるのは分かっていたけれど、やはり破壊力がありすぎます。ずるいです。でも大好きです。

 

こんなにも餃子に翻弄されることになるとは思ってもみなかった。参った。

 

(この後、華餃子と四川風麻辣水餃子は2ターン目に入りました。笑)

 

「これでもかっ!」というほど餃子を愛でで、ビールで余韻を楽しんで、お会計はなんと一人3,000円ほどでした。(思わず伝票二度見)

 

 

餃子欲は満たされるどころか、好きが溢れて拍車がかかってしまったよ。

 

罪深き餃子……。

 

何としても、また予約をとって訪れたい。(この記事を書きながらもう恋しい)

 

次回は大人数で来て、美味しいと噂の「火鍋」も堪能したいな。

 

 

とても良い夜でした。

 

「なみじゃない、杉並!」。

文:村田倫子