【カレーおじさん \(^o^)/の今週のカレー#121】「昼飯屋」
人気店出身シェフが新しいお店を開いたとなると瞬く間に人気が出ることが多いのはSNSで情報共有と拡散がしやすくなった現代ならではのことですが、人気店出身シェフでありながら新しいお店を開いた際に、まずは地域の人に愛されようということで出身店舗も名乗らず、地域密着型のお店として営業を始めたお店があります。京浜急行電鉄・大森町駅前にある居酒屋のランチ間借り営業店「昼飯屋」です。
オープンしたのは2020年2月。こちらのシェフはどこの人気店出身なのかというと、代々木公園駅前の「スパイスポスト」でカレーを作っていた方なのです。スパイスポストと言えば朝から営業していて行列の絶えない人気店。そちらのメインメンバーだった方。スパイスポストの前は寿司、日本料理、イタリアンなどのお店で働いていたそうです。
スパイスポストにも3年勤め、そろそろ独立しようかというタイミングで現在の昼飯屋の間借り先である居酒屋「はなれの梅林」との出会いがあり、スタートしたのが2020年2月のこと。しかし最初はあえて宣伝もせず、地域の方に愛される努力を重ねたそうです。常にカレー情報を得るためにレーダーを張り巡らしている僕ですが、そんな僕でもこちらの存在に気づいたのは最近だったということが、宣伝をせずに地道に営業を開始していたという証拠と言えましょう。
営業開始直後にコロナ禍による外出自粛があり、お店はピンチかと思いきや既に地元の方には知られ始めていたのが功を奏し、テイクアウトの需要が非常に伸びてむしろ売上も上がったそうです。常連さんも増え続けているいうことで、地域密着型のお店を作ろうという作戦も成功だったわけですね。素晴らしい!
メニューは出身店であるスパイスポストのカレーを彷彿とさせるチキンカレーやキーマカレー、あいがけもあるのですが、地域密着型だからこその、ここにしかないメニューとして、「海苔チキンカレー」1,100円というものがあったのでそれをいただきました。
大森の老舗海苔専門店「立石商店」の海苔を贅沢に使用し、チキンカレーと合わせたオリジナル。通常のチキンカレーはサラっとしてだしの旨味を感じる爽やかなカレーなのですが、海苔が加わることによって違うベクトルの旨味が重なり、角度の違う奥深さも加わっておいしさの体積が増していました。
スパイスポスト同様にスパイスビネガーを使って途中から味変も可能ですし、チキンカレーのスープはおかわり自由だというのも同店と同様。
ラムキーマを頼むとチキンカレーのスープがついてきて実質二種盛りになったりするのも、トッピングメニューにポテトサラダがあるのも同じですが、やはりこの海苔チキンカレーがあるからこその、大森町の昼飯屋なのです。
そしてこの海苔チキンにもスパイスビネガーを少しかけると味が締まって輪郭がはっきりしてきますし、海苔チキンにもチキンカレーのスープをおかわり可能というサービスぶり。満足度が高いです。
スパイスポストイズムを継承しつつ、独自の地域密着型路線も取り入れ、今後も色々と楽しみなお店ですよ!
※価格はすべて税込