安定感のある大阪の味わいを食通たちが巧みにアレンジ
人との縁を大切にする櫻本さん。本場の味を守りながらも、お客さんからの意見も柔軟に取り入れているようだ。秋山さんいわく「こんなメニューどう? と提案して、さくちゃんがおいしそうだと思ったら採用されることも」あるのだという。
秋山 具義さん
「黒七味 醤油」は僕が思いついたメニューです。いわゆるソースマヨのガツン系ではない和系たこ焼き。黒胡椒の香りを楽しみながら頬張ってください。ビールや焼酎はもちろん、ハイボールにも合います。
秋山 具義さん
「塩オリーブ」は、たこ焼き自体に出汁が利いていておいしいので、それを活かすために常連の方が提案したメニューです。オリーブオイルと塩というシンプルな調味料が、よりたこ焼き自体のおいしさを引き立てます。
「塩オリーブ」はワイン好きとして知られる某グルメサイトのエディトリアル・プロデューサーが発案者。ほかにも「ラーしょうゆ」600円は大阪出身のお笑い芸人、TKO木本武宏さんのアイディアだ。所属する松竹芸能も公認の味という。
「やっぱり王道のソースマヨは、本場の大阪で食べていると錯覚するほどおいしいです」と秋山さんが言う通り、ソースなども大阪から取り寄せた本場の味。八角など漢方系のスパイスがたっぷりと使用されており、カレーに似たニュアンスもある。
カレーの話題になると「これから絶対に人気が出るから、ぜひカリーアンダーソン (咖哩アンダーソン)を紹介してほしい」と櫻本さん。「昼間の空いてる時間に無料でお店を貸し出している。やる気はあってもお金がない若者は多いから。そんな子たちに夢を与えたい」と熱く語る。
渋谷駅新南口から徒歩6分という都会にありながら、大阪の人情を感じられるたこ焼き屋。だからこそ多くのファンが集まり、新しいたこ焼きの楽しみ方まで発展していく。大勢の人がすれ違うスクランブル交差点とは違い、ここは人と人が繋がる深夜のたこ焼き交差点なのだ。
※価格はすべて税込。