〈食べログ3.5以下のうまい店〉

巷では「おいしい店は食べログ3.5以上」なんて噂がまことしやかに流れているようだが、ちょっと待ったー！
食べログ3.5以上の店は全体の3%。つまり97%は3.5以下だ。
食べログでは口コミを独自の方法で集計して採点されるため、口コミ数が少なかったり、新しくオープンしたお店だったりすると「本当はおいしいのに点数は3.5に満たない」ことが十分あり得るのだ。

点数が上がってしまうと予約が取りにくくなることもあるので、むしろ食通こそ「3.5以下のうまい店」に注目し、今のうちにと楽しんでいるらしい。

そこで、グルメなあの人にお願いして、本当は教えたくない、とっておきの「3.5以下のうまい店」を紹介する本企画。今回は『焼肉の達人』の著者、小関尚紀さんが「コスパ、量、クオリティ、すべてがマンモス級！」と絶賛する新橋の焼肉店を紹介する。

教えてくれた人

小関尚紀
焼肉作家。お肉博士1級。MBA（経営学修士）。焼肉店には年間100店舗以上通い、焼き方を研究している。海外渡航60カ国。 焼肉好き伝説の番組 BS朝日『美女と焼肉』（2022年3月終了）の初期レギュラー。著書に『焼肉の達人』（ダイヤモンド社）、『世界一わかりやすい「ゲーム理論」の教科書』（KADOKAWA）、『「即判断」する人は、なぜ成功するのか？』（サンマーク出版）。

店名のインパクト絶大！ 新橋で見つけたコスパ抜群の焼肉店

東京を代表するビジネス街として知られる新橋。駅周辺は数多くの飲食店が並び、連日、一帯で働く人々で大いに賑わう。小関さん一押しの「焼肉男マンモス」があるのは、古くから飲み屋街として賑わう新橋西口通り。新橋で焼肉店を探していた際、店名に引かれて訪れたそう。

雑居ビルの前に佇む立て看板を目印に、エレベーターで2階へ。店に入ると、焼肉店としては珍しいカウンター席が目に飛び込む。店長の島田さんに聞くと、2021年6月のオープン当時はコロナ禍真っ只中で、ひとり焼肉の需要が高まると予想。カウンター席のあるテナントを探したのだとか。

「焼肉男マンモス」の母体は新橋で居酒屋を数店舗経営しており、焼肉店は初の試み。「お酒を出せない時期にも集客を期待できることが大きな理由でした」と島田さん。新橋はお酒の需要が高いことから、新鮮なホルモンを“売り”に。また、路面店ではないためSNSで集客するべく、写真映えするビジュアルも意識したと語る。
「マンモスのように強い店にしたい」という思いが込められた店名を掲げ、満を持してオープンするも思うように客足が伸びず、せっせとSNSでの拡散に励んだところ、インフルエンサーやユーチューバーが来店し、彼らの投稿をきっかけに少しずつ客足が増えていったという。

店名に偽りなし！ コスパ、量、クオリティ、すべてがマンモス級

小関さんのコメント然り、食べログでの口コミに共通するキーワードは「コスパの良さ」。「いいものを出せば絶対に勝てる」という信念から、自分たちが本当においしいと感じた、選りすぐりの肉とホルモンを取りそろえる。

特にこだわっている看板のタンは、USブランドの中でも最上級のアイオワをチョイス。タンとハラミ以外は、すべて黒毛和牛だ。コスパの秘訣について聞くと「かなりギリギリのところまで攻めてますね」と苦笑いを浮かべるも「いいお肉をリーズナブルに食べて欲しい。そんな思いでなんとかがんばってます！」と笑顔で宣言。

「実は僕自信、ホルモンはあまり得意じゃなかったんですけど……ここで働いて、本当にいいものはめちゃくちゃうまいんだ！とびっくり。だからこそ、並々ならぬ自信を持って売っています」と島田さんが熱弁するホルモンは、臭みを防ぐために、鮮度の管理と丁寧な仕込みを徹底。小関さん一押しのコース（5,980円〜）では、食べ放題だというから驚く。