休日課長さんこだわりの食し方とは?
「鴨汁そばにはせいろを合わせる」という休日課長さんのチョイスを2代目に伝えると「僕もそうですね、鴨汁にはせいろ派です」と意見が合致。


休日課長さん
まず、お水はそばを食べている間は手をつけません。薬味も最初は手をつけず、まずはつゆをひと舐め。その後そばとつゆを絡めいただき、複雑な風味が溶け出したつゆとそばの風味を堪能します。鴨、ナス、きのこはいつもその日の気分のタイミングで。薬味のネギは麺が半分くらいになってから徐々に散らしていただきます。
温かいつけ汁にせいろをくぐらせズズッといただくと、鴨肉の野性味溢れる強いうまみと鰹出汁の香りが見事に調和。つけ汁の存在感に負けじと、咀嚼するとそばの香りも追いかけてくる。味は濃いのに角がなく食べやすく、そのおいしさに箸を口へ運ぶテンポが思わず早くなってしまう。


休日課長さん
鴨がしっとりとしていて味も良く、またナスの切り方やきのこの分量など、すべてがいい塩梅で、非常に完成された一品だなと感じます。鰹の深い味わいを感じる、辛すぎず甘すぎず、よく練れた味わいのつゆ。口に含めば、このつゆを軸に、溶け出したナス、きのこ、鴨の風味が豊かに広がります。


休日課長さん
そばがなくなったら、薬味の大根おろしをすべて、ワサビを少し入れてそば湯を注ぐ。これまた最高にうまいんです。すべていただき、余韻をたっぷりじんわり感じ「ごちそうさまです!」という気持ちになったら、最後にまったく手をつけていなかった水をグビリと飲みます。サウナでいう水風呂みたいなもんで、なんか整った気分になります。また、デザート扱いで他のおそばをお願いすることもあります。
おつまみも豊富で、常連客の中には外が明るいうちからそば前を楽しみに来る人も多いとか。年越しそばの販売も行っているので、今年は「ほさか」のそばに舌鼓を打ちながら新年を迎えてみてはいかがだろう。

駅前という好立地ながら、手頃な価格で本格的な手打ちそばを味わえる「ほさか」は、吉祥寺の穴場的な一軒。気取らない昔ながらの町そばの風情にも、きっと心和まされるはず。ぜひ一度、足を運んでみてほしい。

※価格は税込。
撮影:長尾真志
取材、文:坂井あやの、食べログマガジン編集部
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