食通が見いだした、今月の新店

新しいお店がどんどん出店し、ますますの盛り上がりを見せる飲食業界。「気になる店が多すぎてどこの店に行ったらいいかわからない!」という人も多いのではないでしょうか。

そこで、グルメ情報に精通している方々に、最近訪れた新店に関するアンケートを実施。特に注目している「今月の新店」について教えていただきました。

今回は、フードパブリシストの高橋綾子さんにお答えいただきます。

教えてくれる人

高橋 綾子
フードパブリシスト。国内外ファッションブランドのプレスとして従事した中で肥えた“食”へのこだわりは、その後の素晴らしい人々との出会いと相まっていつしか人生そのものに。その間に培った食のデータと人脈を武器に“喜ばれるレストラン”の発掘に勤しむ日々。おいしいものしか喉を通らない不思議体質。

今月のベストワン

Q. 直近で行った新店の中で、特におすすめしたいお店を教えてください

A. 「hakbo」です

ごはんがおいしいミュージック酒場と聞いておもしろそう!と興味津々で予約しました。「ここ道ですか?」と思わせるビルとビルの隙間道を抜けると赤坂見附駅から徒歩30秒という近さにも驚きましたが、エレベーターの扉が開くと一瞬にしてその世界観に引き込まれます。

写真:お店から

正面のDJブースを囲むようにカウンターやテーブル席、ソファー席があり、いる場所によって雰囲気が異なりますが、どの席の人も居心地が良さそうなのはお店の采配が素晴らしいからだと思います。オールジャンルという音楽は居合わせたゲストに合わせていると思われ、私がいた時は70〜90年代の歌謡曲で全員“どハマり”していました。

写真:お店から

そして、お料理とお酒も本当にツボで「ハモンイベリコ生ハム原木カット」(2,600円)、「季節根菜いぶりがっこ白和え」(580円)、「カブ・海老のたたき餡」(900円)、「トロトロ牛スジゴボウ味噌赤ワイン煮」や、「全国豆腐品評会」で最優秀賞を受賞した湯河原「十二庵」から週に1度だけ入荷する「青大豆とうふ」(650円)と「汲み上げ湯葉」(680円)、わさび漬けやカラメライズドオニオンを挟んだ変わりサンドイッチや、ハモンイベリコを白飯の上にのせた「ハモンイベリコごはん」(880円)や「高知しらすバターごはん」(850円)といった〆ものなど、どれも酒飲みが泣いて喜ぶものばかり。しかも衝撃的においしい! ドリンクもひれ酒さながらの「炙りしらす酒」(1,150円)や「ハモンセラーノ酒」、「サッポロ赤星」といったツウ好みからゆずやすだちのフルーツサワーまで万人ウケするラインアップ。「自家焙煎ほうじ茶サワー」を頼むとお店がいい香りに包まれ、帰りたくなくなります。心地よい音楽、ここにしかないお料理とお酒、ホスピタリティあふれる接客、おまけにリーズナブルで駅近なんて、間違いなく行きつけにすべきお店です。

Q. 「hakbo」でおすすめしたいメニューを教えてください

A. 「カオマンガイ」(780円)です

assaggio
カオマンガイ   出典:assaggioさん

元海南鶏飯レストランの経営者がこのお店のオーナーだけあって「カオマンガイ」はちょっとそこら辺のものとは格が違います。鶏肉はしっとりとやわらかく、自家製タレにはタイの味噌「タオチオ」を使い「こうきたか!」とうならせます。常連になると好みでパクチーはどっさりのせられるし、小ぶりサイズは〆ごはんにぴったり。もうこれだけでも来る価値があります。こちらはふらっと来店できるように予約で満席にしないので、「カオマンガイ」とドリンクで立ち寄れるのもうれしい。

※価格は税込。

※アンケート内容をもとに、料理名・金額を掲載しています。最新の情報はお店にご確認ください。

文:高橋綾子、食べログマガジン編集部