〈New Open News〉
毎日、たくさんの新しいお店が登録されている「食べログ」。そんな「食べログ」のデータベースの中でも、オープン早々、高い評価の口コミがあったり、多くの「保存」をされたりしている『注目のお店』を食いしん坊ライターが紹介します。早くもお店に訪問した食べログレビュアーのコメントも掲載!
L’inconnu(東京・恵比寿)

2026年9月、恵比寿駅から徒歩9分ほどの場所に、フランス料理の技法をベースに、自由な発想で仕立てるコース料理とワインを楽しめる「L’inconnu(ランコニュ)」がオープンしました。店名の「L’inconnu」は、フランス語で「未知のもの」「無名」を意味する言葉。未知のものを“ワクワクするもの”と捉え、レストランを訪れる前から始まる期待感も含めて「日常の枠を超えたプチ贅沢」を楽しんでもらいたいという思いが込められています。
一方で“無名”という言葉には、誰もが最初は何も知られていないところからスタートするという意味も。常に初心に立ち返り、謙虚な気持ちを忘れずにいたいという、店主の思いも店名に重ねています。
店主兼シェフを務めるのは、鹿児島県出身の川床稔氏。地元で料理人としての下積みを経験した後、26歳で上京。都内のレストランで経験を積み、30歳で渡仏しました。約1年間のフランス滞在中には「Qui plume la lune」や「Maison Rostang」などで研鑽を積み、帰国後も恵比寿「H(現・H1)」のレストラン立ち上げなど、さまざまな現場に携わってきました。その後、レストラン「アーティショー」の姉妹店であるワインバー「plate」では、シェフ兼店長を務めながらソムリエ資格も取得。そこでランチ営業を間借りする形で「L’inconnu」をスタート。約3年間営業を続けた後、縁あって店舗の造作を譲り受けることになり、内装を一新。念願の独立店として新たに「L’inconnu」をオープンしました。

場所に選んだのは、恵比寿・広尾エリアの中でも比較的静かな一角。喧騒から少し離れた落ち着いた立地を生かし、知る人ぞ知る隠れ家のようなレストランを目指しているそう。店内は8席のみ。フラットなカウンターキッチンを中心としたつくりで、シェフが目の前で料理を仕上げ、盛り付けていく様子を間近で楽しめます。まるで舞台を眺めるような臨場感も、この店ならではの魅力。空間の随所に曲線を取り入れることで柔らかな印象を演出し、ゆっくりと食事に向き合える落ち着いた空間に仕上げています。
料理は「季節のおまかせコース」13,500円のみ。季節ごとに移り変わる食材を、その時季ならではの表情で仕立て、五感で季節を感じられるような料理を届けています。

コースの1皿目に登場するのが「毛蟹 ファーブルトンサレ」。北海道産の毛蟹を蒸してほぐし、合わせるのはブルターニュ地方の郷土菓子、ファーブルトンを塩味に仕立てた「ファーブルトン・サレ」。チーズを練り込むことで、表面は香ばしく、中はむっちりとした独特の食感に仕上げています。さらに上には、蟹味噌を練り込んだチュイルを添え、食感のアクセントに。食前酒のシャンパーニュとともに味わいたい、小ぶりながら印象に残る一品です。

前菜の「アオリイカ きゅうり キャビア」も、素材の組み合わせが楽しい一皿。熊本県天草から届くアオリイカを、ねっとりとした甘みが引き立つよう薄くスライスし、きゅうりと合わせています。酸味のあるベビーきゅうりとキャビアの塩味をアクセントに、ディルのオイルや、わさびのヴィネグレットソースを添えることで、ハーブの香りと清涼感をプラス。きゅうりの青々しさを生かしながら、味わいをきれいにまとめています。

その後も、「秋刀魚 ジロール茸 茄子」や「志筑鴨」など、季節の食材を自由な発想で組み合わせた料理が続きます。次はどんな一皿が登場するのか──。そんな期待感を抱きながら料理を待つ時間も楽しみのひとつです。
料理に合わせた「ワインペアリング」9,000円も用意。フランスワインを中心に、世界各国からその料理に合うものをセレクトし、一皿一皿をさらに引き立てます。食前酒のシャンパーニュから始まり、料理とワインが織りなす味わいの変化を楽しめるのも魅力。
1人のシェフが料理からサービスまでを担う8席の小さなレストランだからこそ、一皿ごとに込められたアイデアや、目の前で料理が完成していく瞬間まで含めて楽しめる「L’inconnu」。未知なるものに出会うワクワクを求めて、日常から少し離れた特別な時間を過ごしに、足を運んでみてはいかがでしょうか。
食べログレビュアーのコメント

『志筑鴨
茨城県のシヅクカモです。
じっくり火入れしてカモのジュ(ソース)をかけてあります。
モモ肉をコンフィにしてからクロケットにして、
下には根セロリのソースです。
これがうんまい!!
柔らかくてすごく濃厚で噛めば噛むほど旨味と血の香りが溢れます!!
赤ワインとのマリアージュも最高っすね
クロケットも衣はサクサクと軽く、
中はホクホクで優しい旨味です。
根セロリのソースとの相性も最高です!!』(中崎 健二さん)
※価格は税込・サービス料別


