骨董通りは、もはや珈琲通りと名を変えたほうがいいのじゃないかというリアル老婆心が芽生えるストリート

東京青山・骨董通りには、コーヒーショップが軒を連ねていて、もう珈琲通りと名を変えたほうが分かりやすいのではないかと思ったりする初夏の陽気、いかがお過ごしでしょうか。

 

蒸し暑い出勤途中に、一杯のアイスコーヒーを買う幸せは、なにものにも代えがたいもの。1分前比200%の幸せを噛み(飲み)締めながら、コーヒーのアロマに脳みそが解ける。

 

そんなコーヒーですが、毎朝決まってルーティーンな注文になりがちですよね? なりがちじゃないですか? 愛するものはルーティーンになりがちですよね? すごくがちだと思うんですよね。かくいう私もスターバックスではヴェンティ・アメリカーノ・ルームフォーミルクを15年飲み続けています。不必要な情報に加えて、しつこくなってきたところで、ルーティーンな方もそうじゃない方も、ちょっとおもしろいコーヒーショップがオープンしたので、ご紹介。

 

なにが面白いかというと、こちらメディア取材初(パチパチパチ)カフェ&レストランにして、日本初上陸のアメリカンプレスを導入した初めて尽くしのレストランなんです。

 

アメリカンプレスってなんぞ?という方でも、フレンチプレスという言葉を聞いたことがある方は多いかもしれません。挽いた豆を入れてお湯を注いだら4、5分待ちプランジャーを下げて出来上がり、というアレです。ところがこのアメリカンプレスはそんな悠長に待ってられない人用に開発された進化版フレンチプレスなんです。なんと待ち時間30秒! だれがどのようになにをどうしようが、均等に均一に美味しいコーヒーが出来上がるという、まさにあの獺祭のようなコーヒーなのです。

 

え? 獺祭? なんで突然、獺祭? ですよね、ですよね、ここで獺祭の説明をしてもいいですか……! よくないですか……!

 

します!

 

いま爆発的な人気を誇る獺祭を造っている旭酒造は、なにかしら色々あって、杜氏がひとりもいなくなってしまったんですね。そのときに現会長の桜井博志元社長が、杜氏も蔵人もいない中、だれでも美味しく作れるように、全てをマニュアル化して経験と勘に頼らない酒造りを目指したんです。だから今でも旭酒造には、杜氏も蔵人もいません。すべて社員が日本酒づくりを担っています。

 

こうしてデータに裏打ちされたマニュアルに沿って、造る人に左右されない日本酒が完成したのです、旭酒造の! 獺祭は!

 

バック・トゥ・アメリカンプレス。

そしてこちらの「Lounge 1908 cafe」は、日本初上陸のこのアメリカンプレスを導入し、誰がどのように淹れても美味しいコーヒーを実現しているのです。写真がプランジャーを押し切ったアメリカンプレス。

 

地下で丁寧に管理され、慎重に焙煎された豆を、

ディレクター 兼 統括マネージャー↓が、淹れてくれます。

「30秒後にプランジャーを下げてくださいね」

こうして完成したコーヒーは、バリスタいらずの(杜氏いらずの)コーヒー(日本酒)なのです!(シツコイ)

しかも700円でたっぷり3杯は飲めるので、だらだら原稿を書くもよし(コンセントが店内に11個あるし!)、だらだら打ち合わせするもよし(オープンエアが気持ちいいし!)、だらだら女子会するもよし(美女率高し!)、ここはなんというか、人間をダメにするカフェなのです。

【menu】

・エスプレッソ ¥300

・クイックブリュー ¥400

・アメリカーノ ¥450

・ラテ ¥650

・コールドブリュー ¥500

・ロハスビーンズプレミアム ¥700~←こちらがアメリカンプレスで淹れるコーヒー!

 

メニューはざっとこんな感じ。と、ここで、ロハスビーンズってなんぞ?とお気づきのあなた、鋭い! こちらのオーナーが元々在名古屋コロンビア共和国名誉領事で、コロンビアをずっと支援してこられた方。店名の“1908”もコロンビアと日本が国交を樹立した年で、コロンビアと日本のよりよい関係性の構築や持続可能な経済発展のために、文字通り、東奔西走してきたそうです。

 

そのなかでコロンビア産のコーヒーをOrganic(化学肥料不使用)で、Rainforest(レインフォレスト・アライアンスの認証)かつ、FairTrade(適正な価格で継続的に取引)なロハスビーンズ(C.I. LOHAS BEANS S.A.S.)として公平に取引し、日本に広める旗艦店として、「Lounge 1908 cafe」がオープンしたのです。

 

2階にはイタリアン・フレンチレストランも!

そしてそして、2階には1回目のデートにふさわしげな! イタリアン・フレンチレストランが!

 

1回目のデートでどこに連れて行くかというのはなかなか悩ましいチョイスですが、こちらも選択肢に入れておけばいざという時、活躍すること間違いなし。

 

まず初デートのお店選びは、味が良いのは当たり前、プラスαが必要です。

 

その点、骨董通り沿いという立地は合格だし、ディナーコース6500円という表参道価格はちょうどいい塩梅な上、ペアリングコースをつけてもプラス3500円。そしてコーヒー豆で煮込んだ牛ホホ肉などのメニューは既視感がなく、良い感じ。

 

海千山千の彼女でも満足させられそうです。

 

【Dinner course】

・アミューズ

・本日の前菜

・本日の一皿

・本日のパスタ

・魚料理 or 肉料理

・デザート

・ロハスビーンズコーヒー

(魚料理、肉料理両方チョイスした場合は¥7500)

ロハスビーンズコーヒーで香りづけした牛ホホの赤ワイン煮込み(¥2500)

オリーブオイルにもコーヒー豆が! 訂正、ロハスビーンズが!

 

もちろん仕事終わりの彼女と合流して、アラカルトをサクッとカウンターで、というのも可能です。

 

そしてこちら、実は朝ごはん(9:00-10:45)もスゴいんです。アボカドトースト(¥800)や、自家製グラノーラフルーツ(¥900)などを筆頭に、FAT MORNING(クロワッサンフレンチトースト)なるものが!

 

サックサクのシナモンシュガークロワッサンをフレンチトースト化するだけでは飽き足らず、その間にジューシーなキャラメリゼバナナを挟み込み、よせばいいのにパリッパリのベーコンまでイン! これみんな大好き、甘辛フードじゃないですか。あのメイプル風シロップが入った甘いパンケーキソーセージパティの甘じょっぱい朝マック状態ですね。

朝マックも表参道まで来ると、クロワッサンフレンチトースト、とオシャになるわけです。ちなみに店長が試行錯誤で甘いとショッパイの黄金比を開発。シナモンもたっぷりで、朝からフルチャージ感がスゴい。11時からはジェラート専門店のViTOのジェラートも提供するそう。

 

起き抜けのコーヒーから夜更けのコーヒーまで我々のコーヒーライフ総取りを目論む、欲深いニューオープンなレストランのご紹介でした!

 

文/鮓谷裕美子(食べログマガジン編集部)