出世ごはん

デキるビジネスパーソンはこんなお店で食べている! 元銀座のホステス&開運アドバイザーの藤島佑雪が、かつての同伴その他の経験から見極めた「出世する店」を「おいしい理由」とともにご紹介!

No.23 お宝があるのは最先端じゃない?レトロな牛タン専門店

牡舌亭

こないだ、引きこもってずーっとドラマ「北の国から」を観てたんですよ。昔、観たっきりだったのを改めて。いや、こんなに暗くて悲惨な内容だと思ってなかったし。え、みんなそんなに不倫してたわけ?みたいな感じでびっくり。大人になると話の意味もわかるし、行間も読めるようになるから、昔観た映画、読んだ本の印象がガラリと変わっちゃうんですよね。でも、そんな風にずっと前に見聞きしたり、体験したりしたことから、新しい発想が生まれることも結構あるんですよね。で、それが新規事業につながって、出世への道筋が開けることは人生において少なくない。

 

「牡舌亭」さんは先日、初めて伺ったんですが、民芸調で統一された世界観のすべてにどこか懐かしいようなデジャヴ感があって、「昔、こう思ってたのって、実はこうだったんだ〜」的な発見がいくつかありました。

出典:nenza-bさん

 

まずね、入口の置き看板。行灯のモチーフが滝平二郎先生による名作絵本「モチモチの木」の切り絵みたいなんですよね。小さい頃、家にあったから当たり前で、特にどうとも思ってなかったけど、70年代にムーブメントを起こした民芸運動の流れを汲んだ美しさがあって、そうか「モチモチの木」ってそうなんだ〜とか。玄関前に並んだ信楽焼のたぬき2体も、思春期くらいから「ダサい」ってバカにしてたけど、これも民芸じゃん! あり! むしろ、うちに連れて帰りたくなるほど、かわいく思えたりして、新鮮な気持ちになれたんです。お店の中も日本各地の民芸品(木彫り多め)が飾られたりして、すごくいい感じ。中学の時に「いらない」と見向きもしなかった、素朴なおみやげに、こんなに味があるなんて。わたくし、大人になってよかったです。

出典:Babboさん

 

こちらは牛タン料理の専門店。炭火で炙った「たん焼」や「たん味噌漬」など、絶品タンメニューが揃っているんですが、「タンシチュー」も「タンカレー」もなんていうか、子供の頃に食べたような懐かしげな味わいを残しつつ、大人の解釈を加えてグーンと洗練させたような仕上がりで、お皿ごと舐めまわしたいほど美味。

出典:のぼさん

出典:hinar1122さん

 

料理長さんは別にフランスでも北欧でも修業されてませんし、キラキラした今どきのお店でもありません。でもね、だからこそ最先端のレストランから受けるのとはまた違う、刺激があるんですよね。70年代にタイムトリップしたようなお店を、21世紀の目で見ると新しい発見があるという。こういうの、温故知新っていうんでしょうか。今、CDが衰退して、なんとレコードが盛り返してるとも聞きますし、前ばっかり見てないで、実は後ろにお宝がある。そんなことにも気づくことができると、出世の道が開けるのかななんて、思っちゃうんですよね。