お酒好きを公言するモデル、村田倫子が呑み屋パトロールをする連載。ファッション誌『mer』や『mina』などで活躍するモデルでありながら、豪快な飲み方がなんとも男らしい! 大学生時代の居酒屋バイトで仲間と飲む楽しさを覚え、それからは食べログの「行きたい」を増やす日々が続いているのだとか。そのジャンルは主に呑み屋。

 

そんな飲み道楽だからこそ「同世代の人にもっと外食、外飲みを楽しんで欲しい!」と願っている彼女が紹介するお店とは? 本人が行ってみたいお店から行きつけのお店まで、さまざまな“呑み屋”が登場します。

呑み屋パトロール vol.3「酒場シナトラ」

本格的に寒くなってきた今日この頃。皆様いかがお過ごしでしょうか。特に今年は例年より冬がキンキンに張り切っているようで、冷え性の私は困りきっております。

 

このどうしようもない肌寒さを解消すべく、呑み屋を日々探し求めています(飲食時が一番体温が上がるんです……笑)。ぬくもりを求めて……。

 

今宵は、知り合いから「倫子ちゃんここ好きそう!」と薦められ気になっていた店舗を訪れるべく、目黒に上陸。

駅から徒歩1分のビル。おっと、この建物、楽しげな呑み屋がたくさん入っているではないか!

こんなディープなスポットが駅近に潜んでいたとはまさに灯台下暗し。誘惑を振り切り、目指す暖簾は「酒場 シナトラ」。

 

入った途端、活気のある「いらっしゃいませ」の声が、開放的なオープンキッチンから響き渡る。

 

温かみのある店内は、初めて来たのになんだか落ち着く空間。

そしてこのキッチンを囲むようにしてカウンターが連なるこの構図、私のタイプすぎるぞ。このテンションだと一人でも気兼ねなく飲みに立ち寄れそうです。
テーブル席もほっこりできそう。

カウンター席をチョイスし、まずは一杯。いつもならとりあえず生!ですが、日本酒ブームが到来中なので、スタートから日本酒いっちゃいます。

店員さんイチオシのこちらは、初めましての「山本 ピュアブラック 純米吟醸 780円」。う~ん、名前からしていけていますね。

すっと爽やかでほんのり甘みがあるフレーバーに、シュワっと微炭酸が舌先に残るこの新感覚!!!

 

え、美味しすぎるんですけど(一杯目から好きが溢れて困惑)。

※村田さんは困った顔が通常の至福顔

 

小洒落た和風シャンパンのような風味なので、女性が特に好きそう。日本酒は本当に奥が深いなあ。

 

一杯目の幸せ余韻に浸りつつ、オーダーしたのは「ホタルイカの沖漬けポテトサラダ 580円」と「フルーツトマトのナムル 480円」。

 

珍しいマッチングだなあと感動し選んだのですが、ホタルイカさんがまるっとポテトサラダに君臨してる絵は想像してなかったので驚きました。見た目ですでに満足度が高めな小鉢です。

 

ホタルイカの食感と濃厚な旨味と塩辛さがポテサラに絶妙にマッチ。なんともうまい具合に調和していて美味しい。もちろん日本酒とも相性バッチリです。

  

トマトもフルーツトマトという名を背負っているだけあり、甘みがグッと生きて美味。濃い味のものと一緒に食べると、よりこのフレッシュさが口に爽やかに感じてたまりません。

 

お次は、この店ナンバーワン人気と呼び声高い「肉豆腐 780円」!!!

 

そうそう、このキッチンにドンッと腰を据えているお鍋ずっと気になってたんだよなあ。 

店の中心を陣取り、くつくつと美味しい音を奏でる鍋。かっこいいお兄さんが盛ってくれた一皿は、もう自信満々に照り輝いていて、見るだけでのどが鳴ります。

あああ、さすが王者……。

 

煮込みに煮込まれたお豆腐は、汁の旨味をギュインと吸って堂々たる存在感を放っています。相方に寄り添う、秋田牛のコラーゲンたっぷりスネ肉は、ほろっと口の中で崩れて……ずるい。なにこれ一人で一皿食べちゃう勢い。

 

はい、お次にやってきたのはあれば必ずオーダーしてしまう、卵焼きです。しかも今回は「煮穴子のたまご焼き 880円」。頼まないわけにはいきません。

わあ! 断面からのひょっこりハローしている穴子さん、なんともあざといねえ。

 

口の中でとろける優しい卵の甘み。こってりとした穴子の旨味。ふたつのハーモ二ーに脱帽! 最高です、ありがとうございます! やっぱり大好きです卵焼き!(愛)

 

気づけば、グラスも空。お次のお供は、「レモンサワー 580円」。

このレモンさん、無農薬といういいとこ育ちなので、皮ごと搾っているそうです。普段のレモンサワーより旨味、苦味、酸味をキリッと感じます 。

あと、氷も注目。なんとシナトラ特注氷なんです! 溶けにくく、お酒の風味をより楽しめるようにという粋な計らい。う~ん、素晴らしい。お客さんへの細やかな配慮に職人の粋を感じますね。

目の前に現れたのは、今日のボス「秋田牛の焼きしゃぶ 1280円」。こちら三角バラを使用しているなんともぜいたくな一皿です。

 

半透明にツヤっと透けて、ジュワッとピンクに発色し、輝くお肉の羅列。「私、お嬢様なのよ」という風格が、少し酔いが廻ってきた私にもビシバシ伝わってきます。

 

このお肉様で青菜をくるっと巻いて、ポン酢とともにいただきます。口に入れた途端、上品なお肉の甘みがふわっと広がり、とろけちゃう。

 

上質なお肉の脂は、全く重くない! 罪深い余韻を舌先に残してゆきます。流石です。この値段でこの満足度。脱帽しちゃうな。

 

メインシリーズは続きます。お次は老若男女みんな大好きメンチカツ !!!!! シナトラのメンチさんは一味違います。なんたって鴨肉を使用しているんです。

「鴨のメンチカツ 780円」をいただきます。はい、ジューシーさにやられて私の顔がもはやふにゃふにゃ。幸せを噛み締めるのに精一杯です。

 

 料理が美味しいと自然とお酒も進みますね。やはり最後は日本酒でしめたくて、シナトラで一番よく出る銘柄「百十郎 純米酒 赤面 580円」を注文。

 

あら、今流行の?写真映えするカッコ良いラベル。ギラッと力づよい外見とは裏腹に、旨味が上品に広がる口当たりはこれまた危険なほど飲みやすい。

日本酒に合わせて本日のおすすめメニューから追加オーダーしたのは、「〆アジ 580円」。〆サバ大好きとしては、見逃せない一皿です。

 

しめることによって、隠されていたアジのスペックがどんどん出てくる。

あぁ、気づけばお腹もホクホクしてきましたよ。

 

こちらでは、「女性でも気軽に飲みに来て欲しい」という思いから、ちょうどいいボリューム感に調整されているんだとか。一人はもちろん、大人数で来ても少しずついろんな料理を楽しめるので、どちらにしても嬉しい。なるほど、だからいろんな料理を堪能できたわけだ。

 

オープンキッチンというその名の通り、清清しく開放的で温かく雰囲気の心地よさがお一人様でも気兼ねなく足を運びたくさせるのだろうなあ(そして、個人的にはスタッフさんが爽やかでフレッシュな男前揃いなのがかなり高まるポイント笑)。

上質な食材とコストパフォーマンス(私的最重要事項)の高さ。良い飲み屋が纏う空気感ってふわっと心地よく酔わせてくれるんですね。と一人勝手に納得しながら、お店を後にしました。

 いい出会いだったあ。教えてくれた友人に感謝です。