サーモン好きにはたまらない! サーモンづくしな定食を発見

〈食べログ3.5以下のうまい店〉

巷では「おいしい店は食べログ3.5以上」なんて噂がまことしやかに流れているようだが、ちょっと待ったー! 食べログ3.5以上の店は全体の3%。つまり97%は3.5以下だ。

食べログは口コミを独自の方法で集計して採点されるため、口コミ数が少なかったり、新しくオープンしたお店だったりすると「本当はおいしいのに点数は3.5に満たない」ことが十分あり得るのだ。 点数が上がってしまうと予約が取りにくくなることもあるので、むしろ食通こそ「3.5以下のうまい店」に注目し、今のうちにと楽しんでいるらしい。

そこで、グルメなあの人にお願いして、まだまだ知られていないとっておきの「3.5以下のうまい店」を紹介する本企画。今回は、テレビ番組やWEBマガジンなどで宮城のグルメ情報を紹介する、『仙臺いろは』編集部が推薦。昼も夜も楽しめる割烹を教えてくれた。

教えてくれる人

仙臺いろは編集部

仙台放送(フジテレビ系列)で毎週火曜21:54〜情報番組『仙臺(せんだい)いろは』を放送するほか、宮城・東北に特化したグルメやおでかけ、エンタメ、ヘルスケアの最新情報をWEBマガジンとYouTubeで発信している。

鮎川浜出身の店主が営む割烹「あゆ川」

仙台駅から地下鉄南北線に乗って16分、泉中央駅から徒歩約5分の場所にある

繁華街から離れた場所にこそ、いい店あり。「あゆ川」もそんな一軒だ。駅近ながら、商業施設が並ぶメイン通りとは反対側にあり、ひっそり隠れ家の雰囲気が漂う。

仙臺いろはのテレビ番組で取材したことがあるそうで、「鮎川浜出身のご主人が、地場の食材にこだわった料理をリーズナブルに出してくれるお店です。特にランチは、ボリューム満点でコスパ良し!」と、担当スタッフが教えてくれた。食べログの点数は3.35だが、ランチは高評価。噂のランチとともに、口コミでは投稿が少ない夜のメニューもチェックしておきたい。

※点数は2022年2月時点のものです。

故郷より自ら仕入れてさばく鮮魚が自慢

店内は厨房を囲むカウンター席と、小上がりのテーブル4席

南光台で店を始めて20年、泉中央に移転して16年と、泉区で36年続くあゆ川。現在の店は16年も経ったとは思えないほどキレイで、厨房もピカピカに磨かれている。カウンター席では、この道約50年の職人技を目の前で見られるのも一興。

「漢字は違うけど、元プロ野球選手と同姓同名」と笑顔で話す、店主の斎藤祐喜さん

石巻・鮎川浜で漁師の家に生まれた斎藤さんは、16歳で料理の世界へ。そのきっかけは、意外にもテレビドラマの影響だったとか。仙台の天ぷら専門店や東京の日本料理店で腕を磨き、あゆ川をオープン。妻の恵美さんと二人で店を切り盛りしながら、定休日には水槽を載せた軽トラックを走らせ、鮎川浜の実家から獲れたての海の幸を仕入れている。

魚はすべて一匹まるごと仕入れ、斎藤さんが自らさばく

鮎川浜といえば、世界三大漁場の三陸・金華山沖に近い港町。魚の種類が多く、近年は「みやぎサーモン」で知られる銀鮭の養殖も盛んだ。「海も、魚を育てる人たちもいい。だから、いい魚が獲れる。私はそれを活かして料理をしているだけなんです」と話す斎藤さんだが、魚の個性を存分に活かす熟練の手さばきも見事。

 

仙臺いろは編集部

店内にはいけすがあり、中には斎藤さんが鮎川浜から連れてきた魚たちが! いけすから魚を選び、おまかせで料理を作っていただくこともできます。

口コミでも絶賛のフライ。うまさの秘密は切りたて、揚げたてにあった!

料理はすべて注文を受けてから作る。ランチも小鉢や味噌汁以外は作り置きをしない。揚げ物は注文ごとに魚を切って衣をつけ、揚げたてを食べさせてくれる斎藤さん。「できたてを食べてほしい」という料理人の心意気と、魚のうまい食べ方を知りつくした漁師のDNAを感じる。