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山本さんが燗酒と一緒に食べたい、いいあんばいな推しのメニューとは?
定番! チーズあふれるサクサクのハムカツ
1品目は「チーズハムカツ」(650円)。割ると中からトロ〜リとあふれ出すチーズとハムがお目見え。チーズがたっぷりと詰まっているので箸で持ち上げるとよくのびる。サクサクの衣にチーズとハムが合わさり、懐かしく何度でも食べたくなる万人に愛される一品だ。
山本さん
大衆グルメの代表格であるハムカツは、いつも注文してしまいます。 食べながら飲むとお酒もどんどん、すすんでしまいますね!
ハムカツに合わせて飲みたいおすすめのお酒は「るみ子の酒」だ。このお酒は、うまみと酸味のバランスが良いのが特徴。味の主張はあるが、香りは強くなく後味が優しい。お酒の酸が料理そのものの味を引き立たせるので、ハムカツの濃厚で食べ応えのある味をしっかりと楽しめる。
だしがしっかり染み込んだおでん
山本さんのおすすめする2品目は「おでん5種盛り」。おでんと日本酒は切っても切れない相性抜群の組み合わせだ。昆布とカツオだし、塩、日本酒とシンプルな味付け。おでんに使っている日本酒にもこだわりがあり、杜の蔵の「琥珀の料理酒」を使用している。この料理酒はうまみ成分が通常の純米酒のおよそ2倍であり、素材の持ち味を引き立たせている。具材とだしとのバランスが良く、うまみとだし感をしっかりと感じられ、寒い日に食べれば体に染み渡るだろう。5品はリクエストすれば好きな具を選ぶことも可能。もちろん、おまかせでも大丈夫だ。
山本さん
おでんの醍醐味はやっぱり大根! 2日間コトコト煮込んで作るからだしが染みて文句無しに最高! 日本酒好きにはたまらない!
そして、このおでんの盛り合わせにピッタリなお酒は「十旭日」だ。昔ながらの生酛(きもと)造りで、天然の乳酸菌と酵母により造られており酸が強めでしっかりとした味わい。うまみが口の中にフワッと広がった後はスッキリとした印象だ。おでんの優しい味わいの余韻を楽しみながら、ゆっくりと飲むのにおすすめのお酒である。
シンプルに塩もみした発酵白菜
3品目はシンプルに白菜の漬物「発酵白菜」(300円)をチョイス。白菜を丁寧に塩もみして乳酸菌の力で素材の持ち味を堪能できる健康的なメニューだ。鷹の爪を入れて味にピリリとしたアクセントをプラスしている。そして、この一品に合わせる燗酒は「金松白鷹(特別純米酒)」。こちらのお酒も生酛造りで力強い印象だが、スッキリとクセがなく何にでも合わせやすい、万人に愛される口あたり。まるで白米のようにどんなおかずにも合うオールラウンダーのような存在だ。したがって漬物との組み合わせも、しっくりとくる。
山本さん
さっぱりとしているけれど、程よい酸味と塩気がやみつきになる味わい。 健康的な酒の肴もたまには良いですよね。
優しい味が体に染み入る鶏だしにゅうめん
最後は〆にもピッタリなあっさりとした後味と鶏だしの優しい味に包まれる「鶏だしにゅうめん」(850円)。鶏肉でだしをとる際は、何度もアクをすくい丁寧に作っているのだとか。6リットルの水分量を2リットルまで煮詰め、うまみを凝縮。昆布や生姜、ネギなどを入れ、味を調えたら特製のスープが完成する。
山本さん
〆を頼もうかな?という時に、いつも選んでしまうにゅうめん。 少し残った酒を合間に飲むのが、これまた良いのです! 優しい味にホッとします。
さて、まろやかな鶏だしの風味に合わせる日本酒には「玉櫻 殿-しんがり-」を選ぶ。その日の最後に飲むために、というおもしろいコンセプトで造られた純米酒。ややアルコール度が低めで、優しい口当たりだがうまみも程よく感じる。味がまろやかな、にゅうめんとの相性がピッタリな一杯だ。
日本酒ってあまり飲み慣れていないからちょっと……とためらっているならもったいない! 詳しくなくても、大衆酒場に行ったことがなくても「えんらい」なら大歓迎。相談すれば、好きな酒の味の好みや注文したつまみに合わせて日本酒を選んでくれる。常連の中には「今日は3本だから、よろしくね!」と来店する方も。お燗番が、注文した料理や雰囲気に合わせて「今日はどんなストーリーで楽しませてくれるのか」と期待しているのだ。江戸時代から続く日本の酒場文化は本来とても自由気ままに楽しむべきもの。だからツウも初心者も肩を並べ、カウンターを囲んで一杯飲もうではないか。