あのラーメン凪が顔認証と定額制サービスを導入!

様々なジャンルの業界で広がりつつある「定額制サービス」。飲食業界にもその波は押し寄せている。「すごい煮干ラーメン」が人気の「ラーメン凪」では定額制サービスだけでなく顔認証も導入。その経緯を訊いた。

「ラーメン凪」と言えば、ラーメン業界に新しい風を巻き起こす存在として知られている人気店だ。そのラーメン凪が今度はなんと、ラーメン業界初の顔認証を導入! 顔認証を利用して、ラーメン食べ放題パスを始めたというのだ。それは一体どういうものなのか? なぜそんなことを始めたのか? その理由を探りに顔認証導入一号店の田町店へ向かった。

今回お話を伺ったのは、凪の各店のうち4店舗を管理するブロック長である山下直樹さん。

 

顔認証を始めたきっかけは、大宮店で実施しているシステムである「空飛ぶラーメン」だったという。「空飛ぶラーメン」はiPadで注文すると、自分の席までラーメンをレーンで運んでくれるというシステムだ。そこで導入したiPadを使ってさらに新しいことを始められないかと考えた末にひらめいたそう。

 

とにかく他ではやっていないような面白いことをやってみたいというのが凪の店主である生田智志さんの方針であり、その考えに賛同した多くの優秀なラーメン職人が凪に集まったそうだ。面白いと言っても、お客様が楽しんでお店に通いたくなるような仕掛けを練りに練った末に顔認証システムの導入となった。

顔認証に登録するにはどうすればいいのか? まずはお店の券売機の左上にあるiPadで「顔パス登録はこちらから」を選択。

その後、「食べ放題パス」を選択。現在選べるパスは、「ライトパス(1カ月・8,000円)」「プレミアムパス(3カ月・22,000円)」「タイムパス(3カ月14時〜22時限定・15,000円)」の3種類。

そしたらいよいよ顔認証。正面からと右30度、左30度の3つの角度で撮影。うまくいかなかった場合には撮り直しも可能だ。マスクや帽子は外して撮影するほうがいいそうだ。

その日に食べたいラーメンも一つ選択する。そして出てきた紙を店員に渡してお金を払ったらその日から食べ放題がスタート。一度登録が完了したら、同じ端末で「顔パス注文はこちらから」を選択すれば以降はお金を払わずにラーメンを注文することができるという仕組みだ。

食べ放題なのは4種類。この店の看板メニューである「すごい煮干ラーメン」。そして「塩煮干ラーメン」「うすい煮干ラーメン」「すごい煮干つけめん」。「すごい煮干ラーメン」はその名の通り、煮干を鮮烈に利かせた一杯だ。極端な幅広の麺である「いったん麺」の食感が楽しい。上にのったピリ辛のタレが味にアクセントを与えてくれる。

 

「食べ放題パス」の会員は今年から開始し毎月増え続け、早くも200〜300人になっているそうだ。現在このシステムを導入しているのは田町店だけだが、近日中に新宿の新店でも導入予定。いずれは全店に導入し、一度どこかのお店で登録した人は、他のどの店でも食べられるようにしたいとのこと。いち早く会員になって、“顔パス”による特別感を味わおう。

取材・文/小林孝充

写真/森山祐子