今週末行く人必見!スイーツのプロが見たサロン・デュ・ショコラ2018の攻略法、チェックすべきブランドとは?

 

速報記事でもお送りした、チョコレートの祭典「サロン・デュ・ショコラ 2018」(以下、SDC)をもっと深く知りたい! プロお墨つきのチョコレートをゲットしたい! というわけで、連載「お菓子博士・猫井先生の洋菓子講座」でお馴染み猫井先生に、今年のSDCの攻略法、最注目のショコラトリーについて教えてもらいました!

 

◇プロフィール

猫井登(ねこい のぼる)

早稲田大学法学部卒業後、大手銀行に勤務。 退職後、服部栄養専門学校調理師科で学び、調理師免許取得。ル・コルドン・ブルー東京校にて、菓子ディプロム取得。フランスエコール・リッツ・エスコフィエ等で製菓を学ぶ。著書に「お菓子の由来物語」(幻冬舎ルネッサンス刊)「おいしさの秘密がわかる スイーツ断面図鑑」(朝日新聞出版刊)がある。食べログマガジンにて、「お菓子博士・猫井先生の洋菓子講座」連載中。

【攻略法①】事前チケット購入必須。公式サイトをチェックすべし!

今年の一般会期は、東京では1月22日(月)~28日(日)。場所は、東京・新宿のNSビルとなっています。また、事前にネットでチケットの購入が必要であるなど、去年までとかなり様子が異なるので、注意が必要です。まずは、公式サイトをしっかりご覧いただきたいと思います。

公式サイト:http://www.salon-du-chocolat.jp/

【攻略法②】会場ではカタログをフル活用すべし!

会場は毎年大勢の人で賑わいます。今年は、世界15ヵ国から約100のブランドが集結し、端から全て見ていくというのは大変ですから、私の場合、① 「カタログ」や「オフィシャルムック本」で気になるブランドをピックアップ。② ネットに掲載されている「会場MAP」をプリントアウトし、③ 注目すべきブランドのショップの位置に印をつけるとともに購入する商品名もメモ。会場ではこれを片手に廻ります。

【攻略法③】初登場ブランド&4つのキーワードに注目すべし!

 

まずは、今年初登場のブランドに注目します。今年は17ブランドありますね。カタログのショップ名の横に「NEW」と赤文字で入っていますからすぐにわかります。まず1周目は、こちらのブランドをざっと見て廻ります。そして、カタログやムック本によく書かれている、①「C.C.C.」②「M.O.F.」③ 「インターナショナル・チョコレート・アワード」④「クープ・デュ・モンド」、の4つを押さえましょう。

 

①「C.C.C.」・・・クラブ・デ・クロクール・ドゥ・ショコラの略で、直訳すると「チョコレートをかじる人たちのクラブ」。フランスを代表するチョコレート愛好会で、年5回ほど定例会を持ち、パリで開催される「サロン・デュ・ショコラ」で、毎年、優秀なショコラティエの表彰を行っています。そこで受賞した人は、まさに「今年注目すべきショコラティエ」というわけです。最近は、日本人の受賞者も増えました。

 

②「M.O.F.」・・・一般に「エムオーエフ」あるいは「モフ」と呼びますが、フランス国家最優秀職人のことです。日本でいえば、人間国宝級です。ほぼ3年に一度、さまざまなジャンルの職人についてコンクールが開催されます。M.O.F.の称号を受けると、襟にフランス国旗の3色(青、白、赤)のラインが入ったコックコートを着用できます。細かなことを申し上げれば、同じくM.O.F.と言っても、どのジャンルで称号を受けたのか、例えば「M.O.F.パティシエ」「M.O.F.ショコラティエ」「M.O.F.グラシエ(アイスクリーム職人)」などの違いがあります。ムック本には、そこまでキチンと書いてあるので参考にされるとよいでしょう。

 

③ 「インターナショナル・チョコレート・アワード」・・・イギリスのチョコレートの祭典「チョコレートウィーク」とイギリスの「チョコレート専門のウェブサイト」の約7割が中心となって発足した、国際的なチョコレートの品評会です。C.C.C.がフランスのチョコレート愛好家のクラブであるの対し、こちらは、イギリスの専門の知識を持ったメンバーによって審査されています。イギリス、イタリア、アメリカ、ドイツ、スカンジナビア、ベルギー他、10カ国で評価会が開かれ、各地域の受賞者はロンドンで開かれる世界大会に進み、審査を受けます。

 

④「クープ・デュ・モンド」・・・正式には「クープ・デュ・モンド・ドゥ・ラ・パティスリー」で、2年に1回、フランスのリヨンで本大会が開催される世界的なコンクールです。各国から選出された3人のパティシエが国単位のチームで競います。洋菓子界のワールドカップのようなものですね。そのチームメンバーだったということは、まさにその国を代表するパティシエの1人だということです。

 

また、最近はこういった「肩書」のほかに「Bean To Bar」「オーガニック」ということもチョコレートを選ぶ際の基準となっています。「Bean To Bar」は、カカオ豆の選別からチョコレートになるまでの全工程を手掛けること。また、「オーガニック」とは、合成甘味料や着色料などは使わず、有機認証機関が承認したカカオや食材のみを使用することです。

 

以上の基準なども踏まえ、オススメのチョコレートを紹介します。

有名どころを押さえたいならこの3ブランド!

① M.O.F.ショコラティエ「パトリック・ロジェ」

 

M.O.F.ショコラティエ。フランスでも屈指の天才と言われ、自然やテロワールをテーマにした大きなショコラの作品が店舗にディスプレイされることでも有名。今年のオススメは、自家菜園のハーブや養蜂する蜂蜜などを使った、ロジェのスペシャリテが詰まった「ショコラ アソート4P」。

② C.C.C.殿堂入りメンバー「パスカル・ル・ガック」

 

ショコラの高級路線を作り出したと言われる老舗「ラ・メゾン・デュ・ショコラ」に24年在籍し、エグゼクティブ・クリエーターとして活躍。08年に開業し、09年以来C.C.C.から最優秀ショコラティエに選ばれている実力派。王道のアソートのほか、女性には「ハートボンボンショコラ」も人気。

③ Bean To Barの先駆者「ベルナシオン」

 

1953年創業の老舗。早くからカカオ豆からのチョコレート製造を手掛ける、Bean To Barの先駆的存在。フランス国内外で高い評価を受けながらもリヨン本店以外に店舗はない。こちらで一番のオススメは「タブレット マンディアン プラス」! ローストアーモンド、ヘーゼルナッツ、レーズン、ドライチェリー、ピーカンナッツなどが華やかに散りばめられ、板チョコながら見た目にも美しく、食べる箇所により味わいの変化が楽しめる逸品。

猫井先生のお気に入りはこの2ブランド!

① 「カカオハンター」

 

情熱大陸などの番組などにも登場したカカオハンターの小方真弓氏が2013年にコロンビアのチームとともに立ち上げたブランド。カカオの選定から全ての工程を現地で行なう。インターナショナル・チョコレート・アワード2016年最優秀賞や金賞などを受賞。オススメは「シエラネバダ64%」! カカオの力強さとともにフルーティーな酸味が感じられる素晴らしい作品。

② 「ジャン=ミッシェル・モルトロー」

 

世界的な有機認証機関が承認するカカオ農園で生産され、フランス国内の有機規格にも適合したカカオ豆のみを使用。ナッツ類やクリーム類に至るまで有機のものを使用するオーガニックショコラの第一人者。オススメは産地別のショコラを食べ比べできる「ヴォヤージュ・デュ・カカオ・ビオ」や自信作を集めたコフレ「JMMセレクション」。

 

「サロン・デュ・ショコラ 2018」開催概要

開催期間(一般会期):2018年1月22日(月)〜28日(日)

開催時間:午前10時〜午後8時

会場:新宿NSビル 地階=イベントホール(東京都庁舎隣)

公式サイト:http://www.salon-du-chocolat.jp/