ランチの人気No.2「ビリヤニ」はチキン1本がデーンと!

ビリヤニ1,400円。鍋が深いので、2人前ぐらいはあるでしょう

そしてラージャプレートと双璧をなす人気メニュー「ビリヤニ」。現地では手間がかかり過ぎるため特別な日にしか作らず、「日本のインド・スリランカレストランでも本格的なものを出しているところは少ないですね」とオストさん。

真っ赤なので辛そうですが、赤色はパプリカパウダーによるもの

鶏レッグをクミン、コリアンダー、チリパウダー、カレーパウダー、ニンニク、ショウガなどのスパイス類で30分ほど炊き、さらに香辛料を加えて1日寝かし、それをフライパンでソテーして……と、確かに書くのも面倒なぐらいの手間です(笑)。

セットのカレーはキーマ。豚と牛の合いびき肉とタマネギ、トマトを炒め、カレーパウダーを加えて30分煮込み、ココナッツミルクとヨーグルトを入れて……と、これも書くと10行ぐらいになりそうなので割愛します。

 

猫田さん

キーマカレーってもっとドライなイメージですが、こちらは肉から出る脂やトマト、ヨーグルトによる汁気でシャバッとしています。こってりオイリーで私好みの味!

こりゃデザートかいな?と思ったら、ヨーグルトで作る「ライタ」。タマネギ、レモン、フェンネルを合わせた酸っぱいサラダ的な一品で、ライスに付けて食べても良いそうです。

ビリヤニは香り付け用の「ORRIS WATER」なるローズウォーターと、ギー(オイル)やバターで炊いてあります。さらにクローブやらコリアンダーやらスパイス類も一緒に炊き込んであり、世界一旨い米料理じゃないかと思うほどスパイスが利いてリッチな味。

 

猫田さん

ビリヤニは専用の釜で炊いています。チキン、タマネギ、ミックスベジタブルが入り具だくさん。カシューナッツをトッピングするのがミソで、カリカリ食感がアクセントになっています。

ビリヤニにライタを付けて味変をすると一気に後味が爽やかに。チキンは軟らかくほろっと骨から外れ、身までしっかりスパイスが染み込んでいます。「オストさんスゲエ……」とリスペクトが高まるばかり。

夜はお酒と50種以上のスリランカ料理を楽しめるダイニングに(昼も飲めます)

スリランカの有名なビール「LION」も。カレーに合いそうでしたが取材時は我慢しておきました

スリランカのビールやアラック(ココナッツ焼酎)などお酒もそろっており、アラカルトも50種以上用意。タンドリーチキンやサーロインステーキ、生春巻き、フィッシュビリヤニ、ロティ……と、さすがあらゆるジャンルの経験があるオストさん、スリランカ以外のメニューも何でもいけます。

 

猫田さん

実は昼からお酒もOKで、アラカルトもいただけます。こりゃ良い昼飲み店を見つけたわ~と後日さっそく伺いました。

猫田しげる撮影。どうも茶色い料理ばかりチョイスしてしまう。この他にも何か食べました

この下手くそな写真は、後日伺った時に自分で撮影したもの。青唐辛子が入ったスリランカMIXオムレツ、スパイシークリスピーチキン、シーフード炒め、スペシャルビリヤニなどしこたま食べて飲んだのですが、「えっ」というぐらい安かったです。とにかく一皿の量がすごい。

これから日本で流行りそうなファルーダ(右)500円。左はマンゴーラッシー450円

さらに「ドリンクだけの利用もオッケーです!」とのこと、こんな映え~なドリンクも用意しちゃっています。でもこれ、映え狙いではなく現地でよく飲まれている「ファルーダ」というスイーツドリンクなんです。

真っピンク色はストロベリーシロップ。ベースは牛乳で、そこにシナモン、カルダモン、ローズシロップなどで香り付けをしています。中にはパイン、ゼリーも入り、下にはチアシード、上にはバニラアイス。ドリンクというよりデザートです。めっちゃ甘いけど日本にはないエスニックな味です。

「現地のお母さんの味を再現しています」とオストさん。スリランカのお母さんってどれだけ料理上手なのでしょう!

朝早くから仕込みに来て、夫婦で厨房に立ち、こんな多種類の料理を作るなんて……とオストさんを労うと「料理作ることが趣味だからね!」と明るい笑顔。お~。後光が差すようです。

ちなみにスリランカから大阪に来て、寒くないですか?と尋ねると、「ぜんぜん寒くないよ。むしろ夏がスリランカより暑いね!」と言うのでぶったまげました。大阪ってスリランカより暑いのか……。

 

猫田さん

中崎町はカレー激戦区なので競争が厳しいですが、ニュー ラージャスターンは本当にグレイトな店。昼も夜も行ってみて欲しいです!

※価格は税込。

撮影:ハリー中西
文:猫田しげる