【カレーおじさん \(^o^)/の今週のカレー#132】「新宿中村屋 Manna」「新宿中村屋 Bonna」

日本で最初にインドカレーを出した店舗として有名な新宿中村屋。「純印度式カリー」と名付けられたそのカレーは、東インド・ベンガル地方の料理を基にしたカレー、いや、カリーなのです。

新宿中村屋は「カリー」という呼び方をポリシーとされているので、今回はカレーではなくカリーという表記で統一することにします。

創業は明治34年。パン専門店としてスタートし、昭和2年から純印度式カリーを提供し始めた老舗。古くからのカリー好きなら一度は食べたであろう新宿中村屋のカリーですが、最近カリー好きになったという若い方たちと話すと意外にも新宿中村屋のカリーを食べたことがないという方が多く、もったいないといつも思うのです。何故なら時代を問わぬおいしさなのですから。

新宿中村屋は自社ビルの8階にコース料理とワインの「新宿中村屋 Granna」、地下2階にカリー、中華、洋食を味わえる「新宿中村屋 Manna」、地下1階にカリーパンや惣菜、レトルトなどのテイクアウトが可能な「新宿中村屋 Bonna」が存在するのですが、今回はMannaのメニューからご紹介しましょう。

「純印度式カリー」

看板メニューの「純印度式カリー」1,600円は、骨付きチキンのおいしさがスパイスで存分に引き出され、稲作も盛んなベンガル地方の料理だからこそ米との相性が良いカリーです。

「コールマンカリー」

インド料理のコルマを基にした「コールマンカリー」1,800円は、トマトとヨーグルトでマイルドさと爽やかな酸味が加わり、辛いものが苦手な方にも比較的食べやすいテイスト。

「ベンゴールカリー」

「ベンゴールカリー」2,000円は、ビーフのうま味がダイレクトに舌の上で踊るような贅沢な味で満足度が高いです。

「カリー伊麺」

様々なカリーがすべておいしいのですが、11月までの期間限定メニュー(予定)の「カリー伊麺」1,400円という、今しか食べられないメニューもあります。

伊麺とは伊府麺とも呼ばれる中国・広州の卵麺で、一度揚げたものを湯通しするということで独特の食感と風味があります。これをカリースープでいただくとなると、香港の隠れ名物である咖喱麺を思い出します。

新宿中村屋は昭和の時代にこちらのメニューを一時期提供していたそうで、今回は内容をブラッシュアップして復刻させたメニューとのこと。僕も大好物のカリー麺。香港のものはジャンクな魅力がありますが、新宿中村屋のカリー麺は上品な仕上がり。

麺を揚げたことによって生まれる風味が麺の味を深く感じさせ、スパイスバランスの良いカリースープは、カリーのみならず中華まんや麻婆豆腐などの中華料理にも精通している新宿中村屋だからこそのハイクオリティなスープです。

具は野菜に鶏肉、そしてシークケバブが入っているのが楽しく、個性を感じます。カリーと麺の組み合わせが好きな方にはたまらないメニューです。

「新宿中村屋 Bonna」店内ショーケース

帰りはすぐ上の階にあるボンナで「新宿カリーパン」300円をテイクアウト。

「新宿カリーパン」

純印度式カリーをベースに、パンに合うようアレンジしたカリーがおいしいのはもちろんなのですが、パン自体もおいしいのは元々がパン屋さんだったからこそ。お店で揚げているのでタイミング次第では揚げたてもいただけます。

カリーを中心に中華やパン、そのほか様々な料理が全ておいしいという素晴らしさ。老舗ながらその歴史にあぐらをかかず、時代とお客さんのニーズに合わせてメニューを増やし、常に研鑽を積んできたからこそのクオリティです。

新しいカリーマニアでまだ新宿中村屋の味を知らないという方は近いうちに一度味わっておくべきだと思いますし、古くからのファンの方にも限定メニューを味わっていただきたいです。

個人的にはこちらに通って約25年。昔も今も大好きなお店なのです。

※価格はすべて税抜

※時節柄、営業時間やメニュー等の内容に変更が生じる可能性があるため、お店のSNSやホームページ等で事前にご確認をお願いします。

※外出される際は、感染症対策の実施と人混みの多い場所は避けるなど、十分にご留意ください。

※本記事は取材日(2020年9月28日)時点の情報をもとに作成しています。

文・写真:カレーおじさん\(^o^)/