田中田式小料理の中から山本さんお気に入りの隠れた名品をご紹介!

ここでしか味わえない田中田大将の自信作「牛すじ煮込み」

赤味噌や醤油など和の味付けをベースにした「牛すじ煮込み」

「ごまさば」や「ポテトサラダ」といった田中田と共通の名物もそろう中、この店でしか提供されていないのが「牛すじ煮込み」だ。門外不出のレシピによって牛の旨味が凝縮されており、幅広い銘酒に合うと評判である。

和風の味付けには日本酒が最適だが今回はあえてスパイシーな香りを持つ赤ワインをセレクト
 

山本さん

旨味抜群で何のお酒にも合います。七味をたっぷりとふりかけて。

「好きなものを好きなだけ」が田中田流。ペアリングのセオリーにこだわらず好みの味を追求しよう

最上級の小料理と銘酒で、確立された最適解の相乗効果を味わうのではなく、居酒屋で過ごすように味の組み合わせをあれこれ模索するのが「酉卯」の粋な楽しみ方。常駐しているソムリエと会話を弾ませながら、一期一会の味のハーモニーを堪能してほしい。

感嘆の声が漏れる、芸術品のように美しい霜降りの「特上馬刺」

田中田の名物の一つでもある「特上馬刺」。専用ダレと3種の薬味でシンプルにいただく
 

山本さん

熊本名物の馬刺も新鮮なものが食べられます!

網目状のサシが細かいほどランクが高いという霜降り馬刺

霜降り肉の時点で1頭の馬からわずかしか取れない希少部位だが、その中でも特に柔らかなロース肉だからこそできる厚切り。歯切れの良い絶妙な弾力を楽しむほどに、生肉ならではの旨みと甘みが口いっぱいに広がる。

大人の遊び心を刺激する「激うま海苔」とシャンパンのカップリング

有明海が育んだ「激うま海苔」をつまみにシャンパンで乾杯
 

山本さん

これがつまみにもまた良いです。

熟成香のあるヴィンテージのシャンパンにはヨード香を持つ上質な海苔が合う

収穫期のはじめに取れる新芽の海苔は「一番摘み」と呼ばれ、一般的に流通している中では最上級なのだが、それ以上を追い求めるのが田中田流。有明の海苔漁師に依頼して、新芽が出る前の原草を一旦冷凍保存し、収穫期の終わりに海に戻すことで、特別な「一番摘み」の海苔を仕入れているという。シャキッとした食感、磯の香りが豊かで旨味も力強く、ヴィンテージのシャンパンにも引けを取らない格がある。

福岡にある人気フレンチのシェフから伝授された「40年前のプリン」

甘さ控えめでビターなカラメルを利かせた「40年前のプリン」
 

山本さん

〆の後の、〆にもぴったり。

流行りのレトロプリンとは一線を画する品のある味わい

「田中田ビーフカレー」や「RAN&RAN(いくら&卵黄)」といった田中田名物のご飯物で〆た後、さらにデザートで〆るという山本さん。お気に入りの「40年前のプリン」は、食べログでも3.69の高得点を獲得する福岡の人気フレンチ「食堂セゾンドール」の前山仁シェフがおよそ40年前に考案したものだ。

西麻布らしい優越感と居酒屋のワクワク感を兼ね備える「酉卯」。最後に、深夜2時30分まで営業していることも特筆したい。美食の街である西麻布といえども、丑三つ時までこのクオリティの食事にありつける場は貴重だろう。贅沢を知り尽くした大人が行き着くのは、こういう夜の隠れ家なのだ。

※価格は税込。

※時節柄、営業時間やメニュー等の内容に変更が生じる可能性があるため、お店のSNSやホームページ等で事前にご確認ください。

※外出される際は人混みの多い場所は避け、各自治体の情報をご参照の上、感染症対策を実施し十分にご留意ください。

撮影:佐藤潮

文:佐藤潮、食べログマガジン編集部