丸2日かけて煮詰める“二番だし”がテグタンスープの命
テグタンスープは韓国料理だが、日本におけるそれには2種類あり、一つは真鱈(テグ)を丸ごと使ったピリ辛の鍋料理のようなスープ、もう一つは韓国大邱(テグ)広域市発祥で、牛の塊肉と牛骨でとっただしに野菜を入れコチュジャンや粉唐辛子で味付けしたものを指す。
「本とさや」のテグタンスープは後者で、丸2日かけて作る“二番だし”が命だ。和牛を炊いた一番だしから肉を引き上げ、だしだけを炊いて煮詰め、それとは別にゲンコツと呼ばれる牛の大腿骨を炊き、それらを合わせてできたものが“二番だし”。コトコトじっくり煮込んだスープは、牛のうまみと栄養分が凝縮されて白濁し、コラーゲンがたっぷり含まれているのが特徴だ。
うらさん
テグタンスープを注文できる焼肉店は比較的珍しいので、〆にうどん入りで頼んでみました。コクのあるスープの味にグッときたのを覚えています。
アツアツの土鍋で提供される「テグタンスープ うどん入り」。その作り方を見せてもらおう。
調味料を溶いたスープにうどんと具材を加えて火にかけ、沸いてきたら溶き卵を回しかけ、長ネギ、白ごまとコショウをふってできあがりだ。
うらさん
ふわふわの溶き卵でコクのあるスープのおいしさがより引き立ちます。麺はコシがあってモチモチ。適度な噛みごたえがあり、喉ごしのよい麺です。
テグタンスープ単品では粉唐辛子を少なめにしているが、うどん入りの場合は麺に負けないよう、若干辛めに仕上げているそう。辛さ調節も可能で基本は0.5辛、1辛はサービス、以降、55円プラスで2辛・3辛と自分好みに辛さをアップできる。
「あまり多く入れすぎると粉っぽくなってしまうので、おすすめは3辛まで。ご希望により別皿での提供も可能です」(三浦さん)
うらさん
コチュジャンと味噌ベースのスープはピリ辛でコクがあって、深い甘味を感じます。おいしいお肉をいただいた胃をやさしく温めてくれて、家までぽかぽかで帰れます。個人の感想ですが、このスープを〆にいただくと翌日にお酒が残らないのもいいですね。
質とボリュームは落とさずに満足感をしっかりキープ
不安定な社会情勢により仕入れ値、材料費などが高騰し、業態を問わず値上げ傾向にある昨今。「本とさや」でも「お客様には申し訳ないのですが、さすがにこのままでは厳しいため一部メニューを少しだけ改定させてもらいました」と三浦さん。
とはいえ分厚いボリューム満点のお肉がウリの「本とさや」。質とボリュームは落とさず満足感はしっかりキープし、訪れる人々に喜ばれているという。
焼肉は栄養豊富で免疫力を高める働きもあり、何より食べると元気が湧いてくる。浅草・裏路地の隠れ家のような名店で、質にこだわる肉をたっぷり味わい、〆に滋味あふれる「テグタンスープ うどん入り」を味わえば、身も心もぽっかぽか、明日への活力がみなぎるはずだ。