目次
〈芸人ごはん〉
おいしいごはんは、芸の糧。下積み時代の支えとなったあの味、ハレの日に奮発した贅沢メニュー、先輩に連れられ後輩を連れて行ったお店……。人気芸人が教えてくれた、“ここぞ”というお店を思い出とともに紹介。
第3回 トータルテンボス
街ロケ、食レポ、自身らの全国漫才ツアーと、日本各地の様々なおいしいものを味わっているトータルテンボス。ルミネtheよしもとでのステージ後、おなかぺこぺこ状態のふたりがノンストップで語る、楽しくておいしい“もう一度食べたい芸人ごはん”。古今東西のおいしい店が大集結したスペシャルトークを楽しんで!
食いしん坊ふたりの、“おいしいの見つけ方”&グルメ嗜好
しっかり食べたい大村さんと、お酒を飲みながらつまみたい藤田さん。食事の目的は違えど、おいしい店を見つけるアンテナは、同じところに反応している!?
“昔ながらの佇まいの店”と思ったら、のぞいてみる価値あり

食べログマガジン編集部
おふたりが、「入ってみたい!」と思うお店はどんなところが多いですか?

大村さん
古くから店を構えているような、昔ながらの佇まいのお店です。長い間営業し続けているというのは、それだけその店の味を愛しているお客さんがたくさんいるからだと思うので。

藤田さん
そうだね。僕も、最近よりそう感じるようになりました。以前は、古めかしい店は入らないでいたけど、何かのタイミングで入ったとき「うまい! なんで今まで入らなかった!」という店が立て続けにあって。なので最近は、「昔ながらの佇まいだ」と思った店ほど行くようになりました。

食べログマガジン編集部
ふたりの食の好みは一緒なんですか?

大村さん
そこは違います。僕は食事を楽しみたいから、ごはんがきちんと食べられる店を選びます。藤田は、酒好きなせいか珍味を好む癖あるからな。

藤田さん
そう。僕のメインは酒だから(笑)。酒を飲みながら、アテ的なものを食べたい。

大村さん
僕は酒を中心に考えてなくて、ちゃんとごはん的なものを食べて、そこにお酒もあればいいって感じ。好きなのも、ハンバーグとかスパゲティとか、“子どもが大好きなもの”ばかりなんです(笑)。

食べログマガジン編集部
ハンバーグは、大人になっても好きな人、多いですよね。では、藤田さんの好きな「珍味」とは?

藤田さん
例えば、白子とか、肝とか……。通な感じがするもの。大村と逆で、子どもが苦手なものが好きなんですよ(笑)。
食がキューピッドに? 妻との思い出ごはん
デートの、大事な時間の一つが食。家族思い・妻思いなふたりの、奥様とのハッピーな思い出レストランとは?
深夜に通った、京王線幡ヶ谷駅近くの牛タン「萬月」(大村さん)


食べログマガジン編集部
ここも、“昔ながらの佇まいの店”なんですか?

大村さん
そうです。20年前くらいに行っていました。当時僕がキャバクラのボーイをしていて、妻はその店のキャストで。仕事が終わってから一緒に行って、愛を育んでいましたね(笑)。

食べログマガジン編集部
深夜のディナーデートですね。

大村さん
店長が気まぐれで、機嫌がいいときしか店を開けないんですよ。なのにいつも超満員とくれば、これはもう、めちゃくちゃおいしいからでしかないでしょ! 牛タンとタンシチューが、最高にうまかったな。
妻が苦手なレバーを克服できた「こうざん」(藤田さん)


食べログマガジン編集部
焼鳥ディナーとは、渋いですね。奥様が焼鳥好きだったんですか?

藤田さん
妻とは青森と東京で遠距離恋愛をしていて、彼女が東京に遊びにきたとき、僕が気に入っていたこの店に連れて行きました。僕はここの鳥レバーが大好きだったけど、彼女はレバーが食べられなかった。でも、試しにと食べてみたら、「今までのレバーはなんだったの!?」となり、そこからめちゃめちゃレバー好きになった、という店です。

大村さん
藤田の子ども達も、好き嫌いなくなんでもよく食べるよな。

藤田さん
うちの子たちは、子どもが苦手と言われるような食べ物も、全部食べられると思いますよ。 妻も昔は食が細かったけど、今はすごく食べる。僕と出会ってからめちゃくちゃ太ったし。

大村さん
コメントしづらいわ!(笑)
雰囲気よりも味重視の「鳥金」(藤田さん)


藤田さん
焼鳥といえば、もう一軒、思い出の店がありました。炭火焼(備長炭)の宮崎地鶏を食べられる「鳥金」です。12年前くらいに、仕事の土産で、宮崎地鶏の炭焼きの真空パックを買って帰ったら、それをすごく気に入った。ならば東京で食べられるところないかなと、いろいろ探して行ったのがここ。すごくうまくて、妻も喜んでました。

食べログマガジン編集部
ふたりで“おいしい”をわかちあえるなんて、素敵ですね。

藤田さん
すごく喜んでくれて、このときもたくさん食べてました。ただ、ここも昔からある“味のある”店構えで、当時は客の9割がおっちゃん。すごくおいしかったけど、ロマンティックってよりも、素直に「うまい!」という思い出ですね。
無性に食べたくなる、地元の静岡グルメ
海と山の幸の両方を味わえる静岡。同県出身のふたりに、ふとしたときに食べたくなる地元料理を紹介してもらいました。
新鮮な旬の味がたまらない「田子の浦港 漁協食堂」


食べログマガジン編集部
地元・静岡に帰ったとき、絶対に食べたくなるメニューはなんですか?

藤田さん
僕は絶対これです。「田子の浦港 漁協食堂」の、山盛りの生しらすと釜揚げしらすにの間に卵の黄身がのっている丼物。しらすが豪快に盛られているので、「富士山盛り」っていうんですよ。

大村さん
生しらすは最高だよね。ここは田子の浦漁港の中にあって、海を感じながら食べられるのでシチュエーションもいいんです。

藤田さん
ここのしらすは日本で一番うまいと思う! 二艘曳きという方法で漁をするので、しらすが傷つきにくくて、いい状態で食べられるそうです。

“静岡の鰻”といえばココ「八百徳(やおとく)本店」


食べログマガジン編集部
静岡といえば、うなぎも有名ですね。

大村さん
うなぎは、関西風も関東風も大好き。実はこの店に行ったとき、ロケであちこち回った後でお腹がいっぱいで普通なら絶対何も食べられないような状態でしたが、それでも「これはうまい!」と思えて食べられました。

藤田さん
覚えてるよ! おひつに入ってて、かなりボリュームもあったよな。うん、あれは、確かにおいしかったなぁ。
ブレイク前夜のスイーツ「Cheese Pige」


食べログマガジン編集部
スイーツ大好きな大村さん。静岡スイーツでおすすめは?

大村さん
静岡は、甘いものの宝庫。有名どころも多くて迷いますねー。

藤田さん
ほらあれ、あれとかいいんじゃない? ふたりで食べた……焼津の……。チーズ好きな女の子3人で始めたっていう……。

大村さん
ああ! クッキーチーズサンド! しっとりしたクッキーにクリームチーズをサンドしていて、手作りの優しい甘さがたまらないんです。お取り寄せ不可で、もともと焼津の店か、静岡市の百貨店に行かないと買えなかったんですけど、最近、福岡、名古屋にも初出店したみたいですよ。

藤田さん
いろんなクリームの味があったよね。僕が食べた「ハチミツブラック」もおいしかったんだけど、本当は大村が食べてた「濃厚バニラ」を食べたかったんだよなぁ。

全国ツアー中に見つけたフルーツ山盛りパフェ「フルーツ&カフェ ハマツ」


大村さん
もう一軒、スイーツ系を紹介してもいいですか。長崎で食べたパフェなんですけど。

藤田さん
あ〜〜〜! あれね、あれは鬼だったよ(笑)。

大村さん
「フルーツ&カフェ ハマツ」ってお店で。ここのパフェはぜひみなさんにも食べてもらいたい! まずね、使用しているナガノパープルっていうぶどうがめちゃくちゃうまい。種無しで皮ごと食べられて、みずみずしくて、甘くて、味が濃くて、歯ごたえがいい。それがぎっしり飾られていて、中にカットした果肉も入っていて、最後までずっとおいしい!

藤田さん
食べたパフェは2,000円くらいしたので、最初は「たっけーな」と思ったけど、食べたら「その価値余裕であるな」と思いましたね。青果店がやっているパーラーなので、パフェだけじゃなく、他のフルーツを使ったメニューもおいしそうだった。

大村さん
フルーツのサンドウィッチとかうまそうだったんだよねー。

藤田さん
あれは、間違いないやつだね!
社員さん、その節はご馳走になりました!
M1決起会前夜の晩餐

大村さん
ご馳走になった思い出といえば、“あのとき”かな。

藤田さん
そうだね、Kさんとの思い出。汐留の「焼肉トラジ」だね。


大村さん
吉本の、タレントマネジメント部で若手班のボスをしていたKさん。2004年に、僕ら、タカトシさん、ボイズンガールバンドの3組を誘って、M-1出場の決起集会を開いてくれました。

藤田さん
みんな若かったから肉の相場なんて知らないし、いい感じの肉をバンバン頼んでて。Kさんも「ええよ、頼め、頼め」とか言ってくれて。で、お会計になって、Kさんが「みんなは先行っといて」と払ってくれてるのを何気に見たら、びっくりする金額でさ。

大村さん
調子にのって高いメニューばかり頼んだから、予想をはるかに超えた金額だった。ぶっちゃけ、最初は会社の経費だろうと思ってたんですが、よくよく考えたら、「これ経費じゃ無理だな」と。Kさんが個人的に僕らを応援してくれて、ご馳走してくれたんだと気づきました。本当に悪いことしたなーと。


大村さん
その上、そのメンバー全員、誰も最終決戦に残れないという。さらに悪いことしたなっていうオチで(笑)。

藤田さん
そのときも今でも、心から、「ありがとう!」と思っています!

INFORMATION
トータルテンボス全国漫才ツアー2019 「CHATSUMI」を開催します!
漫才と「いたずら」VTRで構成する、トータルテンボス毎年恒例の全国ツアー。ツアータイトルの『CHATSUMI』=茶摘みには、静岡出身の彼らが、芸歴21年の間で育て上げてきた漫才のスキルを、丁寧に摘み取っていこうという意味が込められているそうです。
「漫才と漫才の間に、僕が藤田に仕掛ける『いたずら』VTRが流れます。当初は僕たちの着替え中のつなぎでしたが、いつしか漫才の笑い声を凌駕するほどの大きな笑い声が聞こえて来るように。もしかすると『いたずら』の方を見にきているお客さんの方が多いのかもしれませんが(笑)、ぜひ漫才の方も楽しんでください」(大村)。
「毎回あの手この手で『いたずら』を仕掛けてくるんで、びっくりはしますけど、それより『大村、よく頑張ったな』と感心しています。今年の『いたずら』も、大村がめちゃくちゃ頑張っているんで楽しみにしてください!」(藤田)
11月9日(土)18:45開場 19:00開演 沖縄・よしもと沖縄花月
11月15日(金)18:30開場 19:00開演 愛知・日本特殊陶業市民会館 ビレッジホール
11月16日(土)17:30開場 18:00開演 石川・石川県立音楽堂 邦楽ホール
11月17日(日)16:30開場 17:00開演 宮城・電力ホール
11月24日(日)18:00開場 18:30開演 福岡・JR九州ホール
12月1日(日)16:30開場 17:00開演 静岡・しずぎんホール ユーフォニア
12月8日(日)18:40開場 19:00開演 大阪・なんばグランド花月
12月14日(土)16:00開場 17:00開演 東京・よみうりホール
料金:前売3,800円 当日4,300円
*DVD『トータルテンボス全国漫才ツアー2018 いきなりミックスベジタブル』を各会場で発売。昨年の「いたずら」VTRも収録。
問い合わせ:チケットよしもと予約問い合わせダイヤル Tel. 0570-550-100
PROFILE

トータルテンボス
大村朋宏(1975年4月3日 静岡県出身)と藤田憲右(1975年12月30日 静岡県出身)で、1998年4月にコンビ結成。2008年、NHKお笑い番組『第10回爆笑オンエアバトル チャンピオン大会』で優勝、続く2009年、2010年も優勝し、番組史上初の三連覇を飾る。2007年のM-1グランプリでは、準優勝に。
取材・文:神山典子
撮影:Kobayashiworld