〈New Open News〉

毎日、たくさんの新しいお店が登録されている「食べログ」。そんな「食べログ」のデータベースの中でも、オープン早々、高い評価の口コミがあったり、多くの「保存」をされたりしている『注目のお店』を食いしん坊ライターが紹介します。早くもお店に訪問した食べログレビュアーのコメントも掲載!

塩そば時空(東京・高井戸)

デイルス・マイビス
出典:デイルス・マイビスさん

2023年8月、高井戸駅から徒歩12分ほどの場所に、元天ぷら職人が立ち上げたラーメン店「塩そば時空」がオープンしました。こだわりの自家製麺と化学調味料不使用の、素材のおいしさが詰まったスープで作るラーメンを提供します。

店主の和田氏は広島県出身で、大学への入学をきっかけに大阪へ。卒業後はいくつかの職を経験しますが、5年前に天ぷら店に就職しました。天ぷら職人として独立を目指していたそうですが、2021年に父親が倒れ看病のために広島へ戻ることに。同年、他界してしまった父親の形見のバイクで瀬戸内海へ出かけ、そこで出会った広島県三原市の塩そばに感動し、ラーメンの道へ進むことを決意したそうです。

デイルス・マイビス
出典:デイルス・マイビスさん

「塩そば時空」は店頭に吊るされた大きな提灯が目印。シンプルなのれんをくぐると店内は清潔感があり、木の温もりを感じる落ち着いた雰囲気です。客席はカウンター9席、コンパクトな造りですが、そこかしこに工夫がされ、窮屈感のないくつろげる空間になっています。

あうん24
裏醤油そば+味玉、軟骨つくね   出典:あうん24さん

スープの種類は「塩」と「裏醤油」の2種類。「塩そば」900円と「裏醤油そば」900円、どちらも肩ロースやチャーシュー、軟骨つくねがプラスされる「特製」1,200円があります。

「塩そば」は貝柱と昆布、煮干しの澄み切った旨みの後に鯖節のかすかな甘みと旨みの余韻があるスープで、上品で繊細な味わいが楽しめます。
「裏醤油そば」は、7時間弱火で抽出した雑味のない澄み切った丸鶏ガラと香味野菜にまろやかな醤油の風味が冴えわたり、インパクトのある一杯です。

さぴお
出典:さぴおさん

麺は国産小麦100%の小麦粉「双力」を使用し、店舗の2階の高井戸製麺所で、毎日その日の天気に合わせ調整して製麺しています。しなやかな中細ストレート麺は、それだけすすってもおいしく、なめらかで、モッチリとした食感がたまりません。トッピングのチャーシューは、どれも絶品と評判です。

サイドメニューには「味玉」150円、「軟骨つくね」(2個)180円などの他、ご飯物はスープに入れる「ダイブ飯」100円、「チャーシュー丼」400円があります。

pepe pe
出典:pepe peさん

器にもこだわり、伝統的な窯業の技術やデザインを尊重しながらも、現代の需要やトレンドに合わせた作品を製造している美濃焼の快山窯のものを使用。透明感のある器が麺線の美しさを際立たせます。

これまで数多くのラーメンを食べてきたラーメンフリークたちが称賛する新店、既に人気になっているので、訪問の際は時間に余裕を持っておでかけください。

食べログレビュアーのコメント

松一君
塩そば   出典:松一君さん

『まずは”塩そば”のご登場!

器は、青い波の模様が塩そばにぴったり。側面には田んぼに鳥が飛ぶ長閑な風景が表現されている。飲み口は玉渕のような丸みを帯び、丼のままでも飲みやすい配慮がされている。

スープは乾物のみでとった塩清湯。具は、煮豚肩ロース・チャーシュー細切れ・メンマ・ネギ・カイワレ。

早速スープから頂いてみると、なんて上品にして旨味溢れるスープなんだろう、と唸りまくる。所謂お出汁系ではあるけど、今まで経験したことが無いような旨味の層の厚み感と、節など乾物出汁の香りがとにかく上品でうっとりとしてしまう。塩のあんばいも絶妙。無化調でここまで美味しくスープが作れる店主さんの技量には感心させられるが、この方、根っからのラーメン職人ではなく、天ぷら職人だった言うから驚きを隠せない。

いや、驚くのはまだ早い。この絶品塩スープに合わせる麺が超美味!、その麺は、角断面の中細ストレート麺。麺肌がまるでうどんのようにツルっとした滑らかさが特徴的で、風味も豊かにしてモチっとした食感と麺からわき出るような旨味、堪らんですねー。それに、熱々のスープの中で時間が経過しても麺肌が溶けていく感覚は無く、最後まで変わらぬ美味しさにビックリ!、ちなみに麺は自家製で、店主さんによると上(2階)で打ってます、とのこと。

具のチャーシュー、煮豚肩ロースは柔らかく、味付けが絶妙で実に美味しい。チャーシュー細切りはニンニクの香りがして酒のアテにしたくなるほど美味しい。
細メンマはコリコリとしてこれも旨い。

程なく完食すると、店主さんから”醤油いきますね!”と声が掛かる。

その器は、逆富士形の麺鉢。白色なので醤油スープが映える。

早速スープから頂いてみると、乾物のみの出汁とは真逆な動物系のインパクト!、とにもかくにも鶏と豚の旨味が半端なく、しかも醤油感もしっかりと感じられて、バランス感覚にも優れた絶品スープだ。

しかも、香味油に頼るようなスープではないので、最後まで出汁の旨味は衰えることなくクセも無く、むちゃくちゃ美味しかったー。

麺は、インパクトのある濃厚な醤油味のスープにも負けずしっかり主張してくる。なんて旨いんだろー、いや、塩で食べる麺とはまた違う楽しみ方ができて、正直こんな麺に出会えて幸せ感いっぱいw

具のチャーシューは同じ豚肩ロースでも低温調理のレアなチャーシュー。塩はスープがあっさりとしているので肉そのものに味付けもしっかり加えて肉として美味しく食べれるようにとの配慮、醤油は味が濃厚な分、レアで味付けは控えめにしてスープとの相性を考えたトッピングにしているんだろうなーと感じる。葱も塩は白ねぎ、醤油はおそらく九条ねぎだと思うが、濃厚な醤油味には青ねぎでないとねぎの存在感が出てこないという配慮だろう。

醤油も程なく完食!、普通連食すると満足感に浸るのだが、まだ食べていたいという欲が出てくる。そんな気持ちになったのは今回が初めてだ。

今年食べてきた新店のラーメンの中では最も感動的な一杯、いや二杯であったことに疑う余地なし!』(松一君さん)

亜喜丸
特製塩そば 1,200円+味玉 150円   出典:亜喜丸さん

『予め決めてあった「特製塩そば」と味玉で。
特製に味玉が乗ってないって珍しいパターンだね…予習しといてヨカッタ。

ラーメンは1ロット2杯、8分ほどで配膳されました。
ではイタダキマスー!

《スープ》
乾物の旨味が実にしっっっかりと出てますねー!
淡麗系は淡麗系なんだけどもう”濃い”って表現がしっくりくるくらい。
それくらいぎゅうっとググっと旨味が出ているのです。
そして塩加減はまろやかでありつつお出汁の旨味をビシっと後押し。
実に乾物の旨味を堪能出来るハイレベルな塩スープであります♪

《麺》
やや加水率高めの細ストレート麺です。
すべすべっとした気持ちの良い口当たりでコシはややヤワメ。
凄くスープに馴染む麺で、只でさえ美味しいスープを一層引き立ててると感じました。

《トッピング》
鶏ムネはしっとりを超えたプリップリな食感でお肉の旨味も生き生きと♪
下手な鳥刺しより美味いですねコレ。
豚肩ロースは程良い肉感があり、こちらもしっかり美味しいです。
つくねはコリコリ感がありつつトロけるような舌触りがお見事♪
これまた下手な焼鳥屋よりよっぽど美味しいつくねだと思います。
味玉は最小限の味付けで卵黄の甘みを生かした仕上がり。
これなら150円出してもいいと思える美味しさでした。

ごちそうさまです。
これはいきなりレベル高い!
ここまで旨味が”濃い”塩ラーメンってのも中々出会えるものではありませぬ』(亜喜丸さん)

※価格はすべて税込。

※「食べログ」に掲載されている情報をもとに、料理名・金額等を掲載しております。 営業時間やメニュー等の内容に変更が生じる可能性があるため、最新の情報はお店のSNSやホームページ等で事前にご確認をお願いします。

文:佐藤明日香