【第3週のカレーとスパイス】600円あれば本格バングラデシュ料理を食べられる!大久保に新たなスパイス基地が誕生「サビハ ハラル レストラン」

韓国料理とネパール料理の激戦区として有名な大久保。最近では韓国、ネパール以外の様々な国の専門的な料理を出すお店も増えてきており、大久保にいるだけで食のアジア一周旅行気分を楽しめるようになってきました。

そんな大久保でも人気のネパール料理店である「ソルマリ」の下の階に入っているお店。この場所はリニューアルを繰り返しているのですが、今年の5月に入って「サビハ ハラル レストラン」となりました。

わかりやすく言えばバングラデシュ料理店。以前ここに入っていたお店もバングラデシュビリヤニを楽しめるお店だったのですが、メニューは前のお店以上にバングラ感が増していました。

「スペシャルボルタセット」

「スペシャルボルタセット」は、ボッタ(様々な食材をスパイスと一緒にマッシュしたようなバングラデシュを代表する料理)とも呼ばれるものが日替わりで4種。これにダル(豆スープ)にご飯とサラダとドリンクも付いて600円という激安価格。

この日のボッタは左からシュッキ(バングラデシュのドライフィッシュ)、レッドビーン、トマト、ツナの4種。これだけでも十分な量なのですが、メニューをよく見ると「フィッシュカレー」400円とあるじゃないですか。

「フィッシュカレーの魚は何ですか?」と聞いてみたら「ルイ」と。ルイはバングラデシュでポピュラーなコイ科の淡水魚です。バングラデシュ料理といえば魚料理が代表的ですから、フィッシュカレーも一緒に注文しました。

「スペシャルボルタセット」に「フィッシュカレー」を追加

ボッタはそれぞれベクトルの違うおいしさ。濃厚な旨味のシュッキ、もったりした食感が良いレッドビーン、酸味が爽やかなトマト、存在感あるツナ。これをご飯にのせ、ダルをかけて食べれば気分はもうバングラデシュ! 派手さはないものの、食べていくごとにおいしさが蓄積していくような感じがして、食べ終わったときの満足度はかなり高いです。

写真左から「シュッキボルタ」「レッドビーンボルタ」

ルイのカレーも魚の旨味がグレイビーに浸透していて基本的に優しい味わいなのですが、時折青唐辛子の刺激がくるというもの。ツンデレならぬデレツンの具合が絶妙で、ご飯によく合うカレーです。米と魚を好むのはバングラデシュ人も日本人も同じですから、スパイス料理を食べ慣れていない日本人にも好まれる味なのではないかと常々思っています。

写真左から順に「トマトボルタ」「ツナボルタ」

これが合わせて1,000円というのはとにかくお得。大久保エリアは500円で本格ネパール料理を楽しむことができたり、ここのように600円で本格バングラデシュ料理を楽しむことができたりと、カレー好きにとっては本当にうれしい町です。なかなか海外へ行くことができないご時世ですが、大久保エリアは東京で一番アジア感のある町であることは間違いないでしょう。

先述したように、韓国、ネパール。そして中国のマニアックなお店もありますし、タイ、インドネシア、ベトナム、そしてバングラデシュと多種多様で、それぞれ現地人が集まるようなレベルの高いお店が多いです。まだ見ぬ国の料理と言いますか、まだ食べたことのない各国料理を大久保で探すのも楽しいものです。

ちなみにこちらのお店は基本的にはテイクアウトメインのお店で、イートインも可能ですが半分野外的な感覚。つまりは換気もバッチリ。これから暖かくなってくる季節は半野外のようなこういうお店で食事を楽しむのも良いですね。

※価格はすべて税込

※本記事は取材日(2021年5月18日)時点の情報をもとに作成しています。

【第4週のカレーとスパイス】休日ランチ&ほぼ全品テイクアウト可! 時短・ノンアルでも大満足できるタイ料理の名店「タイ屋台居酒屋 ダオタイ 阿佐ヶ谷本店

夜遅い時間帯の営業自粛要請に加えてお酒までお店で飲めなくなってしまっている東京。夜営業がメインだったお店はどこも悲鳴をあげています。協力金が出ると言っても何カ月先になるかわからない状況で、休んでいても消えていく固定費を稼ぐためにほかでアルバイトせざるを得なくなったという話も聞きます。そんな中、営業形態を変えたり営業時間を変えたりと工夫しているお店も少なくありません。今回ご紹介する「タイ屋台居酒屋 ダオタイ 阿佐ヶ谷本店」も何とか生き残るためにと工夫を重ねています。

ダオタイといえばタイ料理マニアなら誰もが知っていると言っても過言ではない名店。かつて渋谷にあったダオタイは、当時食べログのタイ料理ランキングで全国1位となる程に人気でした(現在は業務委託という形で「東京タイ料理」という名前に変わっています)。各地にダオタイはじめ、店舗名はダオタイではなくてもダオタイの監修による系列店も数多くあったのですが、コロナ禍で閉店してしまった店舗もあり、ダオタイファンとしては寂しい思いをしているので、阿佐ヶ谷の本店に行ってきました。

阿佐ヶ谷本店は基本タイ料理でお酒を飲むスタイルのお店。緊急事態宣言中は営業時間を16:00~20:00(ラストオーダー19:15)に変え、土日祝はランチ営業も行い、当然お酒も出さずに頑張っています。お酒が無くてもおいしいダオタイの料理。こんな時期だからこそファンとしては食べずにはいられません。

「ゲーンキョー(グリーンカレー)」とご飯(中)

「ゲーンキョー(グリーンカレー)」はレギュラーサイズで780円。スモールサイズ(540円)もあるのがうれしいです。ご飯は別なのでレギュラーサイズのゲーンキョーに中サイズのご飯(250円)を合わせていただきました。

グリーンカレーってどこで食べても同じだと思っている方にこそ食べてほしいおいしさ。ほかとは確実に違うんです。程よいココナッツの甘味の後から追いかけてくる青唐辛子の辛さと、それだけではない多層的な心地よい辛さを感じます。ここのゲーンキョー、ご飯が進みまくるんですよね。

「カオソイ」

本店のシェフはチェンマイ系ということで、ならばチェンマイ名物の「カオソイ」980円もいただきましょう。カオソイとはわかりやすく言うならココナッツカレーラーメン。茹で麺と揚げ麺を一緒に盛り付けて、それぞれココナッツカレースープと共に食べる料理です。

こちらのカオソイ、揚げ麺は通常の中華麺ですが、茹で麺が太めのライスヌードルなんです。そしてそれが実に合う! 本格的なタイ料理店でカオソイを食べると、麺が茹ですぎだったりすることも少なくありません。僕はタイ現地でもカオソイを食べ歩いたことがあるのですが、麺の茹で具合の感覚が日本人とは違うんですよね。しかしダオタイの社長は日本人。だからこその良い意味での日本ローカライズがなされているのです。もちもち麺に絡むココナッツカレー。たまりません。

「ガイヤーン」

そしてダオタイと言えば肉のグリルも隠れた名物のひとつ。「ガイヤーン」740円と「コームーヤーン」860円を食べ比べてみました。どちらもタイ料理店ではポピュラーなメニューですが、ダオタイのヤーンはタレが抜群においしいんですよ。ほかのお店のタレよりも奥深くほのかなスパイス感もあり、肉のおいしさが引き立つのです。ジューシーな鶏肉のガイヤーン。食感が楽しい豚トロのコームーヤーン。お酒があれば飲みたいところですが、ご飯と一緒に食べてもおいしいですよ。

「コームーヤーン」

やっぱりほかとは頭一つ抜きんでたクオリティのタイ料理店です。それでいてお値段もお手頃なのが素晴らしいところ。「渋谷のお店は閉店したりリニューアルしたりと、ダオタイでは無くなってしまったんですね」と社長に聞いてみると「そうなんですが、実はデリバリーのフランチャイズでお店を増やしているんですよ。都内のみならず地方にも展開していて、タイ料理があまり無い地域を狙って出店中です」とうれしい話も聞けました。

「ホーリーバジル茶」320円

阿佐ヶ谷本店は現在テイクアウトにも力を入れており、基本的に全品テイクアウト可能とのこと。ダオタイのような人気店、有名店でも打撃を受けているコロナ禍。しかし、工夫や新展開など常に前を向いて進んでいるからこそ、人気店であり続けていられるのだろうなと思いました。

阿佐ヶ谷のみならず、あなたの町でもダオタイの料理を食べることができるかもしれません。見かけたら是非食べてみてください。ほかとは一味も二味も違う絶品タイ料理をいただけることでしょう。

※価格はすべて税込

※本記事は取材日(2021年5月25日)時点の情報をもとに作成しています。

※時節柄、営業時間やメニュー等の内容に変更が生じる可能性があるため、お店のSNSやホームページ等で事前にご確認をお願いします。

※新型コロナウイルス感染拡大を受けて、一部地域で飲食店に営業自粛・時間短縮要請がでています。各自治体の情報をご参照の上、充分な感染症対策を実施し、適切なご利用をお願いします。

文・写真:カレーおじさん\(^o^)/