【定食王が今日も行く!】
撮った!食べた!うまかった!ロケットチキン、発射します!
湘南でサーファーや学生のお腹を満たしてきた
「ロケットチキン」が下北沢に!
今回紹介するのは、その名も「唐揚げでも、フライドチキンでもない、湘南生まれのロケットチキン」。数年前、自分が書いていたBlogにオーナーの方がメッセージをくれたのが、この店を知ることになったきっかけだ。六会日大前と茅ヶ崎で2店舗を展開し、地元の学生やサーファーに愛される、まさに湘南のお腹を満たしてきたお店だ。学生時代を湘南で過ごした自分としては、ぜひ一度訪れたいと思っていたところ、5月に下北沢に3店舗目をオープンし、東京初進出を果たした。
看板メニューはもちろん「ロケットチキン定食」だ。その名の通り、6ピース以上注文すると揚げたチキンが特製の皿に積み上がった形で提供される。そのビジュアルの迫力から、これまでテレビでも取り上げられているが、最近ではインスタグラムやYouTubeでも取り上げられ、SNSで話題になっている。
一見するとインスタ映えやテレビ映えを狙った安直な店に見えるが、店内にはオーナー中島さんの思いやこだわりが、ぎっしりと詰まっている。中島さんは和食店で修行したのち、青年海外協力隊(JICA)に参加し、キリバス共和国で調理師として活動。残飯大国である日本への問題意識や国産食材へのこだわりをもち、夢をもつスタッフをサポートする「夢ボーナス」や、「旅ボーナス」を出しているという。髪色、ピアス、ヒゲ、タトゥー、LGBTなど、個性を持った人たちとともに働こうと呼びかけるポスターなど、ロケットチキンで世界を変えたいという思いが、ひしひしと伝わってくる。全く違う業種であっても、仕事に懸ける熱い思いをぶつけられるとグッとくるのは、私だけだろうか。
サクッ!フワッ!ジュワッ!
新食感の胸肉フリッターに自家製タルタル
一見するとどこにでもありそうな唐揚げ定食だが、ロケットチキンの威力は、ひとくち口にした瞬間に“発射”される。見た目を裏切るうまさが飛び込んでくるのだ。最初は10種類のスパイスを使っているというだけあり下味がガツンとくるのだが、チキン自体は見た目よりもかなりあっさりしていて、柔らかくジューシー。フリッターのような衣からは、サクサクッとフワフワが同時発射され、チキンそのものの柔らかさを際立てている。店名の通り、フライドチキンとも、唐揚げとも異なる一品なのだ。
特筆すべきは、きゅうりのピクルスを刻み込んだ自家製タルタルソースだ。国産の新鮮なきゅうりを、秘伝のピクルスビネガーに1週間ほど漬け込むところから手作りしており、自然な甘さやコクがしっかりとある。
また、テーブルにはレッドチリ、スイートチリ、テリヤキ、ガーリックの4種類のトッピングソースがあり、それぞれをタルタルと混ぜて味変を楽しめる。個人的にはタルタルにガーリックはマストだ。あっさり胸肉じゃ物足りない!という方にもガーリック投入で十分なパンチ力が加わる。
この揚げたてチキンに、ふわっとホカホカの白飯が合わないわけがない! このフワホカ感を出すために、通常飲食店で使われる業務用の炊飯器は使用せず、家庭用炊飯器で少しずつ炊いているそうだ。この白飯に対する強いこだわりも評価したいポイントだ。
積み上げたロケットチキンを
自家製のレモンサワーと一緒に
名物となっている積み上げ式のロケットチキンは6ピースからオーダー可能。来訪時には海外からの観光客や女性客も注文し、写真を撮っていた。インスタグラムに載せたら、必ずいいね!たくさんがもらえる、迫力の一皿だ。6ピースは一人で食べるには多い量だが、複数人で訪れたときにはぜひ注文して写真を撮ってみては。そしてもう一つのおすすめは、揚げたチキンと最強のペアリングを生む、自家製のレモンサワーだ。休日の昼間や仕事帰りに、ロケットチキンをつまみにレモンサワーで一杯、なんて楽しみ方もおすすめだ。もちろんカウンター席も備えられているので、一人で定食をいただくこともできる。見た目の迫力だけじゃない、味へのこだわりや、いろいろな人を受け入れてやさしく包み込む、実は懐の深い一軒だ。オーナー中島さんの夢は、ロケットチキンで世界進出をして、多くの人を幸せにすることだそう。そんな夢いっぱいのジューシーチキンに、ぜひかぶりついてほしい。