メインは3種からチョイス可能!

メインディッシュとなるのはもちろん鰻だ。香ばしいタレ焼きの「蒲焼きと白いごはん」、蒲焼きをのせた「うな重」、そして蒸した鰻をご飯にのせた「白蒸し重」。この3種類から、その日の気分で選べる。
身がしっかりとした「天草藍うなぎ」のおいしさを表現するために考えられたのが「白蒸し重」だ。鰻に塩をふり、1時間ほどかけて蒸し器で蒸し上げる。口に運べば鰻がとろけるほどにやわらかく、鰻本来の旨みをピュアに味わえる。ここだけにしかないという特別な鰻料理をぜひ一度は味わってみたい。

味付けは塩。酢橘やわさびで味を変えながらいただく「白蒸し重」

蒲焼きは、鰻をさっと蒸してから焼き上げている。身が厚く大ぶりなこの鰻は、ものによっては蒸してから焼き上がるまでに50分ほどかかることもあるという。歯応えのあるしっかりした皮目をカリッとよく焼き、香ばしいサクサクの食感を作り上げている。

備長炭で焼き上げた鰻の「蒲焼き・白ごはん」

蒲焼きをご飯にのせた「うな重」も人気だ。上品ですっきりしたタレと鰻の脂がしみたご飯のうまさが秀逸。食事にはどれも香の物、お味噌汁が付く。
最後の食事はポーションがしっかりあるので、食べきれない場合は持ち帰りにも応じてくれる。

蒸し時間を長くして、蒲焼きよりもやわらかく仕上げた「うな重」

まだまだ鰻を食べたい人に、追加メニューも用意!

鰻好きでなくとも蒲焼きか白蒸しか、というこの究極の選択には悩むはず。でもうれしいことに、追加メニューで両方を味わうという選択肢もあり!
追加メニューは現在4品で「一口うな重」「一口白蒸し重」は各1,430円、ご飯が付かない単品の「蒲焼き」「白焼き」は各4,400円。初めてなら、蒲焼で飲んで白蒸し重で〆るというのがベストチョイスかもしれない。

追加メニューだけにしかない「白焼き」4,400円

〆は創意あふれるデザートで

「和食店のデザートは果物などが多く工夫が少ない。だから少し手の込んだものをお出ししたかった」と話す河村さん。さらに食べ応えのある鰻の後なので、口の中をさっぱりさせてくれるものがいいという。そこで、酢橘ジュースに自家製わらび餅やフルーツが入ったデザートを考えた。器が瓶になっているのもアイディアもので、もうお腹いっぱいという時はそのまま蓋をして持ち帰れる。

〆のデザート「甘露」。中のフルーツは季節によって変わる

この店のこぢんまりした個室感覚のカウンターは、さまざまな用途に都合がよい。貸し切りでの顔合わせ、鰻会席で昼接待、大切な人との気兼ねのない美食ランチなど、幅広い使い勝手も魅力の一つ。また、名ソムリエ飛田さんが選ぶドリンクリストも共有なので、お酒と一緒に楽しむのもおすすめだ。

名店の中にできた、個性的な和食店はまた若き料理人のチャレンジの場でもあるという。これからどのように進化し、成長していくかを密かな楽しみに通いたい。

※価格はすべて税込・サービス料別

文:岡本ジュン 撮影:八木竜馬