広島と言えば、何を思い浮かべますか? お好み焼き? 牡蠣? おいしい食べ物が次々に思い浮かびますが、やっぱり私はもみじ饅頭です。もみじ饅頭がなぜ広島の名物になったのか、そして、次々に進化を続けるもみじ饅頭について今回は探ってみたいと思います!

もみじ饅頭の誕生

もみじ饅頭が生まれたのは明治時代。名前の通り、もみじの形をしています。観光地である宮島にある紅葉の名所、紅葉谷公園。その中にある旅館のお菓子を作っていた和菓子職人の高津常助が、もみじの形のお菓子を依頼され、作ったのがもみじ饅頭の元となる「紅葉形焼饅頭」でした。中にはこしあんが入っていました。他にも、初代総理大臣である伊藤博文の言葉がヒントになって生まれた、なんていう説も。

その後、岩村栄吉が初代となり創業したのが「岩村もみじ」というお店。このお店はつぶあんのもみじ饅頭の発祥のお店で、昭和天皇の弟君である高松宮殿下が厳島神社にいらした際「つぶあんのもみじ饅頭はないのか」とおっしゃったことがきっかけで誕生しました。

「岩村もみじ屋」の「もみじ饅頭」

このお店のもみじ饅頭の種類はこしあんとつぶあんの2種類。岩村もみじ屋のもみじ饅頭の特徴はとにかくカステラ生地がおいしいこと! しっとりとしていて、あんこと生地がとっても仲良しです。もみじ饅頭の生地に感動したのは初めてでした。

もみじ饅頭バラ売り1個100円

あんこもたっぷり、ずっしりとしていて、あんこ好きを唸らせるもみじ饅頭です。

こうしてもみじ饅頭は生まれ、つぶあんのもみじ饅頭も誕生、さらに他の和菓子を参考にして白あんや抹茶あんが誕生していきます。

もみじ饅頭ブームの到来!

宮島のもみじ饅頭が広島を代表するお菓子にまで有名になるきっかけとなったのが、1975年に開通した山陽新幹線、そして1980年代に流行ったB&Bというお笑い芸人のギャグ。これにより、一気にもみじ饅頭の知名度は全国に広がります。

このブームによって、もみじ饅頭にも変化が訪れます。それまではあんこが入ったものが中心だったもみじ饅頭にチーズクリーム入りが誕生。これをきっかけにカスタードクリーム、チョコレートともみじ饅頭の中身のバリエーションがどんどん増えていきました。

「もみじまんじゅうチョコレート」100円

シンプルなもみじ饅頭をおしゃれに楽しめるのが「藤い屋」のもみじ饅頭。他のお店よりちょっと縦長のもみじの形をしています。

藤い屋のもみじ饅頭は全部で5種類。こしあん、つぶあん、抹茶あんのあんこ系と、チョコレート、カスタードの洋風があります。もみじの色で色分けされたわかりやすいシンプルなパッケージがおしゃれでお気に入りです。

「藤い屋」の「もみじまんじゅう」

「にしき堂」の「あたらしもみじ」は広島のベーカリー「アンデルセン」とコラボしたもみじ饅頭。瀬戸内の伊予かん、鳴門みかん、柚子を使った「瀬戸の柑橘フロマージュ」や、瀬戸内の海水と海藻を使って古代の製法で作られる「海人の藻塩」をアクセントにした「瀬戸の藻塩ショコラ」など、広島名物を堪能できます。

「にしき堂」の「あたらしもみじ」各130円

かわいいパッケージとふわふわの生地になんだかウキウキしてしまいます! おすすめは藻塩ショコラ。甘いチョコの後味を塩でさっぱりと食べられる新感覚のもみじ饅頭でした。