【Do it yourselfでオイシイ時間】

美味しいごはんを食べに行くことは、それだけで楽しい。けれど、その料理が作られる過程を知れば、もっともっとその良さを感じることができる。

 

そこで有効なのは、「Do it yourself(=自分でやる)」。注目のワークショップや料理教室で、スキルアップだけではなく見る目や食べる舌を養えば、外食力もアップするはず!

vol.2 「星のや富士」の狩猟体験ツアー

ジビエといえば捕れる時期や数に限りがあり、その希少性と独特のクセを持つ味わいで美食家たちから人気を博している。だが狩猟をしているところまで見たことがある人は少ないだろう。ならば、その様子を知っておくことは食を愛す者として必要な経験ではないだろうか?

 

山梨県にある日本初のグランピングリゾート「星のや富士」では、地元の猟師からジビエについて教わる「命と食を学ぶ狩猟体験ツアー」が10月6日から開催される。学ぶと言っても話を聞くだけではない。猟師とともに富士山麓の森に入り、わな、銃を用いて実際に鹿を狙うところを見学し、さらに食肉としてさばかれる工程を見学・体験するというものだ。

同行させてもらうのは狩猟歴40年以上のベテラン猟師の滝口雅博氏。猟師だけでなく、「ジビエ食肉加工施設」の所長であり、レストラン「松風」を運営するという顔も持っており、狩猟から調理にいたるまでのエキスパートなのだ。

 

ジビエはくさい、まずいといったイメージを持つ人もいるだろうが、滝口氏は高い技術によってくさみのない美味しいジビエを実現。ツアーではそのさばき方を目の当たりにできる。さばいた鹿肉は持ち帰ることができるので、上質で旨みのつまった味わいを体感しよう。

※ツアーでさばかれた鹿肉は自家消費のみ

なかなか経験することのないディープな世界だが、その背景には全国的に増えすぎてしまった鹿や猪による農業と林業への被害の深刻化がある。「星のや富士」ではそういった事情から捕獲と消費の促進に貢献するため、シェフやスタッフが狩猟の場に行き、地元猟師に教えを受ける形でメニューを開発してきた。

 

命をいただく過程と、美味しい食材に変えるための技術を学ぶなかで、これをより多くの人に伝えたいということから始まったこちらのツアー。狩猟のピークを迎える秋だからこそ実現したものなのだ。

猟師ごはんも体験しよう

この狩猟体験ツアーの前日または当日の夜は、「秋の狩猟肉ディナー」と題したジビエの特別メニューを食べることも可能。屋外ダイニング「クラウドキッチン」にて、シェフに習いながら、ゲスト自らダッチオーブンを使用してコース料理を仕上げるというものだ。

 

メニューは、猟師のライフスタイルがコンセプト。冷えた体を温めてくれるスープや、猟師だからこそ食べられるタンやフィレ、モツを使用した前菜など、普段は食べられないものばかりが並ぶ。

 

究極にシンプル、かつダイレクトに食と命の大切さを学ぶことができるこれらの試み。食育は子どものためばかりにあらず。大人になったからこそ学べる食育授業に行ってみてはいかがだろう?

 

「命と食を学ぶ狩猟体験ツアー」
期間:2017年10月6日~12月22日の毎週金曜(全12回)
時間:8:00~16:30
定員:6名(最少催行人数:2名)
対象:満13歳以上の宿泊者
料金:1名35,000円(税・サービス料10%別、宿泊代別)
予約:当日の7日前までの事前予約制
予約方法:公式HPよりWEB予約
料金に含まれるもの:狩猟へ同行、鹿肉解体の見学・体験、昼食、長靴レンタル、当日解体した鹿肉の持ち帰り

 

「秋の狩猟肉ディナー」
期間:2017年9月1日~11月30日
時間:18:00~
定員:4組8名 1名より提供可
対象:満13歳以上の宿泊者
料金:1名15,000円(税・サービス料10%別、宿泊代別)
予約:前日18:00までの事前予約制
予約方法:公式HPよりWEB予約