再開発にともない、しばらくこの地を離れていた大人たちから再びの注目を集める街・渋谷。だけど、いざ来てみたら食事処に迷ってしまうというケースもしばしば。そんな、“シブヤお久しぶり組”の迷える大人たちのため、「食べログ グルメ著名人」で渋谷区初のCEO(Chief Eat Officer)を務める小宮山雄飛さんに渋谷の新&定番グルメスポットを両方教えてもらっちゃおう! というこの連載。

[定番]編8回目となる今回は、香川生まれ渋谷育ちの讃岐うどん店「やしま 円山町店」をご案内します。

【大人の渋谷メシ・定番編】第8回「やしま 円山町店

今回ご紹介する渋谷の定番グルメは「やしま 円山町店」です。

香川での創業は84年前! 渋谷に移転してからも40年以上の歴史がある老舗。音楽関係者・クラブ関係者・アパレル関係者などなど、渋谷に通っていた人なら、一度はお世話になっている名店です。

所狭しとフィギュアや昭和のレコード・ポスターなどが陳列された「うどん屋らしくない」店内もまた、やしまの特徴。

お客さんそれぞれに自分だけのこだわりの注文方法があり「ホット冷やしぬるめ海老カット麺少なめ汁多め」など、常連になるほど、呪文のような複雑なマイメニューをすらすらと口にします。

さて、僕の定番マイメニューは「生醤油ぶっかけ冷やし揚げ少なめ野沢菜別カットげそ」。

知らない人が聞いたら、なんのことか分からないかもしれませんが、店員さんにはもちろん一発で通じてしまう。ということで早速注文!

「あげだま きじょうゆ うどん(冷)」650円に、「げそ天」180円、「野沢菜」150円をトッピング

こちらが、生醤油ぶっかけ冷やし揚げ少なめ野沢菜別カットげそ。

あえて解説するなら、冷やし生醤油ぶっかけうどんの、デフォルトでかかってる揚げ玉を少なめにしてもらい、野沢菜を別皿に盛ってもらい、さらにトッピングでげそ天を加えたもの。 数あるメニューの中、ここ数年僕はもうこれ一筋!

つやっつやに輝くうどん!

「げそ天」

名物の「げそ天」はカリッカリのクリスピーに揚がっているのが特徴。

「野沢菜」

野沢菜は別皿でもらうのが僕流。なぜなら、まずはシンプルな生醤油うどんを楽しみたいから。ということで、まずは何ものせずに、うどんだけを堪能。

見てください、この存在感!

口に含んでひと噛みすると、見事なコシ。上品にすすろうなんて思ってはいけません。口いっぱいに麺を頬張って、思う存分讃岐うどんの旨みを堪能します。

しばしシンプルに楽しんだら、今度はトッピングをオン・ザ・ヌードル!

薬味のしょうがと青ネギと共にトッピングをすべてうどんの上にのせて、卓上のだし醤油をさっとひとかけ。一気にご馳走うどんに変身です。

野沢菜の漬物の素朴な旨みに、げそ天のどこか駄菓子的なおいしさも加わり、一杯で二度も三度もおいしいうどんに。さらに食べ進むと楽しい変化が!

運が良ければ、うどんを切る際に出る端っこの幅広い部分(うどんの耳などと呼ばれる部分)が入っていることも。手打ち・手切りだからできる不揃いな部分ですが、食感の違いを楽しめて、噛むほどに小麦の味を感じられる貴重な部分。

これが入っていると「ラッキー!」となるのです。 一人前の麺の量が茹でる前の状態で300gと多いため、一人で行くとあれもこれもとは頼めませんが、数名で行ったらぜひ試して欲しいメニュー・トッピングもさらに沢山!

「キムチ」200円

一気に味の変化が出る、「キムチ」もトッピングでおすすめ。

「味付け玉子天」150円

「味付け玉子天」はビールのつまみにもぴったり!

香川のソウルフードから、もはや渋谷のソウルフードとなっている、やしまの讃岐うどん。渋谷のグルメを語る上で絶対に外せない一軒、皆さんも一度と言わずぜひ何度も通って、自分だけの最高の組み合わせの一杯を見つけてみてください。

P.S.店内に飾られた、渋谷を訪れた芸能人・著名人からのサインの多さを見ても、多くの人に愛されていることが分かるやしま。

このたび、光栄にも僕のサインも加わらせてもらうことになりましたので、お店に行った際は、ぜひとも僕のサインも探してみてくださいね!

※価格はすべて税込

※時節柄、営業時間やメニュー等の内容に変更が生じる可能性があるため、お店のSNSやホームページ等で事前にご確認をお願いします。

※外出される際は、感染症対策の実施と人混みの多い場所は避けるなど、十分にご留意ください。

※本記事は取材日(2020年11月25日)時点の情報をもとに作成しています。

取材・文:小宮山雄飛

撮影:GENIUS AT WORK