【カレーおじさん \(^o^)/の今週のカレーとスパイス#32】「ヤムヤムカデー」
スリランカ料理というとちょっと前までは大阪が圧倒的にレベルが高く、東京はそれに比べると一歩遅れており、同じ関東なら茨城の方がレベルが高いという状況でしたが、最近では都内でもレベルの高いスリランカ料理店が増えてきました。白山駅近くにある「ヤムヤムカデー」もまさにそんなお店です。
スリランカ料理店を大きく分けると、塩気もスパイスも強いパンチのある、いわゆるレストラン料理を出すお店と、シンプルで優しいスパイス使いで塩気も控えめな家庭料理を出すお店の二つがあります。こちらのお店はそのどちらとも少し違う、塩気は控えめながらスパイス感はしっかりと立っている、凛々しく上品なスリランカ料理を味わうことができます。
カフェのような雰囲気のお店は外からの陽光もしっかりと入って明るいのが良いです。店頭にはスリランカ料理には欠かせないカラピンチャの鉢植えが並んでいて緑が目に優しく、温かみを感じる空間となっています。
スリランカカレーと副菜が4種のる「スリランカプレート」1,300円に、プラス400円でメインのカレーを追加した2種盛りでいただきました。カレーは日替わりで数種類あるのですが、その中からチキンカレーと、イカのココナッツカレーをセレクト。この日の副菜はキノコのテルダーラ(スリランカ料理で油炒めのこと)、ポルサンボーラ(ココナッツとスパイスのふりかけ)、パリップ(豆のカレー)、ピーマンのカレーの4種でした。
チキンカレーはサラサラのグレイビーにシンプルでシャープなスパイス使いが印象的。これだけ食べると引き算のおいしさなのですが、副菜と混ぜ合わせながら食べるとその引き算の意味がしっかりと理解できるでしょう。混ぜてこそ本領を発揮する味です。
イカのココナッツカレーもやはりシンプルなのですがこちらはやわらかいスパイス感。これも副菜と合わせて食べるとおいしさのレベルが一段階も二段階も上がってきます。副菜はどれも本格的なスリランカテイストなのですが、パリップがほかのお店と比べるとドライな仕上がりなのが印象的。しかし、サラッとしたグレイビーと合わせることを考えるとこれがベストな状態というわけです。よく考えられています。
食後にはデザートもつきます。ヨーグルトのキトゥルハニー(ヤシ蜜)がけ。スリランカ料理ですからこれに紅茶を合わせたいところですが、僕のおすすめは「ヤムヤムオリジナルブレンド」500円。
こちらは僕も大好きな「山田珈琲豆焙煎所」とヤムヤムカデーのコラボ的なコーヒーです。山田珈琲豆焙煎所と言えば、カレー好きなら知らぬ者はいない埼玉を代表する名店「ネゴンボ33」の姉妹店。スパイス料理に完璧に合うコーヒーなのです。ヤムヤムオリジナルはグァテマラを中心としたブレンドなのですが、苦味や酸味のいずれかに偏るわけではなく、非常にバランスの良い着地点。凛々しく上品に香ります。料理もコーヒーも凛々しく上品。それがヤムヤムカデーの個性であり魅力と言えるのではないでしょうか。
緊急事態宣言は解除となりましたが、まだまだ完全に元通りとはいかないので、営業の詳細についてはお店のSNSをしっかりチェックした上でご来店くださいとのこと。レストランとしてのみならず、料理教室も開催しているので、スリランカ料理に興味がある方は要チェックですよ!