定食王が今日も行く!

10月はハロウィンより真牡蠣!世界一のカキフライを食べてあなたもカキフレンズになろう

 

 

隠れたランチ激戦区南新宿の行列店

真牡蠣フライの季節が到来!

 

新宿駅の南口を西へ歩いたところにある、文化服装学院の裏側に位置するこのマイナーなエリアは、実は定食を含め絶品ランチが豊富な、個人的にお気に入りのエリアだ。以前、西新宿勤務だったときも、わざわざこのエリアまで昼飯を食べに足を運んでいた。そんな激戦区で10月になると長い行列ができる店がある。それが自称 “世界一のカキフライ”が食べられる店、「わぶ」だ。なぜ10月かというと、毎年10月1日は築地で真牡蠣が解禁される日なのだ。それに伴い「わぶ」でもカキフライ定食が提供される。食いしん坊達の間でも、解禁日近辺になると「わぶ詣」が話題になるほどファンが多い。

 

 

店頭ではお弁当の販売もあり、“世界一”と書かれたジャケットを着た若大将が、チャキチャキ行列をさばいている。行列の長さのわりに、待ち時間は通常10分程度なので、並んでいるからといってあきらめずにチャレンジしてほしい。

 

 

わぶの魅力の一つは、メニューの豊富さ、そしてコストパフォーマンスの良さだ。ランチメニューの組み合わせは50通り以上。私はいつもその日の焼き魚か煮魚メニューを聞いて、カキフライとのセットを注文する。メインが2品あるのに約1000円と財布に優しいうえ、ボリュームたっぷりなのがうれしい。並んでいる間に注文を取って、入店すると元気なお母さんが「ここ座って!」と促すと、すぐに料理が出てくる。長年行列している店だからなせるスムーズなオペレーションだ。ランチタイムにはありがたい店なのだ。

 

ちなみに、牡蠣には夏が旬の「岩牡蠣」と冬が旬の「真牡蠣」の大きく分けて2種類がある。「岩牡蠣」は粒がクリーミー、「真牡蠣」は旨味たっぷりジューシーというのが、ざっくりな特徴だ。わぶでは秋から春までの期間、真牡蠣のカキフライのみを提供しており、それ以外の季節は穴子フライなどを提供している。

 

 

今回注文したのはカキフライと鯖のセット。ほかにも、秋鮭やさんま、これからの季節なら銀むつ、金目鯛の煮付けのセットも出てくるので、旬の魚料理とのセットをぜひ楽しみたい。

 

 

そして、これがわぶの代名詞でもあるカキフライ。とにかくデカい! 一つのフライの中に3個程度の身が入っていて、かぶりつくとサクサクの衣の中からプリップリの牡蠣が弾け出す。広島ではこのように複数の牡蠣を合わせて揚げる作り方は一般的だそうで、中には広島菜などで一度包んでからフライにすることもあるとか。この作り方をすることで、それぞれの牡蠣が熱に触れる部分を少なくし、クリーミーさやジューシーさ、旨味を保ったままの美味しいフライに仕上がるのだそう。

 

 

 

10月はハロウィンより真牡蠣!

名も知らぬ仲間達やカキフライ王子と毎年歳を重ねる

 

毎年、自分のようにこのカキフライを楽しみにしている常連は多く、毎年10月になると、名前も知らないカキフライフレンズたちが、店に顔を揃える。店前にあるS区在住のカキ王子のコメントは、自分が知る限り5、6年は同じだが、毎年1歳ずつちゃんと増えている。毎年10月に「わぶ」に来るたび、このカキフライに再会できたことを幸せに思う。

 

夜は居酒屋営業をしていて、カキフライを肴に焼酎や日本酒を味わうことができる。「魚と肴」という店名だけあって、カキフライ以外の肴料理もなかなかうまい。個人的には煮魚料理や、カニクリームコロッケ、刺身盛り合わせもおすすめだ。旬の味をおかずにして、美味しい新米を食べるというのも、最高に贅沢な楽しみ方だ。ぜひ毎年の真牡蠣シーズンを待ち焦がれてその味を堪能する仲間に入ってほしい。