教えてくれる人
川井 潤
フジテレビ「料理の鉄人」企画ブレーン(1993年~99年)。元(株)博報堂DYメディアパートナーズ。現在は、渋谷区CFO(Chief Food Officer)として渋谷区にあるおいしい店の啓蒙・誘致、区独自の商品プロデュースほか食品関連企業、IT会社、広告代理店などのアドバイザーを務める。滋賀県彦根市、その他エリア等これまでの企画ノウハウを活かして「地域サポート」も行っている。
東麻布の裏路地に密かにオープンした隠れ家店
東麻布の閑静な住宅街に潜むフレンチレストラン「OLINA」は今年2月にオープンしたばかり。店内に入ると、まずはキッチンカウンターの上に並ぶガラスの発酵瓶が目に飛び込んでくる。中身は果実だったり、スパイスだったり、ガルムという日本のいしるのような魚醬だったり、自家製の味噌だったり。この発酵調味料はレストランの料理に使うこともあれば、ラボのように実験をかねて作っているものもあるのだとか。
こちらのシェフは、フランス人のオリヴィエ・ガルシアさん。フレンチをベースに、日本の食材を使って新しい味のハーモニーを探求している。“サステナブルであること”もテーマのひとつで、発酵調味料の中にも食材を無駄にしないために生まれたものも少なくない。
川井さん
食材を無駄にせず大切に扱うだけでなく、どうしたらおいしくなるかあらゆる角度から徹底的に研究して、おいしく提供してくれます。
名店出身シェフと元デザイナー奥様の最強タッグ!
子供のころから料理が好きだったというオリヴィエシェフ。ワーキングホリデーで行ったオーストラリアで、レストランに突撃して働かせてもらったという情熱の料理人だ。そこから料理の道を歩きはじめ、後にフランスの料理学校などを経て、パリのレストランや北欧の星付きレストランなどで腕をふるった。
パートナーの髙遠菜都子さんはスウェーデンのブランドでも活躍したファッションデザイナー。2人が身に着けているワークウェアも、髙遠さんが提案したものだ。シンプルだが色使いやディテールが洗練されていて、レストランの雰囲気にもよく似合っている。
2人が思い描くレストランを完成させるため、店舗のデザインは建築家・山本亮介さん(ya Inc.)に依頼した。さらに店のロゴマーク、器やカトラリーなど細部にわたり、そのエッセンスは息づいている。
例えば、カトラリーを並べる順番もそのひとつ。ルールに縛られなくてもいいというメッセージを込めて、定番とは少し位置を変えている。「何気ないことですが、“おや”と気付く方もいます。普段は意識しないことに気付くというのも面白いことでしょう」と髙遠さんは笑う。
川井さん
フランス人シェフのオリヴィエ・ガルシアさんと、奥様で千葉県出身の元ファッションデザイナーの菜都子さんの共同運営。なので、お二人の名前を少しずつ取って「OLINA」という店名に。ステキでオシャレ。お二人の人柄が料理、サービスに表れています。