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先代の味を引き継ぐ極上の洋食を心ゆくまで楽しみたい
マッキーさんが「また食べたい」と切望したチキンバスケット
そんな「銀座キャンドル」の看板料理といえば「チキンバスケット」。その味を再現したのが「元祖‼ 世の中で一番美味しいと言われるチキンバスケット」である。
「レシピは全く変えていません」と岩本さんは言うが、鶏肉、パン粉、調味料、油と改めて厳選し、磨きをかけている。かぶりつけばカリカリッと細かなパン粉の軽やかさがあり、ジューシーな胸肉の香りとうまみがさく裂する。軽やかさの秘訣は揚げる油の鮮度にこだわること。常に新鮮な油で揚げ、うまみの強いしらしめ油を使うことでコクも出るという。
実はつけあわせのポテトも王道の人気メニューだ。決め手は初代の店舗からの直伝という、バターで最後に炒める手法。この店では、贅沢にもフランス産のエシレバターを使っているので、ほくほくで香ばしい香りと味わいが格別だ。
マッキーさん
かつて三島由紀夫や川端康成、渥美清や越路吹雪といった有名人が、モダンな料理として愛した味をぜひ。胸肉の加熱具合が絶妙で、外は細かいパン粉でカリッと軽やかに、中はしっとりとして肉汁が流れ出す。
シンプルな見た目だがライスにひねりのあるオムライス
オムライスもまたここならではのこだわりが詰まっている。素朴なビジュアルだが、スプーンを入れると中のライスが黒いのに驚いた。チキンライスではなく、デミグラスソースで炒めたライスが包まれているのだ。丁寧に仕込んだデミグラスの隠し味は日本の赤酒で、こってりではなく優しくまろやかな風味を与えている。それが卵の優しい甘さと溶け合うとなんともいえない口福を呼ぶのだ。
マッキーさん
デミグラスソースのチキンライスと薄焼き卵。濃すぎることなく、うまみだけをきれいに米にまとわせて、実に良い。上にかけるのはケチャップがおすすめ。
エシレバターをふんだんに使用したグラタン
ココットの中にたっぷりのマカロニと海老が詰まったグラタンもぜひ味わいたい。当時のレシピそのままに作っているがワンポイント変えたものがある。それがバターだという。ポテトと同じくエシレバターをふんだんに使っているのだ。
海外在住時にエシレバターで作ってみたところ、格段においしくできたことが転機となったという。くどさがなく、さらりとしていて香りが良いエシレバターを贅沢に使うことで、絶品と称された初代の店のマカロニグラタンを超える味が誕生したのだ。
マッキーさん
ホワイトソースのゆるさ加減、塩加減の品が良く、見事にまとまっている。
10年の時を経て復活を果たした銀座の老舗の味。ここでは時代に合わせつつも無闇にレシピを変えることなく、初代の味がきちんと守られている。単品でも食べられるが、少しずつさまざまな料理が組み込まれたコースも人気だ。かつての思い出の味との再会を求めて、文化人や美食家が集まる新たな大人のサロンの誕生だ。
※価格はすべて税込