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vol.2 ローなエスニック料理でヘルシー!Tree of Life(ツリーオブライフ)

 

猛暑まっただ中のこの時期に恋しくなるのが、タイやヴェトナムなどのエスニックテイストの料理。ハーブや野菜を使った料理も多いけれど、油を使ったり濃い味付けだったりするのが心配……。そんな、ヘルシー派におすすめしたいのが、ローフードで作るエスニック料理。ローフードとは、食物を加熱処理せずロー(生)の状態で摂取することで、野菜などが持っている消化酵素や栄養素を取り入れる調理法。エイジングケアやデトックス効果も高いことはさることながら、消化しやすく胃腸に優しいため、夏バテ気味で食欲がない人におすすめ。

「健康でいたいけど、おいしいものをがまんしたくない!」

今回は、グリーンスムージーを日本にいち早く紹介した“グリーンスムージー姉妹”こと、仲里園子さん、山口蝶子さんによる姉妹ユニット「シャリマ・ドゥ・ラ・テフテフ」がオープンしたカフェ「Tree of Life」より、ヴェトナム&タイ料理を中心とした野菜たっぷりの“ベジエスニック”、3品ご紹介。

 モットーは、食べたいものを食べる。というふたりらしく、ローフードというストイックな調理法ながら、オリジナルのアイデアで、“なんとなくエスニック風” という域を超えた、独特のおいしさを体現している。

 

 

ヴェトナム料理の人気コンビ、フォー&春巻きもここまでヘルシーに!

動物性の食材はゼロ。なのに、コクのあるスープがおいしい「ローフォー」

スープは、健康志向の方の間でも人気のベジブロス。そこに、シナモン、カルダモン、八角などスパイスを混ぜることでコクと奥行きを出している。麺は、薄切りのキュウリ、ケルプヌードル(海藻麺)。その上に、大葉、ミント、バジルなど生野菜を惜しみなくのせて。仕上げに散らした、カシューナッツソルトは味と彩りのアクセントとして活躍! 名脇役は、ノーフライドオニオン。ディハイドレーターでじっくり乾燥させたタマネギは、ぎゅぎゅっとした旨みが凝縮されていて、油で揚げてないとは思えないサクサクとした食感にも驚き。

ライスペーパーの代わりにレタスで具材を巻いた「グリーン春巻き」

フォーのとなりにあるのは、野菜のおいしさをダイレクトに味わえるサラダ感覚の春巻き。「いろんな食感のものが入っている方が春巻きはおいしくなるから」と、仲里さんがいうように、シャキシャキとしたスプラウトと、マンゴーとアボカドのとろんとした食感が口の中でリズミカルに絡み合い、おいしく楽しい。

 

春巻きの主役といえば蒸し鶏や海老などが定番だが、こちらではマンゴーを抜擢。タイやフィリピンのマンゴーがおいしい季節で、国産のものに比べて程よ酸味があり、グリーンの味わいとも好相性。マンゴーが入ることで全体にフレッシュさが加わり夏らしい味わいに。

 

添えてあるのは、大葉、レモングラス、ミントなど5〜6種類のハーブをピューレ状にしたソース。お好みでつけて召し上がれ。

 

油を使わないのに腹もち抜群! ケルプと野菜麺で作る「ローパッタイ」

“あまじょっぱい”エキゾチックな味わいがクセになる!

タイの人気料理、パッタイも“ベジエスニック”にオンリスト。麺は、フォーでも使っていたケルプヌードルに、ズッキーニと人参の麺状にスライスした野菜麺を使用。パッタイ特有の“あまじょっぱい”味わいは、白ごまのペーストを使ったタヒニソースで代用。こちらは、炒め料理特有の香ばしさも醸し出す優れもの。食感のアクセントには、ここでもノーフライドオニオンフライが活躍。フレッシュなパクチーも惜しみなくオン。自家製スイートチリソースで和えた、トマトとアボカドの付け合わせを添えて。

 

料理に使う野菜は、静岡県富士宮の「内房ファーム」より直送された無農薬のものを主に使用。旬の野菜、その時期に収穫できる野菜を中心にメニューを作るので、春巻きの具材やフォーにのせる野菜などは時期によって変わっていく。訪れるたびに、季節の野菜をたくさん食べられるのもうれしい!

“前菜”は、フレッシュなグリーンスムージー


今回紹介した、「ローフォー&野菜春巻き」、「ローパッタイ」は、月替わりのローフードプレートメニューのひとつ。それぞれ、デザートとお茶がセットでついて、2592円。さらに、スムージーのSサイズを450円で追加可能。季節の葉野菜と果物を使った日替わりスムージーは、こちらの看板メニュー。“前菜”代わりにオーダーしてみては。

 

野菜のおいしさ全開、ローフードなのにきちんとおいしい“ベジエスニック”で、猛暑の夏を乗り切って。

明るく開放的な店内。オリーブオイルなどグロサリーも販売している。

 

取材・文:吉村セイラ
撮影:山本マオ