〈2023 食通が惚れた店〉

コロナ禍の制限もなくなり、みんなが日常を取り戻しつつ生活してきた2023年。イベントも復活し、飲食業界も賑わいを取り戻しています。

そんな2023年に、グルメ情報を熟知した有識者が惚れ込んだお店や料理についてアンケートを実施。「最も印象に残った店」「2,000円以下のお手軽グルメ」「おすすめのお取り寄せ」をうかがいました。

今回は、「東京最高のレストラン」編集長の大木淳夫さんにお答えいただきます。

教えてくれる人

大木淳夫
「東京最高のレストラン」編集長 
1965年東京生まれ。ぴあ株式会社入社後、日本初のプロによる唯一の実名評価本「東京最高のレストラン」編集長を2001年の創刊より務めている。その他の編集作品に「キャリア不要の時代 僕が飲食店で成功を続ける理由」(堀江貴文)、「新時代の江戸前鮨がわかる本」(早川光)、「にっぽん氷の図鑑」(原田泉)、「東京とんかつ会議」(山本益博、マッキー牧元、河田剛)、「一食入魂」(小山薫堂)、「いまどき真っ当な料理店」(田中康夫)など。 
好きなジャンルは寿司とフレンチ。現在は、食べログ「グルメ著名人」としても活動中。2018年1月に発足した「日本ガストロノミー協会」理事も務める。最新刊「東京最高のレストラン2024」が発売中。

Q. 2023年、最も印象に残った飲食店と料理を教えてください

A. 「ラ クルール デテ」の「ジャガイモを纏った石鯛のポワレ コキュアージュクレーム」です

牡牛座同盟
出典:牡牛座同盟さん

コロナ禍で生死の境を彷徨ったシェフが、一大決心をして世田谷の店を閉めての再出発。というストーリーを抜きにしても、特に90年代のフランス料理好きにはたまらないコースを堪能できます。石鯛は皮目がパリッとして、ソースもうまい。5種ある肉料理は、例えば4人で訪れて全員が違う種類をオーダーしてもOK。カウンター2席、テーブル1卓という空間がまたよくて、シェフと語り合いながら気持ちのいい時間を過ごせるレストランです。

アンダー2,000円のお手軽グルメ

Q. 2023年に食べた〈2,000円以内の感動の味〉を教えてください

A. 「狛犬hug me」の「山椒ポークキーマとチキンカレーと、蒸し野菜」(1,500円)です

゛マッサー゛
山椒ポークキーマとチキンカレー 蒸し野菜5種   出典:゛マッサー゛さん

目黒から移転した間借りカレー店。まず、渋谷の九龍城ともダンジョンとも呼ばれるあのビルに入るだけでも価値があります。シャバシャバ系の出汁カレーで、バランス、香りが素晴らしい。 存在感が抜群の蒸し野菜は、こんなに食べられるのかな?と一瞬怯むものの、硬過ぎず軟らか過ぎず、驚くほどぺろりと食べられてしまいます。食後に胃が軽やかなのもうれしい一皿です。

2023年のお取り寄せ

Q. 2023年に出会った、人におすすめしたいお取り寄せを教えてください

A. 「山本水産」の「背徳のいか塩辛」です

写真:お店から

無添加の塩辛が好きで、見つければ取り寄せているのですが、中でも抜群だったのがこちら。使うのはイカの胴だけで、極限まで水分を抜き、味付けは天然塩のみ。

写真:お店から

それ故か、うまみがとんでもなく高く、濃厚で圧倒的においしい。熱燗があるとさらに極上です。

※価格は税込です。
※アンケート内容と「食べログ」に掲載されている情報をもとに、料理名・金額を掲載しています。最新の情報はお店にご確認ください。

文:大木淳夫、食べログマガジン編集部