はじめの4品のコースの内容公開

本日のスターターコースの4品

はじめにコースのご紹介をしましょう。本日は「先附」に「百合根と柿と大徳寺麩の白和え」、「お凌ぎ」に「鱧と梅肉の飯蒸し」、「向附」に「お造り」、2種から1種を選ぶ「強肴」は「甘鯛うに焼き」の4品です。

「百合根と柿と大徳寺麩の白和え」

白和えは季節感や食感を考えて食材を組み合わせています。柿はほんのりと甘く、白和えの胡麻との相性が良い。ホクホクした百合根とフワフワの大徳寺麩にカリカリの松の実は食感で楽しませます。

「鱧と梅肉の飯蒸し」

飯蒸しは本店の定番料理。蒸したもち米の上に鱧をのせ、一番出汁で作った餡がかかっています。もち米は蒸した後に一旦冷ましてから再度蒸しておこわのようにもっちりさせています。直前に骨切りした鱧の食感も見事ですが、出汁のおいしさは圧巻。京都の出汁文化を味わっていただきたいと、出汁にとことんこだわるだけあって、口にするといい香りがいっぱいに広がります。

「鰆 鯛 本鮪のお造り」

本日のお造りは3種盛り。どれもなんという食感なのでしょう。軽く酢締めした鰆はぷりっとした後からねっとりが追いかけてきます。軽く塩で締めた明石の鯛はさっきまで泳いでいたのではないかと思うほど弾力を感じます。本鮪は赤身と中トロの間くらいの脂ののりでとろんととろけます。

「甘鯛うに焼き」

「強肴」は炭でふっくらと焼き上げた甘鯛に北海道産のバフンウニがこんもりとのっています。甘鯛だけでも十分においしいのですが、一緒に頬張るとウニがとろけて甘くコクのあるソースとなって甘鯛を包みます。酢橘を搾ってまったりからすっきりへの味変もいい!

つまみからおでん、中華、揚げ物、〆まで多種多彩なアラカルト

「おでん全種盛り」3,500円

アラカルトは「一品」「おでん」「温物」「揚げ物」「焼物」「中華」「〆物」があり50品ほどラインアップされ価格は800円〜。2人でシェアするとちょうど良いサイズ感です。注目はやま岸初の「おでん」。味の決め手はやはり出汁。昆布と鰹で取った出汁がベースとなりますが、タネの牛スジや鶏肉からもいい出汁が加わりしっかりした味わいながらとてもまろやかです。

出汁もたっぷり

本日のタネは京料理に欠かせない「えび芋」や東京では珍しい「赤こんにゃく」など5種類。「大根」は出汁が程よく染み、箸ですぐ割れるほどやわらかく、「牛スジ」は口にするとほろほろと崩れます。食べ進めるうちに出汁にタネが混ざって一層味わい深くなるのがおでんの醍醐味。

美しすぎる!

からすみは本店と同じように血抜きをしっかりしてから酒を使わずに塩漬けして干しています。ボラの子本来の香りやうまみを引き立たせるため、塩の加減には徹底的にこだわります。約1カ月経ってできあがったからすみはねっとりとした半熟状態。

「からすみそば」2,500円

そのからすみを惜しげもなく削りかけたのが「からすみそば」です。そばはゆでたら太白胡麻油で和え、味付けは少しの塩とからすみのみというシンプルの極み。よく混ぜて食べると、からすみ、胡麻油、そばの三位一体に箸が止まりません。

「やま岸」オリジナルラベルの「新政 天鵞絨(ヴィリジアン)」を手に笑顔のスタッフ

京都の店から総料理長の平居孝幸さん、店長の越中廉太さん、前田さんがオープニングスタッフとして上京。コミュニケーションを大切にし、誰からも愛される店にしたいと話します。こちらは何と言っても「やま岸」の味がアラカルトでリーズナブルに楽しめるのが魅力。京都らしさを感じる「鯖ずし」「かす汁」「鱧かつ」や、人気の「ちゃん山手羽先からあげ」「ポテサラいぶりがっこ」などが銀座で食べられる幸せをぜひ感じてください。

※価格はすべて税込

文:高橋綾子、食べログマガジン編集部 撮影:木村雅章