【2軒め】香りを楽しむケーキが話題「アンフィニ」

 

猫井先生

そして次のお店は「コムン」から歩いて10秒の距離にある「アンフィニ」です。

 

食べログマガジン編集部

同じ道沿いにあるのですね。こちらはケーキ屋さんですか?

 

猫井先生

こちらは、今年の3月に公開した記事「2021年にぴったりなホワイトデースイーツ(後編)」でもご紹介した「UN GRAIN(アン グラン)」のシェフも務められた、金井シェフが昨年1月にオープンされたお店です。

 

食べログマガジン編集部

こちらも新しいお店なんですね。金井シェフについても知りたいです!

 

猫井先生

金井シェフは、フランスのパンで有名な「ビゴの店」で修業後に渡仏、三つ星レストランなどで上質なデセールについて学ばれます。帰国後は青山のレストランや「アン グラン」のシェフパティシエを務め、こちらのお店をオープンしました。

 

食べログマガジン編集部

わぁ〜、ショーケースには綺麗なお花のケーキが並んでいますね!

 

猫井先生

こちらのお店のスペシャリテの「パルファン」と「ジャルダン フリューリ」ですね。

 

食べログマガジン編集部

なんとも芳しい雰囲気の名前のケーキですね。

su_ta
「パルファン」660円   出典:su_taさん
 

猫井先生

金井シェフのケーキはビジュアルもさることながら、香り使いに特徴があります。代表作の「パルファン」は香水という意味ですが、紅茶のアールグレイの香りとして知られるベルガモットを主軸に、ジャスミンとバラのブリュレと苺のゼリーを組み合わせた、まさに香りのマリアージュともいうべき、高貴な香りをまとったプチガトーです。口溶けが軽やかで、口中が華やかな香りで充たされます。

 

食べログマガジン編集部

高貴な香りをまとったプチガトー! 食べたら素敵女子になれそうな響き!

「ジャルダン フリューリ」650円
 

猫井先生

もう一つ「ジャルダン フリューリ」は、花が咲き誇る庭といった意味でしょうか。バイオレットがほんのりと香るベリーのジュレ、ラベンダーのクレームブリュレを柑橘系のムースで包み込んだ、エレガントでフローラルな逸品ですね。

 

食べログマガジン編集部

エレガントでフローラル! 両方食べたら口からいい香りがしそうです(うっとり)。

「タルトシトロン ベルガモット」600円
 

猫井先生

ほかにも、爽やか系ならば「タルトシトロン ベルガモット」もありますよ。高知県産の「土佐ベルガモット」を使ったレモンタルトです。食べてみると、ベルガモットのせいか、レモンというよりはライムに近い感じがします。

 

食べログマガジン編集部

国産の材料も積極的に使用されているんですね。爽やか系が多い印象ですが、濃厚系のケーキもあるんですか?

「シブーストバナーヌ」580円
 

猫井先生

濃厚系ならば「シブーストバナーヌ」はいかがでしょうか。チョコ、バナナ、ナッツの組合せのタルトです。バナナのタルトを土台に、上部をキャラメリゼして中心にバナナを忍ばせたショコラシブーストをのせて、周囲にヘーゼルナッツを貼り付けたものです。

 

食べログマガジン編集部

ナッツとキャラメルとバナナは絶対おいしい組み合わせ!

 

猫井先生

あとは、評価の高いショートケーキもおいしいですよ。実はこちらのショートケーキ、よく見るとある仕掛けが施されているんです。わかりますか?

 

食べログマガジン編集部

ん〜なんでしょう。しいて言えば、下部のスポンジが厚いような……。

「イチゴのショートケーキ」682円
 

猫井先生

下のスポンジの間に薄い層があるのがわかりますか?

 

食べログマガジン編集部

たしかに、よく見るとスポンジが2枚重なっていますね! カスタードクリームのようなものが挟んであるような?

 

猫井先生

大正解です。こちらの連載でも何度もお伝えしていることですが、ショートケーキというのは日本生まれのケーキで、フランス菓子ではないんですよね。フランスで苺のケーキと言えば「フレジエ」です。特徴は、生クリームでなく、カスタードにバターを加えたクレーム・ムースリーヌを使うことと、苺の断面を見せることです。商品名はイチゴのショートケーキですが、シェフ的にはフレジエをイメージして作られていると思いますよ。

 

食べログマガジン編集部

断面の構造からシェフの思いが読み取れるわけですね。スイーツの世界は面白いですねぇ。