【カレーおじさん \(^o^)/の今週のカレーとスパイス#179】「Spice Curry Toca」

今回ご紹介するのは、2024年8月1日、南阿佐ケ谷駅近くにオープンしたばかりの「Spice Curry Toca」。

2024年8月1日にオープンしたばかりの「Spice Curry Toca」

まずその経歴からまとめると、ビストロで修業しながらミュージシャン活動も続けていたシェフが下井草で間借りカレー店「spice curry HIRUDOKI」としてスタートし、その後高田馬場のバーの間借りで「Spice Curry Toca」として営業。その味に惚れた高田馬場の「フィクションスパイス」のオーナーからスカウトされ、フィクションスパイスのシェフに就任。同店のメニューをブラッシュアップしつつ、Tocaのメニューもフィクションスパイスのメニューとして加え、お店を盛り上げました。そして遂に自身の独立店舗として南阿佐谷すずらん商店街にお店を構えたという次第です。

改装前のお店の雰囲気を有効活用した、爽やかな印象の店内

地中海料理のお店を改装したという店内は青を基調とした爽やかな雰囲気。小さいお店ながら天井は高めで開放感があります。

取材時のメニュー表

「2種あいがけ」1,350円に「レモンアチャール」150円をつけてオーダー。ご飯小盛りだと50円引きになるのもうれしいです。2種は高田馬場時代から人気のスパイスチキンカレーとネパール山椒ポークキーマカレーを選択。

「2種あいがけ」に「レモンアチャール」を追加

チキンはスパイスカレー慣れしていない一般層からスパイス料理ばかり食べているマニアにまで幅広く受け入れられそうな安定感ある仕上がり。

写真左側がネパール山椒ポークキーマカレー、右側がスパイスチキンカレー

キーマはティムールペッパーを使ったフルーティな刺激が心地よく、ジューシーな豚ひき肉を重く感じさせない着地点が見事。どちらのカレーもどことなく洋食感があるのはビストロ出身シェフだからこそでしょう。

「レモンアチャール」

レモンアチャールはレモンの程よい酸味とほのかな苦みがそれぞれの味の輪郭を立たせる役割を果たすトッピングです。

トロトロ豚バラのポークビンダルーとスパイスチキンカレーのあいがけ

ポークビンダルー(通常価格+100円)も同様で、万人受けしつつマニアにも納得できる味になっているのはシェフのセンスがあってこそ。特に酸味好きにはたまりません。

「アイスマサラチャイ」

「アイスマサラチャイ」300円は甘み無し、ガムシロップと一緒に提供。爽やかなテイストで食後の満足感をさらに高めてくれます。

僕も本業はミュージシャンなので音の帯域のバランスをどう取るかが重要だと常々考えているのですが、Tocaのシェフもミュージシャンだからこそ、音域のバランスを取るような感覚で味のバランスを整えているように感じます。ミュージシャンにカレーシェフが多いのはその作り方の感覚が似ているとよく言われるからですが、Tocaのシェフもまさにミュージシャンならではのセンスをカレー作りに活かしている方です。

オープンからしばらくはカレーのみですが、慣れてきたら高田馬場時代と同じように、ディナータイムにはスパイス料理とワインの提供も考えているとのこと。今後にもますます期待が高まる新店舗のオープンです!

※価格はすべて税込

撮影:カレーおじさん

文:カレーおじさん、食べログマガジン編集部