〈期間限定連載〉勝手にドラマ部！ペール A子の、そのタップをください

ドラマウォッチャーのライター、ペール A子。秋ドラマ戦線が盛り上がるなか、A子が毎週欠かさず“リアタイ”で観ているのが日本テレビで放映中の『獣になれない私たち』。ドラマのなかで頻繁に登場し、ときにキモとなるのが架空のビアバー「5tap」および、クラフトビール。自身もクラフトビールをこよなく愛するA子が、ドラマの極私的感想を織り交ぜ、クラフトビールを楽しむための“ソリューション”（マルシー亜希子さん by ギボムス）を提案します！

Vol.3 「もどかしくって、立ち飲みタップ10！」はこちら＞

Vol.2 「黒ビールとともに、“ブラック黒木華”が動きだした！」はこちら＞

Vol.1 「野木亜紀子さんと新垣結衣さんによる、至高のマリアージュ」はこちら＞

※ネタバレを含む可能性があります

Vol.4 ふたりのキューピッド!?パワハラ社長のもうひとつの顔

ついに最終回を迎えるけもなれこと、「獣になれない私たち」。先週は、晶（新垣結衣）と恒星（松田龍平）が、ついに結ばれました（←古い!?）。12月5日に放映された第9話ではふたりの愛を確かめあうように抱き合い……といった前向きなロマンティックムードではなく、互いの傷をなめあうような切ない一夜で、なんだかとっても消化不良。演じているふたりはそれはもう、とても美しく目の保養にはなりましたが。

「会社で吠えた」という晶を抱きしめる恒星。いろんな要因が重なったからだと思いますが、ふたりが肌を重ねる契機となった最大のきっかけは、晶が勤める会社のパワハラ社長こと九十九。

その日、会社でついに堪忍袋の緒が切れた晶。社長に強い口調で問いただすも「お前がいなくても会社はどうにでもなる。辞めればいい」といわれ、“最終兵器”として懐に忍ばせておいた「退職願」の無力さを知り愕然とします。ここは、ガッキーファンならずとも、社長に対して苛立ちや怒りがマックスに達した人も多かったと察します。

ちなみにこの社長を演じているのは、個性派俳優の山内圭哉さん。奇しくも、現在NHKで再放送中の「あさが来た」でも、重要な役どころで登場しています。

山内さんが演じるのは、主人公が嫁いだ両替屋（今でいう銀行ですね）の大番頭・雁助。同じく主人公の付き人で女中のうめ（友近）とのロマンスが、それはもう切なくて艶っぽくてやるせなくて、涙無しには見られない仕上がり。身分などお互いが立たされた立場に時代的要素も加わり、それこそ“獣になれない”ふたりのとてもとてもセンチメンタルなラブストーリーが繰り広げられます。

その人気はオンエア時も高く、すでにご存じの人もいると思いますが、「五代ロス」に続き「雁助ロス」という言葉も生まれたほど、愛されキャラだったのです。

最終回を迎え、“けもなれロス”になった人はもちろん、“九十九ロス”になりそうな人も、パワハラ社長のもうひとつの物語（!?）を楽しむのに、ぜひ視聴をおすすめします。