見た目にもこだわりを感じる寿司は、回転寿司店のものとは思えないクオリティ

〈食べログ3.5以下のうまい店〉

巷では「おいしい店は食べログ3.5以上」なんて噂がまことしやかに流れているようだが、ちょっと待ったー!

食べログ3.5以上の店は全体の3%。つまり97%は3.5以下だ。

食べログは口コミを独自の方法で集計して採点されるため、口コミ数が少なかったり、新しくオープンしたお店だったりすると「本当はおいしいのに点数は3.5に満たない」ことが十分あり得るのだ。

点数が上がってしまうと予約が取りにくくなることもあるので、むしろ食通こそ「3.5以下のうまい店」に注目し、今のうちにと楽しんでいるらしい。

そこで、グルメなあの人にお願いして、本当は教えたくない、とっておきの「3.5以下のうまい店」を紹介する本企画。 今回は、「回転寿司評論家」として活躍する米川伸生さんが「かなりレベルが高い!」と太鼓判を押す回転寿司店をご紹介。

教えてくれる人

米川伸生
2000年から回転寿司評論家として活動を始め、TV、雑誌などメディアに多数出演。
2007年「TVチャンピオン2 回転寿司通選手権」(テレビ東京系)で優勝。回転寿司ファンが集うオンラインサロン「回転寿司を愛してる!」を主宰。著書「回転寿司の経営学」(東洋経済新報社)他。

天然物にこだわる本格派回転寿司店

シンプルかつシックな外観。駐車場も完備で立ち寄りやすい

回転寿司店と言えば、安くてお腹いっぱい食べられるという魅力がある。そのため食べ盛りの子どもがいるファミリー層には、絶大な人気を誇る。親にとってはモリモリおいしそうに食べる子どもの顔を眺めることが幸せなのだ。しかし舌の肥えた親にとって、回転寿司の味は若干欲求不満な場合もある。

そんな親世代、あるいはカップルにも満足できる寿司を提供する回転寿司店が「北海素材」。回転寿司評論家の米川伸生さん曰く「こだわりの強い寿司」が楽しめるという。

照明も少し控えめで落ち着いた雰囲気で寿司が楽しめる

今回訪れた八尾店の食べログ点数は3.21。関西で5店舗展開するチェーン店ながら、大手に押され、知名度が低いがための点数なのかもしれない。ならば回転寿司評論家をも唸らすその実力をとくと味わってみたい。

※得点は2022年3月時点のものです。

ファミリーだけでなくデートにも使える落ち着いた雰囲気

カップルシートの対面にあるカウンター席はおひとり様に最適だ

店内に入ると6人掛けのテーブル席がゆったりと配置され、黒やブラウンを基調とした大人っぽい雰囲気が漂う。さらにこちらの最大の特徴は「カップルシート」と呼ばれる2人掛けのソファ席があること。

2人の世界に浸れるカップルシート

「『デートで使える回転寿司店』とはまさにこちらのこと」と米川さんも驚いたようだ。スタイリッシュな内装と共に、一般の回転寿司店にはない粋な配慮が心憎い。

「カップルの方はもちろん、味にこだわるご家族連れの方に支持されています」とスタッフの安黒竜二さん

寿司を握るのはもちろん腕を磨いた職人達。さらに「当店ではネタは天然物にこだわり、従業員自ら市場に足を運び素材を仕入れます。また、高知をはじめ各地から新鮮なネタも仕入れています」と胸を張るマネージャーの石倉宏一さん。果たして今回はどんな寿司が登場するのだろうか。

圧巻のヴィジュアルととろける旨みがインパクト大の黒毛和牛握り

二個のシャリが薄いロース肉で覆われた「黒毛和牛ロース握り(炙り)」1,100円

同店では、初回注文時に1人1皿限り注文可能な「プレミアムネタ」というスペシャルな寿司がある。そのなかでも米川さんがイチオシなのが「黒毛和牛ロース握り」。厳選した黒毛和牛のロース肉を、注文を受けてから炙り、2個分のシャリの上にのせたインパクト大の一品だ。

焼き加減はレア、ミディアム、ウェルダンの3段階を指定できる

迫力ある見た目とは裏腹に、ロース肉は絶妙な厚さにカットされ、お箸で割くことができる柔らかさ。塩、ワサビを付け、肉の旨みそのものを味わうのがツウだ。

ボリュームのあるロース肉はお箸で割くことができるので二人でシェアも可能
 

米川さん

元々肉寿司には定評があった同店ですが、沖縄で姉妹店の焼肉店を始めたことで、さらに肉へのこだわりが強くなりました。肉の絶妙な厚さとシャリのバランスがベストマッチです。