野菜のおいしさにもこだわる
焼鳥の合間に提供される数々の料理。そのひとつひとつにも加藤氏のこだわりを感じられる。食べる側が飽きないよう、味に強弱をつけながらも、素材の味を引き出せるよう計算されている。
野菜は季節の流れに沿った旬のものを、毎日全国より厳選して用意している。伊達鶏雌に豊かな彩りを添える、みずみずしく美しい野菜は、素材そのもののおいしさがしっかりした最上のものばかり。
加藤氏が自信を持って提供する金沢の漬物も、茎蓮根柴漬や壬生菜漬など、シャキシャキして清涼感があり、肉の合間に箸がすすむ。
締めは最高の親子丼とデザート
締めは客から「東京で一番おいしい親子丼」と言われるという、「名物伊達鶏雌八ヶ岳卵の親子丼」だ。米は新潟県魚沼産コシヒカリの特別栽培米「雪椿」を使用し、魚沼の硬度16超軟水と伊達鶏上湯をソーダストリームにかけて炊いているという。炭酸の泡が米の粒を立ち上がらせ、均等に熱が伝わり、ツヤツヤでふっくらとした炊き上がりになる。砂糖を使わず出汁とみりんで味付けされた優しい甘みが、濃厚な黄身とモッチリとした米と相まって、一口で笑顔になってしまう。
毎日練り上げている、プルンプルンの自家製わらび葛餅は、「焼鳥 月や」の名物。そのおいしさに、お土産に持ち帰る客も多い。
コースの内容は、おいしさは当然のことながら、ボリュームたっぷりで、満足感がすごい。お腹がいっぱいになってしまったら、ご飯をおにぎりにして持たせてくれたりと、細かい心遣いもうれしい。人を大切に思う加藤氏の熱量が伝わる、圧倒的なホスピタリティーを、是非体感して欲しい。