【カレーおじさん \(^o^)/の今週のカレー#123】「Curry Spice Gelateria KALPASI」(カレー スパイス ジェラテリア カルパシ)
常に予約で満席となり、その予約もなかなか取れない人気店として知られる東京・千歳船橋の「カルパシ」。本連載「今週のカレー#7」でもご紹介したお店です。そちらでも書いたとおり、カレーのみならずデザートのアイスクリームも最高においしいカルパシが、下北沢にカレーライスとジェラートのお店を出しました。その名も「Curry Spice Gelateria KALPASI」。
下北沢駅から近いのですが、路地裏の奥の奥といった場所にあり、少々わかりにくい位置にありながら店内は満席の人気。流石です。満席ではありましたが、カウンターには一席ごとに飛沫感染対策のパーテーションもあり、安心感が高まりました。
食券を購入し、カウンターで渡すというカレースタンド的システムですが、ジェラートがあるのが一般的なカレースタンドとは違う点。ジェラートのみのイートインも可能です。カレー2種盛りが1,200円。3種盛りが1,390円。ジェラート単品だと530円ですが、カレーとジェラートのセットになると2種セット1,680円、3種セット1,870円と、50円お得になる価格設定。ならば3種盛りのジェラートセットでいきましょう!
カレーメニューは固定ではなく、現在あるものが無くなると入れ替わっていくという形式とのこと。この日のカレーは「クートゥ」(豆と大根とほうれん草の南インド風カレー)、「レモンチキンカレー」「マトンキーマカレー」の3種でした。
まずこのクートゥが最高においしい! ポタージュのようにトロっとまろやかな舌触り。素材が本来持っている自然な甘味が感じられ、それを絶妙に引き出すスパイス感。これだけでここのお店のレベルの高さがわかります。
レモンチキンはサラっと爽やか。プリプリかつ柔らかいチキンがたまりません。マトンキーマも羊肉の良い部分がしっかりと引き出され、クセのある部分は抑えられているのでマトンが苦手という方でも食べられそうなおいしさであり、同時にマトン好きも納得以上に満足できるクオリティという見事な止揚を感じました。色とりどりの副菜も見た目の美しさのみならず、食感に変化を与えて最後まで飽きずに食べさせる工夫があります。
「流石カルパシ!」と大満足でいると、ジェラートが登場。カレーだけでも大満足ですっかり忘れかけていました(笑)。しかし忘れてはいけません、これがまた最高なのですから!
ジェラートは8種(この日は1つ品切れで7種でした)の中から2種をセレクトできるシステム。僕は「焦がしマスタードシードココナッツ」と、「実山椒ブルーチーズショコラーデ」をセレクト。
焦がしマスタードシードココナッツは、マスタードシードのほのかな辛味と苦味が、ココナッツミルクの甘味を上品にかつ、大胆に彩ります。そして実山椒ブルーチーズショコラーデ。これにカルパシの神髄を感じました。大量に入った実山椒のほのかな痺れとプチプチ弾ける食感、ブルーチーズのコクとクセ、チョコレートの甘味と苦味、それぞれがそれぞれのおいしさを引き立てあう三位一体! とんでもないです。ここでしか食べられないジェラートですよ。
ジェラートも1~4まではレギュラーメニュー、5~8は季節によって入れ替えて行く予定とのことですから、カレーも副菜もジェラートも、いつ行っても同じではないので通い甲斐もあります。
カレーはレシピが同じでも作る人が変わると大きく味が変わる食べ物です。名店の2号店でも、シェフが違うと味が変わってしまって期待外れだったということも少なからずあります。しかしその点でもこちらは安心。厨房で腕を振るうのは、惜しまれつつ閉店した「リロンデル」「グリーンカレーめぇ」という2つの人気店を営んでいた、知る人ぞ知る名シェフ“めぇさん”なのです。
ご本人もカルパシに足繁く通っていた方だからこそ、カルパシの要の部分を分かっており、だからこそ根幹が崩れていないのです。そしてカルパシの店主であるクロちゃんもめぇさんを信頼しているからこそ任せている部分もあるので、めぇさんならではの良さも感じるという2人の名シェフのハイブリッド。本店とは違う良さもあるのです。
もちろんテイクアウトも対応(カレーのみ)しています。テイクアウトの注文をし、ジェラートを食べながら待つというのも良いかもしれません。カレーの街下北沢にできた新たな名店。本店とは違って予約無しで入れるのもうれしいところ。
夏がやってきます。カレーで気持ち良く汗をかき、ジェラートで涼を取る。最高に幸せな時間ですよ!
※価格はすべて税込