【食べペディア】古くから日本人に親しまれてきた稀有な酒『どぶろく』

写真:食べログマガジン編集部

 

「どぶろく」とは、日本酒造りの工程でできる「醪(もろみ)」を濾さずに作る、濁った酒のこと。醪を濾し、個体と液体に分けた透明なものは「清酒」、どぶろくは「その他醸造酒」と分類される。つまり、どぶろくは厳密には日本酒ではないのだ。また、漢字では、「濁酒・濁醪」などと表記する。よく似た見た目の「濁り酒」は、醪を粗ごししたもので、清酒に分類される。

 

どぶろくは元々、密造酒だったといわれている。明治以降、値段が高く庶民にとっては高嶺の花だった清酒をどうしても飲みたいという人たちが、税務署に隠れて作り出したのがどぶろくで、国と庶民との間に様々なバトルが繰り広げられてきたという歴史的に見ても興味深い酒なのである。現在は、地域振興を目的とした「どぶろく特区」が設けられ、広く愛される公認の酒となっている。

 

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