日本にいながら台湾の空気感と夜市の活気を楽しめる

台湾で見かけるお店の雰囲気そのものです

三軒茶屋駅から徒歩1分。焼肉、焼鳥、寿司、居酒屋とチェーン店が軒を並べる「すずらん通り」に突如、異文化の雰囲気を醸し出しているお店が現れます。外看板のおいしそうな焼小籠包や焼売の写真が目に入ると否が応でも足を止めてしまい、中を覗いてみればまるで台湾の屋台のような空間に、思わず入らずにはいられなくなるのです。

台湾屋台へようこそ!

店名は「ダパイダン105」。台湾華語で「屋台」という意味の「ダパイダン」と、1号店の場所である大阪の天神橋5丁目(天=10と5丁目の5)を掛け合わせたそう。レッド、イエロー、ブルー、グリーン、オレンジの照明や椅子にステンレスのテーブル、電飾。メニューに至っては内装業者に現地で撮った写真を見せてデザインを特注するこだわりようで、店内はまさに台湾の夜市にある屋台そのもの!

本場の点心師が作る点心は皮から違う!

名物の自家製「焼小籠包」(520円)

この店のイチオシは中国の国家資格「麺点師」を持つ点心師が作る点心です。特に「焼小籠包」は看板メニューだけあって自慢の一品。直径5cm強の少し大きめサイズで皮も厚め。

器の上でそのモチモチした皮を少し破いて、まずはスープをチュッとひと口。火傷しそうなほどアッツアツの鶏ガラスープは意外にもあっさりと軽めの味わい。パクッとひと口で食べてみると、モチモチと焼いた底面のカリッカリの食感の後からピリッと黒コショウと生姜が利いた肉が顔を出し、追いかけるようにスープがジュワーッと広がります。

どっしりと貫禄のある横顔もなかなか!

2個目は「中国醤油」「香酢」「自家製の豆豉辣油」を混ぜてタレを作り、皮を破った穴から数滴入れてみます。するとパ〜ッと華やかな香りが漂ったかと思えば、心地よい酸味と辛味があっさり味のスープをまろやかでコクのある味わいに変えてしまうのです。これがまたオリジナルとはタイプの違う旨味で甲乙つけ難い! あっさりでいくか、コクでいくか、この無限ループから抜け出せなくなりそう。

包みたての「干貝焼売」(720円)

せいろの蓋を開けるとホワンと湯気が立ちこめ、その湯気が消えるとともに現れるのが、点心師がお店でひとつひとつ包んでいる「焼売」です。「干貝」の他に「海老」と「豆腐」がありますが、干し貝柱の戻し汁と身を餡に混ぜ、噛むごとにキュッキュッとした貝柱の食感と旨味を味わえるこの「干貝」がいちばん人気なのだそう。

「台南セット」(900円)は焼小籠包3個と魯肉飯の組み合わせ。さらにドリンクもつけると1,050円に

この2つの名物それぞれのセットメニューもオススメです。焼小籠包3個に、4種類から好きな麺料理を選ぶ「台北」(900円)、4種類から飯料理を選ぶ「台南」(900円)、麺も飯も両方なら「夜市」(1,400円)と、とってもボリューミーでリーズナブル。また「干貝」2個に「海老」「豆腐」がそれぞれ1個ずつ入った「3色焼売」も同じように、麺料理を選ぶ「高雄」(950円)、飯料理を選ぶ「新竹」(950円)、麺も飯も付けるなら「九份」(1,450円)もあります。

「魯肉飯」は単品で頼むと650円です

台湾の飯料理と言えばやはり「魯肉飯」でしょう。豚肉を生姜や八角などの香辛料とともに甘辛く煮込み、煮汁を白飯にたっぷりかけた丼は台湾ローカルフードの傑作です。肉はトロトロやそぼろ状などお店によって様々ですが、こちらはゴロゴロとした肉の食感を大切にし、味もしっかり入れて白飯と一緒に食べるタイプです。「味の決め手は五香粉です」とエリアマネージャーの樋口さんが言うように、香りで台湾を感じられます。