焼き加減に肉の大きさまで、こだわり光る焼鳥の数々

シンプルに肉の旨味を楽しめる「シシトウモモ串」

次に提供されるのは自慢の焼鳥だ。まず初めに塩と軽く七味で味を調えた「シシトウモモ串」。「焼き台の場所によって火力が異なるので、バランスよく火が通るように肉は手元に行くほどに小さくしています」と串打ちのこだわりを語る小野寺さん。

 

山岸さん

中は若干レアに焼き上げる絶妙の焼き加減。シンプルだからこそ、力量が問われる王道の一本ですね。

鶏モモ肉と鴨肉の挽き肉を使用した「つくね」
 

山岸さん

鶏肉と鴨肉をブレンドした挽き肉に、シイタケやショウガをプラス。焼く前に茹でてあるので、強火で一気に焼き上げ、カリッとした食感に仕上げています。醤油とザラメの甘辛いタレも相性抜群です。

串はほかにもハツ、ムネ、セセリ、ヤゲン、ハラミと合計7本が楽しめる。途中には大根を粗くすりおろした「おにおろし」が口直しとして提供されるのもうれしい。

丁寧な下ごしらえで素材のポテンシャルを引き出した一品

ボリューム感のある「手羽唐揚げ」は、実は手間暇かけて作られる

串を食べ終えたタイミングで出てきたのが「手羽唐揚げ」。カリッと揚がった大振りの手羽先が3つもあるので食べ応え十分だ。「秘伝のスパイスをまぶして一晩冷蔵庫で熟成させます。そうすることで余分な水分を出し、旨味を凝縮させるのです」と小野寺さん。

 

山岸さん

口に運んだ瞬間に、プリンとした食感と旨味の詰まった肉汁がジュワッと溢れます。絶妙な塩加減で濃厚な味わいがヤミツキになりますね。

焼鳥店ならではの丼は満足度高い〆の一品

なめろうがドーム状に盛られているのが印象的な「鶏のなめろう茶漬け」

数々の鳥料理を満喫した最後には締めのご飯もの。この日提供されたのは「鶏のなめろう茶漬け」。鶏のなめろうとは、茹でたモモ肉をミキサーで砕き、味噌、辛子、ショウガ、ゴマなどで味付けした、まさになめろうそのものだ。

なめろうとご飯、スープをよくかき混ぜて味わおう
 

山岸さん

なめろうの鶏バージョンに驚かされます! さらにガラとモミジでとったスープも絶品。ご飯と一緒に豪快に混ぜ合わせて味わえば、鶏の旨味が押し寄せてきます。それでいて最後にはストンと胃に収まるから不思議です。

これだけ食べて、さらに飲み放題で5,500円というのは、実にお得。しかもプラス1,500円で、全国から選りすぐった日本酒30種類も飲み放題になるコースもあるので、日本酒党にもたまらない店だ。

大阪でも屈指の人気店の系列店だけに、味、ボリューム、サービス、雰囲気など、どれをとっても申し分ない。山岸さんがおすすめする理由もよく分かる気がする。梅田から一駅という微妙な距離ゆえに、わざわざ行くことが少ないエリアだが、この店を目当てに足を延ばすのも悪くないだろう。

※価格はすべて税込です。

※営業時間やメニュー等の内容に変更が生じる可能性があるため、最新の情報はお店のSNSやホームページ等で事前にご確認をお願いします。

※外出される際は人混みの多い場所は避け、各自治体の情報をご参照の上、感染症対策を実施し十分にご留意ください。

撮影:藤川満
文:藤川満、食べログマガジン編集部