〈New Open News〉

毎日、たくさんの新しいお店が登録されている「食べログ」。そんな「食べログ」のデータベースの中でも、オープン早々、高い評価の口コミがあったり、多くの「保存」をされたりしている『注目のお店』を食いしん坊ライターが紹介します。早くもお店に訪問した食べログレビュアーのコメントも掲載!

発酵室 よはく(京都・元田中駅)

写真:お店から

2023年6月、元田中駅から徒歩3分ほどの場所に、古民家の一角を使った小さな酒屋「発酵室よはく」がオープンしました。「暮らしに余白を醸そう」をテーマに、料理家の店主が厳選した個性豊かな日本酒と発酵おつまみ、調味料などを販売していて、立ち飲みスタイルで商品を楽しむこともできます。角打ちの営業は、平日は15時から、土曜日は11時からで、昼飲みにも重宝するお店です。

店主である真野 遥氏は、会社員として勤務するも「一番身近なものづくりは料理である」と思い至り、料理の道へ。料理研究家のアシスタントなどを経て、料理家として独立しました。発酵や日本酒のペアリングを主軸に、企業やメディア向けのレシピ考案やイベント登壇、コラム執筆などの仕事をし、東京で料理教室を5年間運営してきました。著書には『手軽においしく発酵食のレシピ』(成美堂出版)、『いつものお酒を100倍おいしくする最強おつまみ事典』(西東社)などがあり、日本酒や発酵食品の魅力を伝えています。東京を拠点に料理家として活動していましたが、京都に移住するにあたり自分で商売を始めようと思い、得意分野である日本酒と発酵をテーマにした酒屋をオープン。

写真:お店から

この場所にしたのは、東京の慌ただしさや人の多さに疲れていたため、左京区のまったりとした空気感や自然の多さに惹かれたためだそうです。有名な社寺も多く、観光名所が豊富で、近代的な発展も遂げているこのエリアは、さまざまな魅力で溢れていて、街中からのアクセスもさほど悪くなく落ち着いた環境。2.2坪というこぢんまりとした店舗ですが、古民家の風情を活かし、改装などせずにそのままの内装で営業しています。
角打ちスペースには、京都の伝統木材「北山杉」を使った特徴的なデザインの特注テーブルを置いています。特注のレジカウンターは透け感のあるデザインのため、狭い空間ながら圧迫感がありません。角打ち利用は、立ち飲みで8名ほど入れますが、最大3名までの利用が可能です。

花巴
花巴   写真:お店から

おすすめメニューは、「ふなずし飯のチーズケーキ」500円で、東京のパティシエさんと共同開発した、滋賀県の郷土食であるふなずしの飯(いい)を使ったチーズケーキです。土台には酒粕を使用していて、ふなずしの臭みは無く、ほんのりと乳酸発酵した香りと複雑な酸味やうまみが感じられ、紅茶やコーヒーよりも日本酒に合う味わいになっています。角打ちでは相性の良い3種類の日本酒「花巴」を楽しむ「ペアリングセット」1,400円も用意しています。それぞれと合わせた時の味の変化が全く異なるのが面白く、ふなずしが苦手な人にも是非試してみてほしいペアリングです。

発酵ウフマヨ
発酵ウフマヨ   写真:お店から

また、仲の良い飲食店とのコラボメニュー「鹿納豆味噌」600円は、同店で販売している鹿肉と黒豆味噌を使って、一緒にレシピを考えたもの。熱燗と合わせると、鹿と納豆のうまみやスパイスの風味が膨らみます。淡泊ながらジビエらしいワイルドさのある鹿肉とスパイスの相性は抜群で、ピリッと痺れる花椒がアクセントになっています。他にもトリュフ香る「発酵ウフマヨ」500円や、しっとり軟かく優しい味わいの「ニシンの山椒漬け」500円など、お酒のすすみそうなアテが常に10種類以上揃っています。

全てのお酒が1杯300円~で試飲でき、京都の酒器専門店「今宵堂」のお猪口など、真野氏が厳選した素敵な酒器で提供されます。

買い物だけでも、飲食だけでも、もちろん試飲した上でお酒や食品を買ってもOK。自分好みの日本酒やアテと出会える、気軽に立ち寄りたくなる酒屋。おすすめです。

食べログレビュアーのコメント

ShyBoar
ニシンの山椒漬け   出典:ShyBoarさん

『引き戸を開けて中に入ると三和土に置かれた正面の低い棚と左手にある冷蔵庫に日本酒が並べられ、靴を脱いで上がった小さな座敷には北山杉も使った手作り感のある丸テーブルがあり、ここで立って飲むスタイル。お酒の量は45mlか90mlが選べ、もちろん冷酒でもお燗でも。酒器は親しくされている今宵堂さんのものも多い。
お酒はおすすめに従いまず辰泉・純米吟醸キレカラ、続いて花巴・山廃純米吟醸を冷酒で飲み、燗酒に切り替えて丹澤山・凛峰と隆・純米雄町を。全て90mlで。
肴はまずニシンの山椒漬けが良い感じ。
後から来られたお客さん達とも楽しく話をしながら過ごし、気がつけば2時間近く。お土産に発酵マヨ(トリュフ)を購入してお店を後にしました』(ShyBoarさん)

写真:お店から

『辰泉の夏酒からヤりはじめる。角打ちでお隣りになったイケメンからいただいたブルーチーズの熟鮓と自分で注文した鰊の山椒煮で盃を進めます。
辰泉の夏酒、花巴の酸がくるやつ、岩清水のドワリンゴ、自然淘汰をいただき、四合瓶2本も持ち帰ることに…ゴワリンゴと自然淘汰を購入。行く時より荷物が増えてる…これが角打ちの醍醐味』(なんでも屋なにかと左衛門さん)

※価格はすべて税込。

※「食べログ」に掲載されている情報をもとに、料理名・金額等を掲載しております。 営業時間やメニュー等の内容に変更が生じる可能性があるため、最新の情報はお店のSNSやホームページ等で事前にご確認をお願いします。

文:佐藤明日香