3年後に目指したい自分の料理の完成形

浜崎龍
テーブルの向こうには薪の火が見える。ライブ感もごちそうの一つ   出典:浜崎龍さん

本田:峻の料理ワールド、楽しみです。今後、どういうふうにしたい?

鍬本:この間の旅から帰ってきて思ったのは、自分はまだスタートラインにも立ててないんだなということ。そこはしっかり自覚して、目標を2年後、3年後に置いて、いろんな経験をしていくつもりです。今は、ガスも入れてなかったり、メニューもおまかせコースだけだったりといろいろ縛りを作っていますが、これもしたい、あれもしたいというアイデアがいっぱい出てくるので、それをしっかりまとめていきたい。今32歳なんですが、35歳のときに自分が思うベストをしっかり固めて、形にして、熊本で作りたいっていうのがあります。熊本という街がもっと盛り上がれるようなお店をつくりたいですね。

本田:お客さんは熊本の人が多いの?

鍬本:25歳のときから始めたお店の方たちが、今でも来てくださっています。でも、最近は県外の方がかなり増えました。

本田:どれぐらい? 半々ぐらい?

鍬本:6対4ぐらいですね。熊本の方が6割です。

 口福ヤマトモ
「カキ カリフラワークリームムース牛乳の燻製クレマ」。地元熊本の海の幸、山の幸を心ゆくまで楽しむ   出典: 口福ヤマトモさん

本田:このスタイルで地元の人が多いのもすごいね。普通は、東京とか、他の地域からお客さんが多く来るスタイルになるはずなのに。

鍬本:できるだけ同じものを出さないようにしていますし、多分地元の人にとって使いやすいレストランになっているんだと思います。

本田:これからは熊本を代表するレストランになっていくんだろうな。

鍬本:それはもう大きい夢ですよね。

本田:すごく面白かった。今日はありがとう。

鍬本:ありがとうございます。

取材:本田直之、食べログマガジン
文:小田中雅子